5月30日はごみゼロの日!脱ゴミ生活のヒントは「?型」の建築物にあり

徳島県上勝町ゼロウェイストセンター

みなさん、5月30日は5(ご)3(み)0(ゼロ)の日なのをご存知ですか?ごみの減量化と再資源化を促す啓発活動を実施するための日ということだが、一方でコロナ禍における巣ごもり需要によって、家庭ごみの量は多くなっているという話も。東京23区清掃一部事務組合によると、東京23区では、コロナ以前と比べると多い月で約10%も増加しているとか。また、環境省からは、このままごみが増え続ければ、日本のごみ埋立地はあと20年でいっぱいになるという発表もされている。

ならば埋立地を増やせばいいのかといったら、そう簡単にはいかない。埋立地を新設するためにはまず、適切な土地の確保が必要になるが、実はこれがとても難しいという。もし確保に成功しても、周辺住民への理解を得る段になって反対され建設に至らないこともしばしばあるとか。

有害物質による農作物への被害や健康への影響、海や川といった周辺環境への影響などは、決して無視できるものではないため、新設に頼った解決法は得策ではなさそうだ。このようなごみ埋立地の問題を解決することは難しいかもしれないが、私たち一人ひとりの生活を見直すことで、ごみをなるべく出さないようにできるはずだが、さぁどうしたものか。

ごみゼロの町、上勝町に脱ごみ生活のヒントあり!

そんな中、棚田や段々畑の風景を残す徳島県上勝町では2003 年に自治体として日本で初めての『ゼロ・ウェイスト(Zero=0、Waste=廃棄物)宣言』を行っており、2016年には町内リサイクル率80%を達成。2030年には100%を目標としているという。

同町では目標達成のために、リサイクル(資源に変えて再利用する)、リユース(捨てずに何度も使う)、リデュース(無駄なものは買わない、すぐに捨てない)の3Rを意識した取り組みを行っている。

一例としては、
・生ごみなどはコンポストを利用し、各家庭で堆肥化
・各住民が45種類以上にごみを分別
といった徹底ぶり。

とはいえ、やり方さえ分かれば実行できそうな内容なだけに、ぜひとも学んでいきたいもの。

ごみをどう処理するかではなく、ごみ自体を出さない社会と生活を目指す

ゼロ・ウェイストアクションホテル「HOTEL WHY」

また、3Rにとどまらず、‟ごみをどう処理するかではなく、ごみ自体を出さない社会と生活を目指す”という考え方も重要視しており、町内にあるゼロウェイストが体験できる環境型の複合施設「ゼロ・ウェイストセンター」では、2020年5月からゼロ・ウェイストアクションホテル「HOTEL WHY」を同敷地内に運営。ごみを出さない暮らしを再考するきっかけ作りを提供しているという。

ゼロウェイストセンター内観

「ゼロ・ウェイストセンター」一部内観。センター内には前述した45種類以上のゴミ分別所も設置されている。

同ホテルでは、宿泊中に出るごみを分別しその行き先を知る「ウェイスト・セパレーション体験」や客室で利用する石鹸やコーヒー豆の「セルフ切り分けおよび量り分け体験」を用意。宿泊者は自然とゼロ・ウェイストアクションを学ぶことができ、楽しみながら新しいライフスタイルのヒントを得られそう。

ゼロ・ウェイストアクションホテル「HOTEL WHY」

なぜ物を捨てるのか、なぜ物を買うのかを今一度自分に問いかけよう

徳島県上勝町ゼロウェイストセンター

?型が特徴的な「ゼロウェイストセンター」「HOTEL WHY」施設外観

上勝町の取り組みを見ていると、ごみを少なくするには、私たちの暮しそのものを見直す必要があることに気づかされる。

「なぜ物を捨てるのか、なぜ物を買うのか」
「豊かさとはなにか」

そう問いかけられているような気がする。日本のごみ埋め立て地がいっぱいになるまであと20年。わたしたち一人ひとりがいまから再考していけば、ごみのない社会の実現も夢物語ではないはずだ。

▼リサイクル率80%以上の町。徳島県上勝町【ゼロ・ウェイストセンター】

ゼロ・ウェイストセンターWHY(ワイ)概要

住所 : 〒771-4501 徳島県勝浦郡上勝町福原下日浦7番地2
アクセス : 徳島空港から車で1時間5分
施設内容 :
『ごみステーション』リサイクルごみ集積場
『くるくるショップ』上勝町住民のリサイクル可能な不用品をリサイクルする無料交換所リサイクルショップ
『ゼロ(0)・ウェイストアクションホテル「HOTEL WHY」』 全4部屋
『セミナールーム』 環境ラーニングを年数回企画
『ラボ』ごみゼロ活動に興味ある企業や教育機関向けのラボ

公式サイト : http://why-kamikatsu.jp/
代表メール : info@why-kamikatsu.jp

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PROFILE
アウトドアレジャー予約サイトの取材ライター出身。いままでに取材した日本全国のアウトドアカンパニーは130社ほど。ネットワークを活かした記事作りが得意!?かもしれない。一番好きなアクティビティはダイビング!とは言い切れないかもしれない。
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