各国に学ぶサステナブルな暮らし〜オーストラリア編①〜

自然あふれる島国・日本だが、世界基準で見ると環境問題に対する意識が低いと言われている。日本周辺の海に漂うプラスチックゴミは、世界平均の約27倍。それらのゴミはハワイまで流れ着き、深刻な問題となっているのが現状だ。
では、世界中の緑あふれる国では、環境問題にどのように取り組んでいるのだろうか。日本とは違う文化や暮らしの中から、新たな暮らしのヒントを得るのも良いだろう。
今回は、「エコ先進国」と呼ばれるオーストラリアでの暮らしについて、現地在住の長谷川佳苗さんにお話を伺った。

Text:Nodoka Sekido

長谷川佳苗さんプロフィール

国際交流NGOピースボートに通訳として乗船。 これまで30カ国以上を訪れ世界の環境問題について学ぶ。地元名古屋ではゴミ拾い、ヴィーガンピクニック、ヨガ、気候変動に関するプレゼンテーションなどのイベントを企画し、350名以上の人々が参加。また、政府に気候変動への取り組みを訴えている国際的な団体「Fridays For Future Nagoya」の主要メンバーも務め、元アメリカ副大統領のAl Gore氏主催の「Climate Reality Leadership training 」を受講し、気候危機に関する知識を深める。
環境問題について話すことが「意識が高いこと」ではなく当たり前になる社会を目指して、オーストラリアからインスタグラムを中心に情報発信中。また、日本初の無料給水アプリを提供するmymizuにてエコなライフスタイルや気候危機の現状についての記事を連載中。プライベートではフリーダイバーとして世界各国の海に潜り、海の美しさを伝えるのがライフワーク。

Instagram: freedivinglotus https://www.instagram.com/freedivinglotus/
KanaEco × MoeYoga(ヨガ×エコなイベント): https://kanaecomoeyoga.wixsite.com/kanamoeco
mymizuブログ: https://www.mymizu.co/blog-ja

オーストラリアに住み始めて、どのくらいですか?

去年の11月から住んでいるので、もう少しで1年になります。今年で31歳になるんですが、ワーホリ最後の年になるので、このチャンスは逃したくなくて。私の中で渡航先の条件は「海が綺麗なこと」だったので、迷わずオーストラリアに決めました。最初に住んだ街はパースというところです。

街中で働いていた人はコロナウィルスによるロックダウンの影響で帰国した方もいるみたいですが、私はその時たまたまマンジマップという田舎町のファームで働いていたので仕事を続けることができました。

ロックダウン期間を経て、今はオーストラリアの西側・エックスマウスという海に面した街に住んでいます。人口は2500人くらいで、観光産業で成り立っている小さな街です。とても田舎で、日本人は私含めて4人だけ。住んでいるのはほぼオージーです。

海はやっぱり、日本とは全然違いますね。 世界遺産にも登録されているニンガルーリーフという、グレートバリアリーフの次に大きいサンゴ礁が目と鼻の先にあるので本当に海に恵まれた環境です。サンゴ礁で覆われた美しい海にはジンベエザメやザトウクジラ、シロナガスクジラ、シャチ、マンタ、サメなどもいて、ダイビングやシュノーケリングのボートツアーでも有名です。

オーストラリアでの1日の暮らしは?

6:00 起床
このエックスマウスという街では、住んでいる人の半数はボートで働いています。他の半分がホスピタリティ系、いわゆる飲食店やホテルですね。
そういった労働環境や、サーフィン文化も影響してか、早起き習慣の人が多いような気がします。

6:30 出社

今は近所のカフェ「アーリー・バード」で働いていて、だいたい朝の6時に起床して自転車で仕事に行きます。

お店で使っているのは紙製のコップで、蓋も植物性のプラスチック素材。生分解可能なものです。日本でも最近浸透してきたようですが、紙製ストローを使っています。むしろ、オーストラリアでプラスチックストローを見ることってあんまりないですね。お客さんはマイカップを持ってきてくれる人もいますが、まだ3割くらいかな…日本よりは少し多いかなってくらい。
使い終わったビンやプラスチックカップは捨てずにいろいろな形で再利用します。調味料を入れたり、植物を植えるなど。

13:00 ランチ
お客さんが引いてきたら順番に食事を取ります。

オーストラリアで食事をテイクアウトする時は、ペーパーボックスで用意することが多いです。シドニーの飲食店で働いている友達に聞いたら「食事をそのままのせて!」とお皿を持参してくる人もいるみたいですよ。日本のように、コンビニやデパ地下がないので、働いている人のランチは「お弁当を持参する」「外食する」「テイクアウトをする」のどれかが多いと思います。

16:00 クローズ
私が働いているお店は16時まで営業していますが、エックスマウスのほとんどのカフェは14時くらいにクローズします。バーも平日は22時、週末は24時くらいには閉まってしまいます。シドニーに住んでいる友人に聞くと、シドニーでもクラブは24時に閉まってしまうようですね。

お仕事が終わって、時間があるときは海に出かけることも。私の住む場所から15分くらい歩いたところで泳いだりサンセットを眺めたりして過ごすこともあります。

19:00 夜ご飯

私はヴィーガンなのですが、夜ご飯は手作りすることが多いです。オーストラリアのスーパーにはどこもヴィーガンコーナーがあるので、ソイミートなどの代替食品も手軽に手に入りますよ。

家庭菜園をしてる友人から野菜やハーブをもらうこともよくあります。

野菜は根っこのぎりぎりのところまで食べるのであまりゴミはでませんが、料理中に出た生ゴミはコンポストとして庭に埋めてます。

21:00 入浴
歯磨き粉や洗顔料、シャンプーなどは、バルクショップで買ったものを使っています。

バルクショップとは、量り売りで買い物をできるお店のことで、このエックスマウスにあるお店では洗剤、バスグッズ、米、パスタ、スパイス、オイル、お菓子、コーヒー、紅茶、お野菜など、生活に必要なもののほとんどを購入できます。ただ商品によっては少し割高なので、スーパーを利用している人も多いです。
私の住んでいる家はエネルギーのほとんどを太陽光発電で賄っているので、シャワーは夜のうちに浴びないと冷たいことも多いです。

23:00 就寝
バーやクラブの営業終了時間も早いので、遅くまで飲むとしたらハウスパーティになります。週末以外は夜遅くまで外出している人はあまり見ません。

オーストラリアは今、本格的な夏に入ろうとしていますが、家でクーラーをつけたことはないです。天井に大きな扇風機があるのでそれで換気をしたら十分に涼しく快適に過ごせます。

-長谷川佳苗さん、ありがとうございました。
オーストラリアでの更なる暮らしのポイントや、サステナブルな工夫については各国に学ぶサステナブルな暮らし〜オーストラリア編②〜にてご紹介。ぜひ、こちらもお楽しみに。

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PROFILE
神奈川県藤沢市在住。女性ファッション誌からキャリアをスタートし、現在はフリーランスの編集ライターとして活動。オーシャナでは美容やライフスタイル記事をメインに、エコライフのヒントとなるトピックを執筆。
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