偏見ダイバー② PADI

偏見ダイバーpart1に続いて、part2はPADIへの偏見。

part①ショップへの偏見
http://diving-commu.jp/ceditorblog/item_2302.html

我が変態的体育会系ダイビングクラブは
伝統的にCカードの指導団体がNAUI(ナウイ)。

指導団体の変遷など誰も興味がないので割愛するが(笑)、
ざっくり言えば、NAUIとPADIは仲が悪く、
その昔、業界が日本唯一の団体を目指したときも、
PADIが入ってくるのならと、NAUIが離れたなんてこともある。

さらにその当時のざっくりした印象では、
NAUIはマジメで硬派、PADIは営利主義で軟派。
接するイントラはNAUIのイントラの方がおもしろそうで、おっかなそうだった(笑)。
PADIのイントラからはズレたバブルの香りがした。

それはイントラのカリキュラムにも表れていた。
PADIは「ゴールだけでなく過程のプログラムも決まっている」、
NAUIは「ゴールだけがあり、過程はイントラが試行錯誤する」。
当時の僕は、PADIはマニュアル・イントラを生み、
NAUIは考えるイントラを生もうとしているんだと思った。

高木沙耶さん(今は宍戸さん?)がNAUIのイメージキャラクターになったとき、
「NAUIのイントラが皆おもしろくて魅力的な人ばかりだった」
というような話をしていたが、何だかわかる。

話を戻して学生時代。

クラブのOBにNAUIのコースディレクターがいて、
イントラの先輩はみんなNAUI。結果、すっかりNAUI教。

先輩イントラたちは、「PADIは何の略だか知っているか?」と問い、
「パー(P)でアホ(A)でダメ(D)なイントラ(I)の頭文字だ」というのが
お決まりだった。

単純な僕は、
「そうか、パーでアホでダメなイントラなんだ」と素直に思った(笑)。

実際に海で会うPADIのイントラは、
皆カラフルなウエットを着て軟派に見えた。

イントラコースも対照的な雰囲気。

僕がインストラクターコースをはるか昔に受けたとき、
コースディレクターであった《ダイブチームムラタ》の村田先生は、
まさに先生という感じで、圧倒的な知識と威厳があり、お話するのも緊張した。
いや、今でも電話がかかってくると、背筋が伸び、
何も悪いことをしていないのについ「怒られる!」と思ってしまう(笑)。

対して、僕がプールで見たPADIのイントラコースは何だか楽しそうだった。
コースディレクターがイントラ講習生をファーストネームでちゃん付けで呼び、
じゃれ合ったりしているのだ。これは衝撃だった。

しかし、指導団体も変遷し(主にNAUI)、
当時のNAUIコースディレクターにPADIフォーラムで出会ってびっくりする時代。
「な、なぜここに?」、「PADIにクロスオーバーしたんだよ」。

いろいろマイナス面も指摘されるが、
ダイビングビジネスを定着させたのはPADIの功績で間違いない。
お金が基準という健全さも今なら理解できる。

もっとディープな話はたくさんあるが、
とりあえず「PADIなんて」と見下していた自分が、
今やクロスオーバーしようか思っているなんて、
当時の偏見ダイバーのテラ青年は想像もしないだろうなぁ

\メルマガ会員募集中/

週に2回、今読んで欲しいオーシャナの記事をピックアップしてお届けします♪
メールアドレスを入力して簡単登録はこちらから↓↓

writer
PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
  • facebook
  • twitter
FOLLOW