オンラインで初めて開催されたガイド会「Online Live.2020」に潜入!!

この記事は約6分で読めます。

新型コロナウイルスの影響で、4月上旬に、マリンダイビングフェアと同時期に開催を予定していたガイド会ライブが中止となり、緊急事態宣言の発令とともに、海の活動まで自粛を強いられたガイド会のメンバーたち。

そんな状況の中、何かをしたいという強い想いから、パソコンやスマートフォンで使えるビデオ会議アプリ・Zoomを使ったオンラインでの「ガイド会LIVE」をゴールデンウィーク中の5月3日、4日、5日の3日間に渡り急遽開催した。

気になる内容は、海に行きたいけど行けないダイバーに楽しんでもらいたい、という想いから、普段のガイド会でメインとなっている「ガチンコフォトバトル」がメインの構成。

「ガチンコフォトバトル」とは、提供されたお題に合った内容の写真を用意し、対戦相手とどちらがよりオーディエンスの心に響いたかを投票で決め、勝ち抜き戦で優勝を決めるという、ガイド会では伝統的なイベントとなっている。優勝したガイドには優勝賞金や賞品があるわけでもなく、ただ名誉が与えられるだけなのだが、その名誉が欲しくて、毎年結構ガチに写真をセレクトしてくるメンバーも多い人気企画なのだ。

今回は、総勢40名のメンバーが参戦。写真のクオリティもさることながら、個々のガイドのパフォーマンスも見応え満載だった。海に出られない鬱憤を晴らすかのようなガイドたちのパフォーマンスに大爆笑したり、写真のプレゼンに関心したり、とにかく、初めての試みとしては大成功だったのではないだろうか。さて、今回は準備期間の裏側も含め、初のオンラインライブの状況をお伝えしていこう。

ガイド会のHPにて、ZoomのIDとパスワードを一般公開すると告知して望んだ予選初日、おもわぬハプニングが!なんと、申込者が一気にHPに殺到したために、サーバがダウンしてしまい、接続できないとの問い合せが殺到。

急遽、ガイド会メンバーが個人のfacebookなどで、Zoom IDとパスワードを告知するも、あっという間に上限の80人定員に達してしまった。

無料だから500人くらいは余裕で参加してくれるんじゃないかと私も思っていたので、個人的には、想定内のハッピートラブルだったようにも感じる。こうなると、プラチナチケット並みなイメージ。手に入らないチケットが、裏で有料で売買できちゃうんじゃない?くらいに思ったが、オンラインで操作されているので潜り込むことは不可能。

その様子を2日目、3日目と裏側で確認していたのだが、なんと!チケット取得可能時間スタートからものの3分で満席になっていた。

それはともかく、残念ながら選に漏れて見逃した方も、ガイド会オンライン・Zoomガチンコフォトバトルの模様は、YouTubeでも視聴できるようになっている。URLは以下から。

▶︎http://guide-kai.com/blog/archives/7839

運営委員である石垣島の多羅尾拓也さんも、初めに川本(剛志)会長から聞かされた時に、「僕、10日前までZoomってレンズの一種かと思っていたくらいなので、勉強しまくりました。皆さんに喜んでもらえて、よかったです!」

と、言うくらい皆初の試みに、四苦八苦しながらのチャレンジ。ほとんどのメンバーがZoom自体初めてで、何度もリハーサルを繰り返して形を作っていったそうだ。

フォトバトルは今回、個人戦。過去2年間はチーム戦だったのだが、「準備期間が10日間と短かったので、各バトラーがチームの作品を作る時間は無いと運営で判断して個人戦にしました」とのこと。

それはそれで、個々のガイドのキャラクターや好みが見られて面白かったのではと思う。お題に対して、撮影者のコメントを聴きながら、Zoomの選択機能で勝者を決めていく。撮影者のプレゼンで勝敗が左右することも多々あり、正統にその写真のシーンの珍しさを訴えるガイドもいれば、パフォーマンスで注目を集めるガイドも。オンラインながら、その攻防もなかなかツボにハマり、ミュート状態で酒を片手に大爆笑する場面も。イヤホンつけて聞いていたから、部屋の外にいた家族は、きっと一人大爆笑する私に不安になったに違いない。

個人的には、仲の良いガイドかどうかではなくて、自分ならどの写真を部屋に飾りたいか?を基準に選択していた。結果としては、大体5分5分な感じだったかな?

そして、優勝者は、過去に2回の優勝経験のある函館・宮城の佐藤長明さん。写真撮影のクオリティの高さは、正直昔から群を抜いているので、個人戦となると、やはり頭ひとつ抜け出ている感はあった。おめでとうございます。以下、優勝した長明さんの作品。これは予選のもので、お題は「色」。

函館・南三陸:佐藤長明さん お題は「色」で予選作品名「虹」

まさにパーフェクトな作品。今回撮影秘話もお伺いしましたが、長くなるのでまたの機会に!
準決勝、決勝の作品は、YouTubeにて是非お楽しみください。

▶︎http://guide-kai.com/blog/archives/7839

長明さんから優勝のコメントをいただいた。「優勝以前に、ダイバーには医療従事者の方も多い。自粛で答える以外に、何かそういう人たちにできることは無いかという思いもありました。今回、慣れない中でこうして形にできたことは勝敗以前に嬉しかったです。

ただ、出るからには勝ちたいと思っていましたが、正直今回は優勝できるとは思っていませんでした」と語るが、やはりそのクオリティの高さは毎回見習うべきところは多い。

今回、お題も渡されてから短い期間で写真をセレクトしなければいけなかった
だろうし、お題に合った写真を撮りに行く暇もなかったはずだ。

そういう意味では苦労したのではないかという質問に、「お題が出てから撮りに行くということは今までもしていません。そのテーマに沿った写真を撮ろうと思ってもなかなか良いものができる訳でもない。それよりも普段から色々な海の中の不思議に気づき、幅を広げていき、それを撮りためて引き出しをどれだけ増やしているかが重要ですね」と長明さん。

なるほど、日頃からの探究心が重要と言うことですね。

優勝者の作品以外でも、私個人が気に入った写真をこちらに何点かご紹介。色々な評価基準があるが、あくまで個人が「部屋に飾りたいならどれ?」という視点からのセレクションである。

串本:谷口勝政さん お題「色」で「エメラルドグリーン」

とっても綺麗で、いつも青い海しか見てない私にはとても新鮮でした。
スマフォで撮影したというのは、本当なのでしょうか?(笑)

石垣:竹内友哉さん お題「色」で、「萌黄」

バックをボカした、柔らかいイメージが良い感じ。被写体の色合いも好きです。

竹野:田中陽介さん お題「色」で、「緑」

バックの緑も綺麗ですが、ヤサガタハダカカメガイが、まるで手を広げてスキップしながら草原ではしゃいでいるような感じがとてもカワイイですね。ポケモンみたい。

他にも何点かあったのだが、それは、YouTubeでお楽しみください。

実際のオンラインガチンコフォトバトルは、上記したように、ガイド会のHPからリンクしているYouTubeにてご覧になれます。

▶︎http://guide-kai.com/blog/archives/7839

元々、ガイド会オンラインライブは、悶々としたステイホームを少しでも明るく過ごしてもらおうという想いと、ウイルスと最前線で戦う医療従事者に少しでも支援を・・・という想いから始まった。 ガイド会として、会費の中から10万円をピースウィンズ・ジャパンに寄付するとともに、ライブが始まる前と途中、最後にはこのような画像を出して参加された皆様にも寄付を呼びかけた。

川本会長からの思いは、ご存知の方もいるとは思いますが、いつものように長いので、ガイド会HPの方をご覧ください。

▶︎http://guide-kai.com/blog/archives/7839

\メルマガ会員募集中/

週に2回、今読んで欲しいオーシャナの記事をピックアップしてお届けします♪
メールアドレスを入力して簡単登録はこちらから↓↓

writer
PROFILE
慶応大学文学部人間関係学科卒業。
産経新聞写真報道局(同紙潜水取材班に所属)を経てフリーのフォトグラファー&ライターに。
以降、南の島や暖かい海などを中心に、自然環境をテーマに取材を続けている。
与那国島の海底遺跡、バハマ・ビミニ島の海に沈むアトランティス・ロード、核実験でビキニ環礁に沈められた戦艦長門、南オーストラリア でのホオジロザメ取材などの水中取材経験もある。
ダイビング経験本数5500本以上。
  • facebook
  • twitter
FOLLOW