誰でも気軽にプールでダイビング体験!「もっとやりたい!」とリピートする子どもたちも

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8月最後の休日となった8月26日(土)と8月27日 (日)。静岡県西伊豆にある海水浴場「らららサンビーチ」に、2日間限定の特設プールが登場した。そのプールで、ダイビングのライセンス(Cカード)を持っていなくても、水深50cmの浅いプールでダイビングの器材を使い、水中での呼吸を体験できるというイベント「ぷくぷく体験会」が開催された。両日ともに、天候にも恵まれ、「水の中で呼吸してみたい!」という子どもたちが、ひっきりなしに訪れ大盛況!イベントの様子をレポートしていきます!

子どもから大人まで、夏の思い出に残る特別な体験を!

当日は、朝9時から参加受付がスタート!海水浴に来ていた家族連れが突如現れた特設プールに「何ができるんですか?」と思わず足を止め、スタッフが体験内容を説明すると、「楽しそう!やってみたい!」と早速賑わいを見せる。

らららサンビーチの砂浜近くに特設プールを2つ用意らららサンビーチの砂浜近くに特設プールを2つ用意

らららサンビーチの砂浜近くに特設プールを2つ用意

参加は簡単で、受付で、空いている枠に名前を書くだけ

参加は簡単で、受付で、空いている枠に名前を書くだけ

体験の順番が回ってきたら、プールでいきなり水中呼吸を体験する前に、まずは陸上でダイビングに使用するマスクの付け方やレギュレータ(呼吸器)での呼吸方法を陸上で練習。参加者の中には、シュノーケリングでマスクをつけたことがある方もいれば、まったくの初心者の方も。レギュレータの使用に関しては、ほぼ全員が初めてだったが、ゆっくりと練習をするにつれ、すぐに使い方を習得!

レギュレータはシリンダー(空気が入っているタンク)に繋がっている

レギュレータはシリンダー(空気が入っているタンク)に繋がっている

カラフルで可愛い、小さいサイズの子供用マスク

カラフルで可愛い、小さいサイズの子供用マスク

ダイビングのインストラクター資格を持つスタッフの丁寧でわかりやすいレクチャー

ダイビングのインストラクター資格を持つスタッフの丁寧でわかりやすいレクチャー

器材の使い方に慣れたら、スタッフの案内でゆっくりと入水!通常のダイビングでは、シリンダーとレギュレータを背中に背負ってダイビングを行うが、本イベントでは背負わずにシリンダーに繋がったレギュレータを咥えて呼吸をする。

プールに入ったら、レギュレータを咥えて水面に顔をつけて、ゆっくりと水中での呼吸の感覚を掴む。最初は、少し恐怖心があったり、レギュレータで息を吐き出すのに少し抵抗があったりする子もいたが、しばらく練習するとすぐにコツを掴んでしまう。

水面で呼吸の練習

水面で呼吸の練習

顔をつけて呼吸をしてみる

顔をつけて呼吸をしてみる

慣れてきたら、早速泳いでみる!最初はゆっくりと泳いでいたが、次第にシリンダーを持ってサポートするスタッフがついていくのも大変なくらい、グイグイと自由に泳ぎ回る子も!スタッフも思わず「もうすぐにでも、ダイバーになれますね」と、水の慣れ具合に関心。

プールには海の生き物のフィギュアや白い石が沈められており、子どもは宝探し感覚で、たくさん集めて満足げな様子。

さらに、本イベントでは水中で呼吸している様子をプロの水中カメラマンも愛用するカメラで撮影し、プレゼントするサービスも実施。夏の思い出にうってつけの体験になったに違いない。

カメラに向かって水中でポーズ!

カメラに向かって水中でポーズ!

無我夢中で泳いでいると、15分はあっという間。中には「もっとやる!! 」と言って、どハマりする子や、手足に障害を持つ子も、よほど楽しかったのか、リピート参加してくれた。想像以上のハマり具合にスタッフ一同、感激。他にも「水の中で初めて呼吸ができて楽しかった!」、「海でもやってみたい!」と、表情からもその楽しさが伺えた。

プールから上がって、この嬉しそうな表情

プールから上がって、この嬉しそうな表情

親御さんからは、「イベントの開催を知らずに、たまたま立ち寄りましたが、無料でこんないい体験ができるとは思いませんでした」、「私自身一回、海で体験ダイビングをやったのですが、怖くてダイビングから離れていたのですが、今日子どもと一緒にうまくできたのでまた挑戦してみようと思えました!」と子どもと一緒に、親御さん自身も楽しんでいた。ダイビングに関する質問も多く、「ダイビングは何歳からできるんですか?」、「どこの海でダイビングをするのが楽しいですか?」と、この体験を通じて、多くの人々がダイビングに対する興味や関心を持つきっかけになったようだ。

また、2日間を通して参加者は、5〜12歳くらいの子どもとその親御さんが多かった。ダイビングのライセンスを持っているお父さんとダイビング未経験の子どもで一緒に参加する親子、「プール入ってみたい!」と興味を持って参加する兄弟、家族で沖縄にいくからダイビングの練習をしておきたいというご家族、さらには、ダイビングラインセンスを持つお祖父さんが、前々からお孫さんとダイビングをしたくて、ウェットスーツやマスクをプレゼントしていた最中に、本イベントの開催をSNSで知り、娘さんに「孫をこのイベントに連れていってほしい」と連絡。実際に娘さんとお孫さんで参加しに来たという、ちょっと感動するエピソードも!両日合わせて、さまざまな方が参加し、合計56組118名の方々に水中での呼吸体験をしていただいた。

あとがき

本イベントは、ダイビングギアメーカーやダイビング指導団体によって構成された、ダイビングを安全に楽しんでいくための情報発信やイベントの企画などを行う団体「日本スクーバダイビング協会(JSA)」が主催となって開催された。目的は、ダイビングに挑戦する人を増やすべく、10年先を見据えた子どもたちに水の中で呼吸ができる楽しさを知ってもらうこと。本イベントの実行委員長である山口貴裕氏に2日間を終えて、お話を伺った。

「2日間にわたりたくさんのお客様が来てくださり、ダイビング未経験の方に海ではなくプールという安全な環境のなか、少しでもダイビングの楽しさを提供することができたと思います。そして本イベントを通じあらためて感じたのは、ダイビングは決して人と争うスポーツではなく、自分のペースでゆっくり時間をかけて楽しめるという点。運動が好きな子、嫌いな子、水が得意な子、苦手な子、いろんな性格の子どもがいる中で、誰とも競うことなく、水の中で呼吸するという新しい体験が少しでもできたことに対して、最終的にはみんな楽しかった!という顔をしてくれるのが印象的で、これはダイビングの魅力のひとつだと思っています。

そしてもうひとつ、お祖父様がお孫様と一緒にダイビングをしたくて、このイベントを娘様に伝えて会場にいらしたことですね。ダイビング最盛期にダイビングをやられていたお祖父様が、今回デジタルコンテンツでイベントのことを知り、海離れしているとも言われている2世代、3世代下の孫に受け継いでいくというのは、まさに我々が実現していきたい理想像ですね。

また、ダイビングギアメーカーや指導団体で組まれたスタッフ陣はダイビングのプロフェッショナルとしてお客様と一緒に楽しみ、そしてしっかりとお客様の安全管理をしながら運営することができました。しかし、本イベントはダイビングを盛り上げていくための第一歩にすぎません。今後も多くの人を巻き込んで、今後もさまざまな活動を企画していきます」。

2日間、運営に携わった日本スクーバダイビング協会のスタッフたち

2日間、運営に携わった日本スクーバダイビング協会のスタッフたち

“水中で呼吸ができる感動”を体験できるめったにないこの機会。本イベントに参加してくださった方々はきっといつか、海でダイビングをしてみたい!と今回の経験をきっかけに思うはず。次は海でお会いしましょう!

プールでぷくぷく体験会

■主催:日本スクーバダイビング協会
■共催:平沢マリンセンター
■問い合わせ:日本スクーバダイビング協会

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PROFILE
0歳~22歳まで水泳に没頭し、日本選手権入賞や国際大会出場。新卒で電子部品メーカー(広報室)に入社。同時にダイビングも始める。次第に海やダイビングに対しての想いが強くなりすぎたため、2021年にオーシャナに転職。ライターとして、全国各地の海へ取材に行く傍ら、フリーダイビングにゼロから挑戦。1年で日本代表となり世界選手権に出場。現在はスキンダイビングインストラクターとしてマリンアクティビティツアーやスキンダイビングレッスンを開催。
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