水中写真家・高橋怜子写真展「ALICE IN WONDER SEA」に突撃レポート&インタビュー!
東京、表参道にあるピクトリコギャラリーにて開催中の、水中写真家・高橋怜子さんの写真展、「ALICE IN WONDER SEA〜ALICEこと怜子の不思議な海へようこそ〜」。期間中は常時高橋さんが在廊されるとのことを聞きつけ、「このチャンス、逃すまじ!」ということで、さっそく個展に遊びにいってきた。
本展では、2018年度・ナショナルジオグラフィックグランプリに輝いた代表作の「マーメイド」を含む各コンテストの受賞作品をはじめ、本展のために撮り下ろした最新作や5~6年かけて撮りためていた未発表作品など約20点を展示。
東京での開催は、今月20日までということなので、スケジュールが合わない方は、京都、岩手の2都市でも開催予定なのでぜひチェックしてみてほしい。
関連記事:個展の見どころや展示作品のエピソードについて高橋怜子さんにインタビュー
生命力みなぎる写真や臨場感あふれる写真に囲まれ、まるで海の中に居るような心地よさ
ギャラリーに入ると、代表作の「マーメイド」を皮切りにずらりと作品が並ぶ。すべての写真とエピソードを紹介したいのはやまやまだが、盛大なネタばれになってしまうので、ひときわ印象的だった1つを紹介させていただく。
ウミガメの捕食シーンというだけでも目を引くのだが、よく見ると左腕がない。撮影角度の問題でそう見えているだけかと考えていると、高橋さんが説明に来てくれた。
高橋さん
これはピピ島で撮ったウミガメで「ライティ」と呼ばれているのですが、左手がないんです。しぐさはゆっくりだけど目つきだけ鋭く、バランスが悪いままでも成体に成長している姿に感動します。“生きる”ってこういうことだなって。
--瞬間を切りとった、生命力みなぎる作品に感動です。それにしても、よくこんなシーンに出くわせましたね。しかも距離感がとても近い!
高橋さん
話には聞いていたライティだったのですが、実はなかなか会えなくて。これは初めて会った時の写真で、たまたまお食事シーンに出くわして奇跡的に撮れたんです。被写体との距離は1mもなかったんじゃないかな。
2018年2月に撮影された、生命力と臨場感あふれるこの写真は、今年のオーシャンジオグラフィックで準優賞を獲得している。良い写真であれば時間を経て世の中に出ることもあるようだ。
写真を眺めるうちに、アパレルや飲食店が立ち並ぶ表参道にいることも忘れ、陸上にいながらまるで海の中にいるような心地よさに浸ることができた。
カジュアルに答えてくれる、気さくな高橋さんとの楽しいおしゃべり
生き物との距離も近い高橋さんだが、もしかしたらそれは人間にも当てはまるのかもしれないと思うほど、作品のエピソードや一歩踏み込んだ質問にも気さくに答えてくれる。そんな高橋さんのフランクさをいいことに、思っていてもなかなか聞けないような質問をしてしまった。
--一歩踏み込んだ質問になるので、今まで写真家の方々に聞けないでいたのですが…。“いい写真”というのは、実際のところどんな写真のことだと思いますか。
高橋さん
難しいですよね。いい写真かどうかはわかりませんが、私の場合でいえば、コンテストなどで受賞した作品の多くは、初めて行った時に撮れた写真なんです。さっきのライティもそうだけど、自分が感動した時に良い写真が撮れるんじゃないかな。
--たしかに高橋さんの写真を見ていると、その時の感動がビビッと伝わってきます。だからこちらも感動してしまうのかも。なんというか、写真を通してその時の光景を映像で見ているみたいな。
高橋さん
私が撮ってる写真は静止画で、映像ではないのですが、私自身、映画みたいな写真に惹かれるんです。自分が撮るものも、そういう写真であってほしい。
高橋さんとの楽しいおしゃべりはまだまだ続いたが、これ以上するとただの自慢になってしまうので止めておく。素敵な写真と高橋さんに会いにぜひぜひ会場に足を運んでほしい。
写真展「ALICE IN WONDER SEA〜ALICEこと怜子の不思議な海へようこそ〜」