ゴーストネットってなに?子どもたちへ美しい海を残すためのリサイクル講義
海洋ゴミの約46%をゴーストネットが占めていることをご存知ですか?
海洋に回流する漁網を『ゴーストネット』と呼び、そのゴーストネットによって約10万頭の海洋哺乳類を死傷させており、魚類を含めるともっと多くの生き物が犠牲になっているという。
ジェンダーレスな物づくりが人気の子ども服ブランドARCH&LINE(アーチアンドライン)が、ゴーストネットをリサイクルし洋服に変化していく過程を子どもたちに解説する、親子で楽しく学べるエシカルファッションの講義イベントを7/31に実施。「洋服を着るだけで環境問題に対してのアクションが出来る」と大好評を得たという講義について紹介したい。
デザイナーが講義を実施!
廃棄漁網から洋服にリサイクルされる過程を解説
ARCH&LINE(アーチアンドライン)は、自社の直営店舗である阪急うめだ本店にて、「子どもたちへ美しい海を残すためにファッションが出来る事」をテーマに、子どもたちに向けて講義を実施。コロナ禍の中、来店出来ない顧客に向けインスタLIVEも同時に配信した。
▼インスタLIVEの様子はこちらから @arch_and_line_official
今回のイベントでは、実物の「漁網・チップ・糸・製品」を使用し、廃棄物から製品化し販売するまでの流れについて順を追って解説。デザイナーが独自に作ったドリルや、アニメーションを活用した解説のお陰あってか、飽きずに楽しんでいる様子で、子どもたちにも分かりやすいリサイクルの講義となった。
2030年までに環境配慮型の商品に
100%シフトする事を目標に掲げる
ARCH&LINEは2030年までに環境配慮型の商品に100%シフトすることを目標にしており、その一つとして、2021秋冬から「漁網リサイクルナイロン」を使用を開始。
海洋に回流する漁網を回収しリサイクルしているのが、GNB(『GHOST NET BURSTER』の略称)という取り組み。GNBとは、リサイクル業者の坂井マリンと、繊維専門商社の田村駒の共同プロジェクト。ゴーストネットが沖に流れ着いた時に回収、糸へと再生し生地へ生まれ変わらせる取り組み。具体的には、日本で回収された漁網をマレーシアのリサイクル工場に輸出。そこでチップ化された材料を中国に持って行き、糸・生地・製品へと生まれ変わらせる。
作る責任、買う責任。子どもの頃から正しい知識を得てほしい。
環境問題と日々の買い物が密接に関係していることも、大人が子どもたちに伝えていかなければならない。
ファッションブランドによるサステナブルな取り組みとして、サステナブルな素材を使った商品を展開する企業は増えているが、このような子どもに向けた講義を自社で行うブランドは珍しく、新鮮な印象を受けた。作る責任として、これからの社会を担う子どもに向けた活動を行うことで、ブランドの顧客の教育にも繋がり好循環となるのではないだろうか。