プラスチックの代替品

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プラスチックとの戦いがヒートアップするにつれて、消費者側も供給側も代替品を探しています。
しかし、その代替品は果たして、適切なものでしょうか?

『ストローは要りません』と多くの人々(と企業)が言っているにも関わらず、世界のプラスチックメーカーは、2015年に3.5%、2016年に4.0%、2017年には3.9%の成長率を遂げています。

実際、分野によっては、プラスチックは依然として、有用な素材です。
そして、プラスチックは、環境に良い影響を与えることにさえなりそうです。
たとえば、プラスチックを使用して軽重量の自動車を作れば、燃料は少なくてすみます。

しかし、海洋汚染やその他の状況を考えると、使い捨てプラスチックについては、やはり代替品が必要となってきました。

問題は代替品の候補として以下がありますが、それぞれに懸念事項があります。

1.生分解性プラスチック:

生分解プラスチックというと、使用後は土に返すことのできる素晴らしい物質と思われがちです。
しかし、その”理想の言葉”を過信しないでください。

生分解性プラスチックは、原料としてトウモロコシ、ジャガイモ、または大豆を使用したデンプンもしくは繊維ベースのポリマーからできています。 
それらの材料は、湿った暖かい好気性環境の下で、標準化された試験方法を用いた場合には、生分解性です。

また、180日の間に60%以上分解すれば合格となりますが、しかし、これらの条件が、多くの廃棄された使い捨てプラスチックに当てはまるというわけではありません。分解されなかったものは長く残ってしまうのです。

さらに悪いことに、これらのプラスチックは、完全に分解しないと、残渣(ざんさ)が堆肥(たいひ)を汚染し、肥料として再使用できません。そして、もし完全に分解したとしても、自然の野菜廃棄物などとは異なり、空気中に排出する二酸化炭素と水になるだけで、土壌に栄養分を与えることができません。

2. 分解促進剤を添加したプラスチック:

これらの製品の中で最も一般的なものは、オキソ分解性プラスチックまたはオキソ生分解性プラスチックと呼ばれるものです。

これらのプラスチックは酸素、水分、または熱によって活性化される添加剤を含有し、微生物が食べるには長すぎるポリマーの鎖が切れるように反応します。ポリマー分子が小さく分解された後、微生物による通常の生分解が行われます。

問題はこの添加剤がリサイクルシステムに戻すべき物質ではないこと、さらに悪いことに、消費者にとって、このプラスチックとリサイクル可能な従来のプラスチックを、区別することが非常に難しいということです。

これらの代替となるプラスチックは、特定の目的に使うのは可能かもしれませんが、従来のプラスチックとすぐに置き換えるには問題があります。また使用については、その特殊性を明記し分離して、適切なリサイクルシステムに戻すことが大切です。

結論として、もし廃棄プラスチックの海に住みたくなければ、私達は、生活の中でいかにして、使い捨てプラスチックの代替品を用いるか、賢明で持続可能な決定をする必要があるということです。

TUNZA: UNEP’s magazine for youth. 7月11日より要約)

一般社団法人日本UNEP協会
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PROFILE
UNEP(国連環境計画)は、世界の環境問題や持続可能な開発に向けた環境対策への取組みなど、地球規模でさまざまな環境問題の対策を実施している国連組織です。
1972年国連人間環境会議(ストックホルムにて開催)の決議により設立されました。

日本では2015年に、一般社団法人 日本UNEP協会 が発足。日本におけるUNEPの活動の普及を図るとともに、UNEPを通じて日本と海外とを結び、環境保護活動を積極的に推進しています。
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