中性浮力をとって中層にピタッと止まりたいのですが…(前編)
このダイバー憧れの〝中層ピタッ〝のスキルを試す過程で、
多くのダイバーが疑問を持ち、聞かれること。
これは、安全停止などのときに、中層にピタッと止まろうとするものの、
「深くゆっくりの呼吸をすると浮いたり沈んだりしてしまう……」という
体験からくる質問のようだ。
ガイドさんに聞いても「基本は深くゆっくりの呼吸です」と言われることが多いらしい。
もしくは、明確な答えをくれない場合も多いとのこと。
しかし、結論から言うと、中層にピタッと止まろうとするときは、
「深くゆっくりの呼吸をしなくていい」と思う。
ガイドさんが自信なげにごにょごにょ言ってしまうのは、
実は本人たちも深くゆっくりではない呼吸で微調整しているからだろう。
もしくは、意識していないから。
理由は簡単。物理というほどのことでもない。
泳いでいるときは、前に進む力に引っ張られ浮沈も小さい。
スピードが増せばなおさらだ。それが、止まっている状態であれば、
呼吸は浮力にモロに反映されるので、
泳いでいるときよりも浮き沈みが大きいのは当たり前だ。
深くゆっくりの呼吸をすれば、
息をゆっくり吐いている間にどんどん沈んでいってしまうし、逆もまたしかり。
赤い矢印が肺の浮力。絵が汚い? すいません……<
なので、止まっている場合は、普通の呼吸、もしくは、
呼吸を止めて微調整したっていいだろう。
では、なぜ〝深くゆっくり〝と言われるのか?
後編へ続く。