バリ島でのダイビング事故、現状の経過と今後の検証・総括に向けて

この記事は約9分で読めます。

インドネシア・バリ島近辺の海域でのダイビング事故。
ここまでのまとめと、今後についてお伝えします。

セブ島の魚の群れ(撮影:越智隆治)

※写真はイメージです。今回の事故が起こった海とは関係ありません

前回のレポート(インドネシア・バリの事故、日本人女性5人の生存を確認した本日の現地状況レポート)から、これまでの流れは、僕のツイッター履歴を一番下に羅列しておきますのでご覧ください。

本日(2月19日)12:00現在、ご存知のように、漂流した7名のうち5名が救出され、残念ながら、昨日(2月18日)、宮田律子さんのご遺体がサヌール沖で発見されました。

ご遺体発見時のご様子は、僕が情報交換している、バリ在住のインストラクターMari Matsumotoさんのブログに詳しいです。

これで行方不明者はあと1人。
高橋祥子さんの発見を、現地の方々に託して祈るしかありません。

未だ捜索が続いていますが、並行して今後について考えてよいフェーズだと思います。

今後、重要なことは事故の検証・総括・提案なのは言うまでもありません。

世間からここまで注目されたダイビング事故。
きちんと、情報公開、検証ができるかどうかが、バリというダイビングエリア、そしてダイビングというレジャーの未来に関わってきます。

現在、一般メディアで原因などが盛んに推測されていますが、僕らダイビング専門メディアは、ここからは、その専門性や知見を活かしながら、しっかりと事実関係をおさえた上で検証していこうと思っています。

きちんとした総括は必要ですが、犯人探しを目的としたものではなく、今回のケースを教訓に、ダイバーの皆さん、そしてダイビング業界にフィードバックしたいと考えており、目的は“安全に楽しいダイビングのため”の発展的なものにしたいと思っています。

ただ、具体的な行動、あるいは検証方法の発表などは、捜索がなんらかの決着を見るまで差し控えたいと思います。

捜索協力金の使途について

皆さんに募った捜索協力金は本日19日朝の時点で600万円を超えました。
当初、民間ヘリコプターチャーター費用の4400ドル(およそ44万円)の少しの足しになればと始めた行動ですが、想像以上の金額になりました。

今月、なるべく早くバリに行き、現地の方々と共に、当事者の方が加入していた保険関係や捜索協力金の使い道を整理して、きちんとご報告したいと思います。

詳細はその後ご報告しますが、現地の捜索状況、皆様の善意が想像以上に集まったことなどにより、もとは捜索目的の名目でしたので返金も視野に入れています。

ただ、繰り返しておきますが、あの時点では、ヘリを飛ばすことが有効との考えのもと、何度も飛ばすのに十分な費用がないという現状だったことをご理解いただけると幸いです。

人命救助において、特に海外ではすぐに使える現金がモノをいう場合がありますし、金額という形で可視化された思いは、物理的なだけでなく、気持ちの面でも、現地の大きなバックアップになったと思います。

捜索を見守りたいと思います。

事故の捜索経過についてのツイート

一般メディアや自分たちのメディアに関してのツイート

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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