【Let’s know it!】家畜と海洋汚染の繋がり

この記事は約4分で読めます。

知ることで物事の考え方が少し変わり、行動に繋がる。
そんなキッカケになるコラムを、環境と海洋問題に関係している事を中心に。

一回目は、動画サブスクリプションサービスNetflixで配信されているドキュメンタリー映画「Cowspiracy: サステイナビリティ(持続可能性)の秘密」から考える、私たちの手に渡る前に海洋汚染に大きく関わっている意外な産業について。

あらすじ

■予告映像

本ドキュメンタリー映画は、環境保護団体が隠す不都合な真実として、「畜産業がいかに環境破壊に深く関わっているのか」また、多くの環境保護団体がその事実を知りながらも、「何故畜産業について取り上げないのか?」について取材を通じて明らかにしていくという内容。

海洋問題と畜産業の関係

衝撃を受けた事実としては、畜産業が大きく海洋汚染に関与していた事

大きくまとめると問題なのは「水消費」と「排泄」
その他にも、森林破壊や貧困にも繋がっていますが、今回は海に直接関わる問題としてこの2つをフューチャーしてみた。

credited by Pexels Matthias Zomer

1リットルの牛乳のために1000リットルの水が必要?

まず最初に、人類と家畜の給水量と食糧の比較。

※映画内の数値を参照

・人類(約70億人)は、毎日200億リットル近い水を飲み、10億キロの食料を食べる。
・アメリカの家畜である15億頭の牛は、毎日1700億リットルの水を飲み、600億キロ近い餌を食べる。

人々が食べるために育てられている動物の生産に、人類の倍以上のものすごい量の水と食糧が使われている。

その他の数字から読み取れる例

・1リットルの牛乳のために1000リットルの水を使う
・クォーターパウンダーバーガーを1つ生産するのに約2,500リットルもの水を使用(シャワー2か月分に匹敵)

この量があれば、環境問題だけでなく、貧困問題も解決することができるのではないだろうか?

畜産業で出た「排泄物」がそのまま海へ

家畜が排出する糞やオナラにはメタンが多く含まれており、アメリカで行われている畜産業だけでみても毎日5678億リットルもの排泄物が出ているという。これは、人類が出す量の130倍に及ぶ。しかも、何も処理が施されず、土や川などを通じて海へ垂れ流し状態。

また、家畜が毎秒約53トンの排便しており、それを年間に換算した時、サンフランシスコ、ニューヨーク、東京、パリ、ニューデリー、ベルリン、香港、ロンドン、リオデジャネイロ、デラウェア州、バリ島、コスタリカ、デンマークを埋め尽くす量だ。

credited by Pexels Pixabay

それが、世界中の海で500カ所以上の酸欠海域を生み出し、約25万平方キロの海域で生物が死滅している。

海は、ゴミ箱じゃないし、排泄物を綺麗にしてくれる魔法の水でもない。
そう考えると、今までに垂れ流しにされた排泄物は今どこにたまっているのだろうか?

プラスチック問題も大きく海洋汚染に関わっているが、畜産が一番影響を及ぼしていると映画に出演している研究者は言っている。

2048年には海から魚が消える!?

畜産業だけでなく漁業についてもこの映画では触れられている。

credited by Pexels Harrison Haines

漁業では人類が必要とするとされている9000万トンの需要を満たすために大型の網が使われる。
1キロの魚を釣るごとにイルカやクジラ、ウミガメやサメなど5キロの不要な動物も取れる。
これをサバンナで置き換えると、ガゼルを捕獲するときにライオンやダチョウ、ゾウやキリンをついでに取るということになる。

そんなことが許されるのでしょうか?ですが、海では毎日このようなことが起きているのが事実。
このままでは、2048年には海から魚が消える言う人もいる。

ダイバーの皆さんが今まで見てきた素敵な海が、見れなくなる可能性があるのだ。

お肉を食べないという選択

このような内容からも、私はお肉を今まで通り食べる事を改めたほうがいいと感じた。
ヴィーガンという選択肢も大事ですが、既にお肉を食べている私たちには難しいことですよね。

なので、いきなり遮断するのではなく、小さな変化をすることをまずは心かけることが良いかと思う。
1人の1食を変えるだけでも、全日本国民が行えば大きな変化に繋がる。

小さなアクション例

・1週間に食べるお肉の量を少なくする
・家にいる時はお肉を食べない、誰かと外食するときだけOK(今、私は3ヶ月ほど実践しています)

そして、この問題について考えている時に、簡単なことではないと思いますが教育と習慣がとても大事だと感じた。

自分自身、スーパーに並んでいるお肉は、血はなく綺麗に切られているし、パッケージには牛の可愛い絵が描かれていたりして、目の前にある情報から形成されたお肉に対するイメージだけで「食べ物」と認識し食べることが当たり前だった。
しかし、教育として「お肉を食べるまでにどんなことがおきているのか」について伝えられていたら、子供の時にヴィーガンになる選択肢も選ぶことができたでしょう。

また、宗教によって豚肉だけしか食べない人もいる。それは、小さい頃からそう教えられてきたことであり、習慣化しているからこそいつの間にか身についていることだと思う。

レジ袋有料化やコロナによるマスク着用など、急な変化にもすぐ対応して習慣化している私たち。
意外とやってみたらすぐなれるのかもしれないですね。笑

最後に

多方面からサスティナビリティについて語られているドキュメンタリー映画として、是非おすすめしたい。

Cowspiracy: サステイナビリティ(持続可能性)の秘密

photo by Cowspiracy: サステイナビリティ(持続可能性)の秘密 HP

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PROFILE
奄美在住。高校生の時にブラジル留学を経験。泳ぐのが苦手で海とは縁がない人生だと思っていたが、オーシャナとの出会いを通じてOWD(BSAC)を取得。オーシャナを通じ、環境問題や海のことについて勉強中。
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