土日の悲哀

土曜日は古巣の同期で新年会。

7人中もう一人しか会社には残っていないし、
3人が結婚してしまったが(ってか、4人も売れ残り!)、
何だかんだで事あるごとに集まっている。

新年会だけでなく、
生まれたばかりの同期Aの娘ちゃんに会いにいくという
目的もあったので彼のマンションにお邪魔。

赤ちゃんというものは、
親の顔に「うちの子かわいいでしょ?」と書いてあるので、
どんな状況でも「かわいい〜」と言わないといけないことになっ
ていると、
ウィキペディアにも書いてある。

その点、甥っ子のライム君は
あり得ないくらいかわいい赤ちゃんだったので(雑誌デビュー済み)、
「うお〜〜かわいい!なんだこりゃ」と心の底からシャウトしたが、
次に生まれた甥っ子のイズキ君はごく普通で「ほ〜〜」と、
微妙なリアクションをしてしまった記憶がある。

家に上がると、
Aが「ほ〜ら、これが変態だよ〜」と僕を紹介してくれたので、
ドキドキしながら赤ちゃんの顔を覗き込むと「かわいい〜!」。
普通に超かわいい。両親に似て赤ちゃんも目がパッチリ。
やっぱり赤ちゃんは目の大きさだよなぁと思うと同時に、
生まれ来る(かもしれない)我が子に「絶対、目細いから」と心で詫びる。
しかも、眠たそうだねっていつも言われることになるだろう。
がんばって、なるべく男子で生まれてきてください。

あまりのかわいさに「ちょっと赤ちゃん欲しくなってきた」と言うと、
みんなに「ちょっとならよした方がいいよ」と諭されたので、
最近、欲しくて欲しくてたまらない猛禽類の話をして、
それぐらい欲しいんだと言ってみたが、
「フクロウやワシと一緒にするな」と。へい、ごもっとも。

しかし、それにしても絵に描いたように幸せな家庭。
お家があって、きれいな(ここ重要)嫁がいて、かわいい赤ちゃん。
パパは仕事ができて、平日バリバリ、土日は完全オフ。
祖父母とテレビ電話で、赤ちゃんを写したりなんかしている。

10年前は確かに同じところに立っていたはずなのに……。

数年前は、僕と彼とは幸せの選択が違うだけだと思っていたが、
明らかにあっちの完勝ですよ。へい。
昔はやせ我慢して「俺はそんな幸せ、いらないぜ」と言っていたが、
マジ欲しいっス。超欲しいっス。
いいなー、いいなー、きれいな嫁さん(ここ重要)。

そういや、きれいな嫁さんとA君との出会いの場に僕もいた。
というより、その場を設けたのが自分だったわけだが、
僕が「かわいい子だな〜。むへへへへ」と思っているうちに、
電光石火で付き合っていたっけ。
幸せをつかむ人はぼんやりしていないし、決断も早い。

そんなこんなで、13時から飲み始めていい気分になっていると、
同期唯一の女子が「っていうか、い過ぎじゃね?」。
確かにすでに20時を回っている。
うまい飯と酒、そして床暖という三種の神器で
すっかり長居してしまった。

それにしても、同じ環境にいた男の幸せを目の当たりにし、
ちょっぴり切ない気分。

追い討ちをかけるように、
Aには「絶対、テラは結婚でけへんてっ」と大阪弁で言われ、
旦那様と幸せに暮らしている女子同期にも
「テラとか絶対に無理だし」と言われ、
うんこ製造機な我が身を痛感したのでした……。
しかも肉ばっか食うのですんごく臭いの。

新年会から実家に帰ると、
家の横に立っていた貸し店舗がさら地に!
聞けば、弟家族たちが家をズド〜ンと建てるらしい。
弟家族もAとまったく同じ幸せの階段を着実に上っている。

幸せオーラのダブルに食傷気味になり、
お気に入りの居間でまったり……はさせてくれない。
ソファーからはライム君が飛んでくるし、
イズキ君はおもちゃの剣で「ものぉ〜〜」と
意味不明の奇声を上げて切りつけてくる。
ゆっくりできる居場所がない。
寝てしまおうと思っても、母みどりからは「どこかで適当に寝て」。

すっかり実家の窓際族……。

正しい幸せは望むべくもない僕などは、
せめて、平日の昼に酔っ払いながら近所をウロウロして、
変な噂を立てられないように気をつけよう……。
※モルディブ帰りのガングロ坊主のころ、
平日にビール片手に公園のブランコに乗っていたら、
近所で本気で怪しまれた……。いかん。いかんぞ〜〜。

楽しく幸せで切ない悲しい週末だったとさ。
なんか、ホントに徒然でした。

スロースターターのまこっちゃんは、皆が疲れてきたころに絶好調。
ダイビング 酔っ払い
低いよ、まこっちゃん。この人も普通には幸せになれそうにない(笑)

 

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writer
PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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