メキシコに、ストライプドマーリン(マカジキ)の捕食シーン撮影に行って来た。

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2018年7月、現地オペレーターから、メッセンジャーで連絡をもらった。「ストライプドマーリン(マカジキ)スイムに興味無いか?2年前から開拓していて、水中遭遇の可能性もかなり高いよ」

2011年からカンクン沖で行なっていたセイルフィッシュ(ニシバショウカジキ)スイムでのセールフィッシュの出現状況が年々悪くなって来ていて、今年はスペシャルトリップの開催を一時見合わせることにした直後だっただけに、二つ返事で、「興味あります!」と返信していた。

全盛期のカンクンのセールフィッシュ。100匹以上の群れに遭遇することもしばしばだった

全盛期のカンクンのセールフィッシュ。100匹以上の群れに遭遇することもしばしばだった

その後、何回もメッセージのやりとりを重ねた。最初は一人でリサーチに行くつもりだったが、「リサーチに参加したい!」という数名のゲストとともに、現地に赴いた。

まず初めに伝えておくが、昨今、SNSで情報を流すと、すぐに「どこですか?」と世界中から問い合わせが来る。容易に現地情報が手に入るようになり、急激に観光客が増えてしまう状況を、スリランカやトンガ、メキシコなどで目の当たりにしてきた。だから、あまり詳しい情報はアップしないようにした方が良いのかもしれない。ゲストを募るのに、告知は必要だけど、そのことで、多くの海で、観光公害が発生している弊害に関しても、考えていかなければいけない時代だと思う。本当に難しい。

現地に来てみればわかることだが、特にここの海は、そうすべき理由がある。

結果から言うと、5日間海に出て、5日間、海中でストライプドマーリンに遭遇、撮影ができた。カンクンのセールフィッシュは、2011年から2017年までの遭遇確率は約6割程度。こちらは、もっと確率が低いものと思っていた。

しかし、ピーク時のセールフィッシュほど群れてはいないものの、ストライプドマーリンも多い時には、40匹弱が群れて捕食を行なっていた。セールフィッシュとの違いは、人に対しての警戒度。明らかにセールフィッシュよりも、神経質。

多勢に無勢?セールフィッシュのときは、個体数が多いので、ダイバーがいてもお構い無しで捕食に来ていたことが多かった

多勢に無勢?セールフィッシュのときは、個体数が多いので、ダイバーがいてもお構い無しで捕食に来ていたことが多かった

ベイトボールに人が群がってしまうと、あっという間に諦めて泳ぎ去っていく。だから、止まっているベイトボールを見つけた場合の、距離の取り方は、セールフィッシュ以上に慎重に行わなければいけないようだ。

ベイトボールに対して、ストライプドマーリンが捕食に入ってこれるように距離を保ち、捕食に入ってきたら、全員でなく、数名が距離を詰めて撮影、捕食行動が終わったら、すぐに身を引いて、また距離を取る。

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ヒットアンドアウエイを繰り返す必要がある。

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エントリーのさせ方もセールフィッシュとは違う。セールフィッシュは、ベイトボールの上を飛ぶグンカンドリの鳥山の前に回り込んで、向かってくる正面にエントリーしていき、ベイトボールの頭を押さえて、追ってくるセールフィッシュと挟み撃ちにして、イワシたちの逃げ道を塞ぐ。

しかし、こちらのスタイルは、イワシのベイトボールの上に船を滑り込ませ、イワシも、マカジキも一瞬動きを止めた瞬間にエントリーさせることが多かった。
個人的には、プロペラの泡まみれになって、海中で見失ってしまうことも多くて、あまり慣れないやりかただったので、どうもしっくりこなかった。

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ストライプドマーリンも、セールフィッシュのように逃げ回るベイトボールを背びれで威嚇して怯ませるということをあまりしないようで、ストレートに逃げていくので追いつくのが困難な場合が多かった印象だ。セールフィッシュの場合は群れがジグザグに泳ぎ回るから、頑張れば追いつけることも多かった。

そういう意味では、イワシたちが観念して、動くのをやめたタイミングを見計らってエントリーすることがとても重要になってくる。

ベイトボールの上に立つ、グンカンドリの鳥山の規模は、カンクンのそれに比べると規模は小さいが、目印としては同じ働きをしている。

鳥山の立つ頻度は、明らかにこちらの方が数が多く、バショウカジキのピークだった2011年や2012年を彷彿とさせる。

カンクンでは、イルカと一緒に捕食してるのに何度か遭遇したが、ここでは、カリフォルニアアシカと一緒にベイトボールを追うシーンを頻繁に目する。最初はアシカに興奮していたが、そのうち、「アシカ邪魔」と思ってしまうくらいに、アシカだけのベイトボールになっていて、カジキが側によって来ない場合もある。

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これだけアシカが多かったのは、リサーチを初めてからでは、今年が初めてとのことだったので、来年はもしかしたら、それほど多く無い可能性もある。

今回、カジキの捕食シーンは、5回海に出て、5回とも遭遇できたが、他にも、様々な生物に遭遇した。シーラ(マヒマヒ)の捕食シーンや、1万匹はいるのではないかと言うほどのハジナガイルカの群れに遭遇したり、時期がまだ早いのだが、南下するザトウクジラ数頭にも遭遇したり、少し離れた海域では、シャチと1時間近く一緒に泳いだという情報も入ってきていた。

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リサーチで訪れたのだが、まさか、これほど魅力的な海だとは思わなかった。2019年度は、1ヶ月近く現地に滞在して、このシャチのリサーチも行なってみたいと思っている。

2019年度のストライプドマーリンスイム、ボートチャータースケジュール

1日目(金曜日)日本発 メキシコ・ラパス着 
  ラパス泊(空港〜ホテルまでは個人でタクシー手配・約200ペソ)
2日目(土曜日) 昼頃、車で移動(約4時間) 現地ホテル泊
3日目(日曜日)〜6日目(水曜日) 朝7時過ぎ出発でマーリンスイム
  海に出てるのは、約9時間  現地ホテル泊
7日目(木曜日) 少し早めにマーリンスイムに出発、
  早めに戻り、ラパスへ移動 ラパス泊
8日目(金曜日)ラパス発 日付変更線を超えて
10日目(日曜日) 日本着

の計10日間を予定しています。最終日は、海のコンディションなどによっては、外洋まで出ずに、内湾で、ペリカンなどの海鳥を撮影することになるかもしれません。

Week1 11月15日(金)発〜11月24日(日)着
Week2 11月22日(金)発〜12月1日(日)着 (1隻は満席)
Week3 11月29日(金)発〜12月8日(日)着 (1隻は満席)

この3週間で船をチャーターして開催します。
1隻の募集人数は、最大5名。Week2 、Week3は、すでに1隻は、満席ですが、今後の参加希望状況によっては、2隻目をチャーターします。

ご興味のある方は、お問い合わせください。

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PROFILE
慶応大学文学部人間関係学科卒業。
産経新聞写真報道局(同紙潜水取材班に所属)を経てフリーのフォトグラファー&ライターに。
以降、南の島や暖かい海などを中心に、自然環境をテーマに取材を続けている。
与那国島の海底遺跡、バハマ・ビミニ島の海に沈むアトランティス・ロード、核実験でビキニ環礁に沈められた戦艦長門、南オーストラリア でのホオジロザメ取材などの水中取材経験もある。
ダイビング経験本数5500本以上。
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