人魚ジャパン三連覇なるか?フリーダイビング世界選手権2014開幕
2014年9月16日(火)より、フリーダイビングの世界選手権「AIDA World championship」がイタリア、サルディーニャ島で開幕。
日本フリーダイビング協会(JAS)からは、男女合わせて6名の代表選手団「人魚ジャパン」が派遣され、特に女子チームは2010年沖縄大会、2012年ニース大会に続き、三連覇を目指します(団体戦は2年に1回)。
そんな人魚ジャパンの一員で、2013年のギリシャにて開催された世界選手権で86mを記録し、銀メダルを獲得した岡本美鈴さんより、現地から大会直前の意気込みなどをお聞きしました。
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いよいよ大会が始まりますが、天候や海況はいかがですか?
岡本
今、こちらは15日の夜23時です。いよいよ明日から大会が開幕し、2週間の中で、3回海洋とプール2種目の試合があり、間は公式練習日となります。
明日以降、海の天候が良くない予想で、大会スケジュールは大幅に変更になる可能性があります。
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美鈴さんの調子や調整は順調ですか?
一週間前から現地入りし、トレーニングを行ってきました。調子はまずまずです。
団体戦はミスができないため、潜る深さの申告も自己ベストよりも浅くします。
日本ではディープダイブ練習があまりできなかったため、今は少し間を詰めて、今年初めての深さを練習している状況です。
明日ともう1日、同じ深さを繰り返し練習し、本番では練習より浅めにしながらも、他国と差がつけられる深度で申告ができたらいいなと思っています。
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個人戦のように自己の記録を追求するのと違って、団体戦には団体戦の戦略があるんですね。
他にも団体戦なりのポイントはどのようなことがあるのでしょうか?
岡本
団体戦では気をつけなければならいことがあります。
競技の判定に対し、他国から抗議を起こされる可能性が高いのです。
例えば、浮上後にジャッジにOKサインを出して、ホワイトカード(判定OK)をもらうのですが、その際、少々酸欠によって手が震えていたり、声が小さくなってしまうと、できていないのでは?ということで、他国から判定に対して抗議が入ることがあるのです。
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単に、記録と記録の戦いではなく、そんなシビアな神経戦があるのですね。
岡本
審議の結果、失格になる事もあり、失格にならなくても精神的なダメージを与えるという効果もあります。過去に日本女子チームも抗議をされた事があり、初めての体験だった私はかなり動揺し一気に疲労してしまいました。
今回3連覇がかかる「人魚ジャパン」はかなりマークされているので、プールでの種目はミスを探すために、他国のコーチや選手から動画撮影や監視をされるはずです。
その緊張の中でも、全力を発揮し、文句の付けようのない美しい浮上とジャッジへのサインを行える余裕が必要です。
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最後に、現地より日本の皆さんにひと言お願いします。
人魚ジャパンのメンバー、福田選手、廣瀬選手もそれぞれの課題と向き合いながら徐々にペースアップしています。
明日に開幕を控え、全員がそれぞれのベストに近い調整ができてきました。
疲労の問題や、緊張、これから崩れる予報の天候の問題など課題もありますが、人魚ジャパンを応援くださる皆様の気持ちを力にして、チームワークで優勝するつもりです。どうぞ応援よろしくお願いいたします!
異国の海で世界一をかけて戦う人魚ジャパン。
日本から海を愛する皆で応援して、三連覇に期待しましょう!
*現地からの最新情報は人魚ジャパン公式Facebookページで更新。きっと励みになると思いますので、応援メッセージもぜひ書き込んでくださいね。
【大会概要】
フリーダイビングの団体戦は2年に一度開催。
一カ国、男女3名ずつの選手がコンスタントウェイト・ウィズ・フィン(海で潜る深さを競う)、スタティック・アプネア(プールで息を止める時間の長さを競う)、ダイナミック・ウィズ・フィン(プールで水平に泳ぐ距離を競う。以下、ダイナミック)の3種目を行ない、男女別に国ごとの総合得点でメダル獲得を目指す。
前回の大会は2012年9月フランス・ニースで開催。
参加26か国中、日本は女子金メダル二連覇という快挙を成し遂げる。
今大会は、フリーダイビング発祥の地でもある地中海のサルディーニャ島で開催され、世界各国から強豪が揃う。
現地時間26日(金)に最終競技であるダイナミックを開催、そこで総合順位が決定。
フリーダイビング世界選手権「AIDA World championship」大会詳細
◆名称
AIDA Team World Team Championship 2014
◆主催
BlueWorld Apnea School
◆期間
2014年9月16日〜27日(第一競技のコンスタント開始は20日から)
◆開催地
イタリア、サルディーニャ島
◆日本代表メンバー
男子チーム 飯伏教文/後藤修一/内田恒雄
女子チーム 岡本美鈴/福田朋夏/廣瀬花子