下ネタの言葉選び

下ネタを書くのはとても難しい。

女性に受け入れてもらうには、
粘着、下品、恐怖といった嫌悪感を取り除く作業となる。

注意深く書かないと嫌悪感を与えてしまうので、
買っていただくものの場合はとても気をつかう。
ちなみに、ブログなんかだとあまり気を使わないので、
筆が滑りまくって書いた後に後悔すること多々(泣)。

嫌悪感を取り除くためには文脈を工夫し、
全体としてポップに明るく、ときに真面目にすることがポイントだが、
もっと狭い話では、直接的な言葉をポップでマイルドにすることも大事。
今回は、そんな言葉自体の表現について考えてみる。

例えば、チンコ。

あーびっくりした。自分で書いたのに汗が出てくる(笑)。
もちろん、これは直接的に書いてはいけない言葉。

では、男性器。
確かに嫌悪感は取り除けるが、医学用語は無味乾燥で味けないので、
最終手段にしたいところ。

以前、雑誌で「裸で泳いでいたらプランクトンでチンコが腫れた」という
内容を書くときに、とても悩んだことがある。

直接的には書けないので比喩を使うことを考えるがこれもなかなか難しい。
OKラインを探っていこう。

まず、よくありがちな”息子”の比喩はNG。
下ネタの比喩は新鮮さと驚きが大事で、
アイデアの方に驚きや感心が行くからこそ下品でなくなるわけだが、
使い古された”息子”はオヤジギャグの類に入ってしまう。
オヤジと下ネタを直結させたらおしまいなのだ。

そういう意味では、ジュニアやMy sunのほうがまだましだが、
この比喩が生まれたときほどの輝きはもはやない。

「プランクトンで息子が腫れた」より「プランクトンでジュニアが腫れた」の方が
マシだが正解でない。
ちなみに、その流れでいくと息子に名前を付けるという定番の下ネタもNG。

では、モノならどうか?

よくあるのがバット。「プランクトンで俺のバットが腫れた」。NGだろう。
直接的に形状を連想させる比喩もNGなのだ。
ましてや、バットは勃起を連想させるので、
女性の潜在的な恐怖や嫌悪感を助長させてしまう。

そういう意味で最もNGなのは、「プランクトンで俺のマグナムが火を吹いた」。

同じように、大砲や棍棒といった、
形状を連想させ、かつ勃起時を連想されるものはドNG。
では、片方だけを連想させるものはどうだろう?

例えば、形状を連想させるが勃起は連想させない
「プランクトンで俺のポークビッツが腫れた」とか、
形状は連想させないが勃起を連想させる
「プランクトンで俺の鬼瓦権蔵が腫れた」など。

同じNGなら後者のほうがひねりが効いている分マシかもしれないが、
OKラインにはギリギリ届かない気がする。雑誌には書かないだろう。

ここまでを整理すると、擬人化や直接的に形状を連想させたり、
勃起時を連想させる表現はNGということだ。

その理屈から考えると、これはどうだ。

「裸で泳いでいたらプランクトンで僕のゾウさんが腫れた」

3つのNG要素がなくなり、だいぶマイルドになった気がする。
そうした流れでいくと、ポニョなんかもありかもしれない。

さらに嫌悪感をとり除くには、直接的な比喩ではなく、
メタファーで表現する方法が知的レベルも上がっていいかもしれない。
魂とか命といった初歩的なものから、
前後の文脈がないとまったくわからないものまで。

ただ、僕の頭の中では「プランクトンで俺のオバマが腫れた」に
落としこむメタファーが浮かんだが
前後の文脈を書き込まないとまったく意味がわからないので、
ここでは、ただ言葉を置き換えるという話なので、一旦よそう。

というか、比喩など使わずに、ただ言葉面だけを変え、
直接的な表現を避ければいいのか!
言葉遊びでマイルドにして、ただ伝わればいいのだ。
よし、いろいろ検証してみよう。

「プランクトンでおチンコが腫れた」

“お”を付けるだけで、だいぶマイルドだ。

「プランクトンでチンコさんが腫れた」

チンコ様。チンコちゃん。ちんこ閣下。やっぱり擬人化するとダメだ。
ふざけた感じが増してしまう。真面目も嫌悪感を取り除く要素だ。

「プランクトンでちんちんが腫れた」

おっと、いい感じ。〝コ〟で終わるよりマイルドに。
では、もっとマイルドにするために〝お〟を付けて、
「プランクトンでおちんちんが腫れた」。もっといい感じになった。

では、これはどうだろう。
「プランクトンでチンポが腫れた」

チンポ。いやらしさが増した。
ならば〝オ〟を付けてオチンポ。もっといやらしさが増した。なぜだ?

ではでは、言葉を入れ替えて……
「プランクトンでポコチンが腫れた」

ポコチン。いやらしさは減ったがバカ度アップ。一歩後退。

ふ〜む。やっぱりおちんちんが一番マイルドかな。
でも、目をそらさせるためにも、もっと遊び心と変化球をくわえてみよう。

「プランクトンでオツィンツィンが腫れた」
「プランクトンでオティンティンが腫れた」

短い文脈でも伝わるギリギリの範囲かな。

などなど、いろいろ考えた末に、結局僕が採用したのは……

「裸で泳いでいたらプランクトンでオトゥイントゥインが腫れた」

下ネタの言葉選びはかくも難しい……。
って、俺、何の話しているんだっけ?

後編に続く(なぜ!?)

writer
PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.jp/profile
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
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〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
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