RGBlue最新水中ライト「S5」の魅力に迫るプロフェッショナルレビュー
あらゆるダイバーの色再現性に優れたスポットライトになり得る「S5」。2025年9月に水中ライトブランド・RGBlueから発売された、色鮮やかな光が特徴のスポットライトです。
その印象と使用感、そして期待感を、実際に愛用している水中写真家 中村卓哉さんと自然写真家 関戸紀倫さん、ダイビング系YouTuber Tottyさんに教えていただきました。
レビューからは、「S5」の新たなる可能性も見えてきます。
是非、ご注目ください!
「S5(エスファイブ)」
照射角中心5度、周辺15度の狭角スポット光が特徴。2種類の点滅モードが搭載されているため、ダイバー間のコミュニケーションに役立つ。また、色温度は5500ケルビン、演色性Ra90以上の色再現性を実現。水中撮影の現場で、思わぬ好評を得ている。

水中スポットライト「S5」
水中写真家・中村卓哉さん
待ち望んだスポットライト
マクロ撮影をクリエイティブに
「待ってました」という感じ。以前からマクロ撮影では「SYSTEM:re Spot Beam」を好んで撮影用に使用していたのですが、演色性は少し低いのと、ライトヘッドの重さが気になっていました。軽量で演色性の高い「S5」は私が切望していたライトです。
前述したように、軽量で演色性の高い狭角スポットライトであるところが他にはない優れた点だと思います。さらにフリップ式で切り替え可能なスヌートキットやビームアタッチメント、拡散フィルターなどのアクセサリー類が充実している点も良いですね。
生き物を探したり、遠くのガイドに位置を知らせたり、自分好みの撮影用ライトとして用いたり、様々な利用方法ができる点も優れています。カラビナにいつも引っ掛けていてもストレスない大きさなので、「SYSTEM02 Tricolor」にプラスしてワンポイント光を加えるような使い方もできます。値段も手頃なので、いつもの写真にもう一味加えたい方には買って損はない一台だと思いますよ。
背景を黒抜きにしたり、逆光でライティングしたり、陰影を強調するような写真が私の特徴なので、照射角が狭く遠くまで届くビーム光のライトは私の作風との相性が非常に良いです。
特に動くものをスヌートのように撮る場合、ストロボだと光が背景にまわりすぎてしまうし、スヌートを装着したライトだと光量不足で動体ブレをおこしてしまいます。この「S5」だと被写体の動きを止めるのに十分な光の強さがありますし、背景の邪魔な部分に光をまわさず被写体だけを浮き上がらせるような撮り方も可能です。
「S5」はマクロ撮影をよりクリエイティブにしてくれるアイテムです。今までのライティングの常識を覆すような斬新かつインパクトのある作品を「S5」と共にたくさん生みだしていきたいと思っています。
強力なビームライトを使いこなす
「S5」作例

ヤギに隠れるアオサハギの幼魚。S5のビーム光が背景のピンク色の岩肌を明るく照らしバックライトのような効果が生まれた(三浦)
こちらの作品は左手に「S5」を持ちながら1灯でライティング、右手一本でハウジングを構えて撮影した写真です。一見逆光で当てているようですが、「S5」は強力なビームライトなので、背景のピンク色の岩肌に光が反射して、ピンクのバックライトを当てているような効果がでました。
アオサハギの目にもしっかりとキャッチを入れながら、かつ逆光のような効果を生む、それがこの「S5」の面白いところです。ハウジングを右手一本で構え、左手のライトで動く被写体を照らしながら撮影するのは、かなりの慣れが必要だと思います。最初はガイドさんにライティングを手伝ってもらいながら被写体を追うことに集中してください。

公益社団法人 日本写真家協会会員。今年11月には新刊となるフォトエッセイ「海のメッセージ 地球・人間・時代」(新日本出版社)を刊行。
自然写真家・関戸紀倫さん
様々な用途が浮かぶ
格好いい水中ライト
本体がとてもスリムで持ちやすく、そして格好いいと思いました。マクロの被写体を探すのにピッタリな水中ライトです。少し大きめな被写体であれば、スヌート撮影もできそうだなと感じています。理想の被写体が見つかれば撮影したいと思っています。
小型でかっこいい「S5」ですが、照度が20,000ルクスもあり、とても強力。水中撮影の際、その地形や被写体の大きさを強調するためにダイバーをモデルにすることが多いのですが、この時にライトを持っているといい画が撮れます。さらに、照度の強い「S5」を使用すれば、綺麗なスポットビームを演出できますね。
撮影機材としてもとても魅力的な水中ライトですが、水中で仲間を呼ぶ際や緊急時に自分の位置を知らせるのに便利な点滅モードがあるため、よく使っています。点滅モードも2種類あるので、早く来て欲しい時などには、少し早めの点滅に。するとダイバーもすぐに来てくれます。
現在は、マクロの撮影シーンで使用することが多いですが、今後は自然が作り出すダイナミックな環境をモデルさんと一緒に撮影したいですね。「S5」でさらにかっこ良く演出していき、人々が見たことのないようなシーンを撮影してみたいです。
強力な照度でダイナミックに演出
「S5」作例

アオサンゴの白化とダイバー(辺野古)
辺野古で撮影したアオサンゴの群生です。ご覧の通り、アオサンゴは一部白化しています。生きようとするサンゴたちの生命力をとても神々しく感じました。
ダイバーを入れることで、アオサンゴの大きさがわかっていただけるかと思います。さらにライトを持ってもらうことで、探検感も出てきます。
明るい沖縄の太陽の下、さらに比較的浅い水深でも、20,000ルクスの照度があれば、少し離れたところからでもライトの存在感はカメラ側まで強く伝わってきます。レンズに向けてしまうと強すぎるため、少しレンズの斜め下あたりを照らしてもらいました。

ダイビング系YouTuber・Totty
ダイバーのニーズに沿う
「流行る」ライトに歓喜
鮮やかなオレンジにマットな質感で高級感が感じられました。触ってみると、とても手馴染みがいい感触で、カッコいいライトだなと思いました。多くのファンダイバーがこういう水中ライトを求めているというニーズを深く汲み取ったであろうスペックになっており、「流行る」と思ったのがファーストインプレッションです。また、従来の製品と同じくオーバーホールサービスを受けられるため、長く愛用できるという点も「流行る」と思った理由のひとつです。
「S5」は活躍するシチュエーションが圧倒的に多い水中ライトです。ライト単体ではサーチライトとして遠くを照らすことができますし、明るい環境でも「S5」の光源の強さにより使用することができます。点滅機能によりシグナルライトとしてバディとのコミュニケーションに利用することもできます。
また、別売アクセサリーも豊富で、フリップタイプ 拡散フィルターを利用すればワイド被写体に対応できます。フリップタイプ スヌートキットを使えばマクロ写真において幅が広がります。この多機能さにより水中ライトに触る機会が格段に増えました。
ファンダイビングのガイドをする時は「S5」をメインに使用しています。何かを探したり、生物を紹介したり、ゲストとコミュニケーションを取るなど、その多機能さがそのままガイドの質に直結すると感じています。
また、撮影時には「SYSTEM02 Tricolor」のサブライトとしても使用しています。主に光を足したい時に利用しますが、メインライトがもしものトラブルで使えないというシチュエーションを想定して携帯している側面もあります。「S5」の小さな筐体と多機能さは、サブライトとしてもかなり優秀です。
何かに特化しているというよりは多機能さが「S5」本来の価値だと解釈しています。多機能ライトとして使い込んで、新たな使い道を模索したり、利便性を高めていきたいと感じています。
高演色ライトで暖色を鮮やかに
「S5」作例

ハマクマノミ(宮古島)
「S5」は単体ではスポット照射なので、とにかく照射すると浮かび上がる被写体を選びました。「S5」も従来のRGBlueライトと同じように演色性の高いライトです。演色性が高いと暖色系がより映えるので、「赤をいかに綺麗に出せるか」というテーマに挑戦しました。

おわりに
汎用性の高さに注目が集まったスポットライト「S5」。

水中スポットライト「S5」
スポットライトとして開発されながら、その演色性の高さに注目され、作品にも使われはじめているという驚きの水中ライトです。
水中ライトの新時代の幕開けを感じさせる新製品。是非、実物を手に取ってみてくださいね。
お問い合わせ先
RGBlue
Sponsored by RGBlue(株式会社エーオーアイ・ジャパン)
光の三原色「RGB」と海の「Blue」から名付けた水中ライト「RGBlue / アールジーブルー」。1999年の企業設立以来その多くを水中撮影機材OEM開発に力を注ぎ、2013年にダイバーのための理想的な水中ライトを追求するブランドとして「RGBlue」が誕生。まだ見ぬ未知の景観や生物にもっとも太陽光に近い光を当て、色彩が失われる水中の色を届ける。
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