十人十色の海の中
本日、読者からの駆け込みを読んでいて、
同じ海でも、人によって見ている風景はまったく違うんだなぁと
あらためて感じた。
その方はまだ20本の経験なのだが、最初から18本は沖縄。
そして、先日初めて潜った伊豆で、
ガイドや伊豆ダイバーがモンガラカワハギの登場に大興奮&お騒ぎ。
それまで潜っていた沖縄では、結構、普通に見られていたので、
彼はびっくりしていることにびっくりしそうな(笑)。
そりゃモンガラカワハギという生物自体だけを見れば、
沖縄でも伊豆でも同じ。
でも、伊豆で見るモンガラカワハギには、
季節来遊魚(死滅回遊魚)の壮大なドラマが隠されていて、
それを知っているかどうかによって感じ方はまったく違う。
詳細は誌面に譲るが、例えるなら、
沖縄でモンガラカワハギに会うことが、
マダガスカルでシファカ(横っ飛び猿)に会うことだとすれば、
伊豆でモンガラカワハギに会うことは、
渋谷のスクランブル交差点でシファカに出会うようなもの。
そりゃ、後者の方がびっくりする。
だって、スクランブル、横っ飛びだもの(笑)
ヒャッホ〜イ
僕はこの方とは逆にずっと伊豆ダイバーだったので、
串本を初めて潜ったときに、
勝手に伊豆と同じようなもんだと思いこんでいたので、
「ヤマブキベラがいっぱいいる!」と南方系のベラを見て驚いたものだ。
もちろん、いつも潜っている関西ダイバーは、まったく無関心。
マンタを初めて見たのも600本目くらいで「やっと会えた!」と小マンタに大感動したが、
中には10本くらいで「石垣で飽きるほど見た」という幸せなのか不幸せなのかわからない人もいる。
とちらがいいかはわからないが、見ている風景は十人十色。
逆に自分だけの風景が見られるのもダイビングの深いところ。
長い取材でさんざんマンタを見た後に、最終日にも登場したマンタ。
その日が初日で大興奮するダイバーを横目に、
見飽きていた僕は、エッチなこと考えて興奮していたこともある。
見える風景は、その人を表わすのでご注意を(笑)。