40歳オッサンダイバーの恋の行方
以前、『マリンダイビング』の僕の分身である和尚が連載しているコラム「スキルアップ寺子屋」で、40歳のオッサンから恋の相談がありました。
先日、その相談者であるMさんと実際にお会いする機会があり、その後、驚きのエピソードを聞いたのでご紹介します。
まず、質問の内容から。
40歳のヤングなオッサンであるMさんが恋をしたのが、沖縄の25歳のガイドさん。
内地の子で、シーズンは沖縄に住み、冬場は東京に帰ってくるので、お誘いして食事をしたり、飲んだりしていたそうです。
沖縄にいる間はメールのやり取りは頻繁にしていたものの、なかなか進展しない恋の展開に思わず、「付き合ってくれ」と言ったこともあるそうですが、遠距離は辛いと言われ、結局、冬だけ会う関係が4年も続いていたとのこと。
しかし、募る想いに、「プラトニックだけど、会ってくれるってことは気がないわけではないだろう? 和尚、どうしたらいい?」と和尚に相談するという暴挙に出たというわけです。
対する和尚の返答を引用します。
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―――アイタタタ。胸が苦しく痛い。
よし、たまには気を使わずに思ったことを言ってみよう。
目を覚ませ!
40歳のプラトニックなんぞ、気持ち悪いだけじゃ。
いや、恋人同士でプラトニックならいいが、プラトニックな片思いをしていいのは37歳までじゃ(編:は!和尚の中身の実年齢……)。
遠距離が辛くて付き合えないというのは理解できるが、好きな気持ちを伝えて、4年も経って男女の関係がないなら脈なしじゃろう。
ひょっとしたらお財布オジサンになっているかもしれないぞ。
それでもいいという割り切り方ももちろんあるが、プラトニックとか言っているのはナシ!
再度、きちんとお付き合いを申し込み、断られたら、「もう会いません!」と言うか、「記念に1発だけ!」と土下座するか(編:え~……)、オジサンの気概を見せろと、オジサンは思うのわけじゃ。
あ、何だか自分に言っているようで、目から熱い水が……。
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我ながら(?)ひどいアドバイスです(笑)。
なぜか、恋のお悩みはよく来るのですが、だいたいは背中をひと押しすればうまくいくだろうと思われるケースが多く(この方たちが典型です→残圧20の水中プロポーズ)、そんなリア充間近なダイバーに舌打ち……祝福してばかりです。
そんな中、このMさんの場合は、明らかに、賢い女性ガイドさんとかわいそうな常連おじさんという構図だと思ったので、おもしろくて……ゴホン、かわいそうで、おもしろおかしく言いつつも、割と強めにアドバイスをしたわけです。
付き合うことはまずないと思ったので、呪縛から解き放つ、あるいは、自覚しつつ楽しい関係を築いてもらえればよいと思っていました。
そこから半年。
とあるイベントで初めて会ったMさんは、とても柔和な印象で、そして、意外なことになかなかのイケメン(失礼!)。
真っ黒に日焼けしたMさんは、その後、和尚のアドバイスに若干イラッときたらしく(笑)、きちんと告白しようとこの夏、彼女のいる沖縄に行ったそうです。
そこで、彼女を呼び出し、お付き合いを通り越して、プロポーズ。
返事は、まさかのOK。
本当にプラトニックな恋愛をしていたのですね。
和尚にかわって、失礼しました。
そして、彼女も過去の経験から、体のいい断り文句ではなく、本当に真剣に考えたうえで「遠距離が辛い」と言っていたようです。
いやいや、手紙の断片的な情報だけでは、真実はわからないものですね。
そして、先入観は怖い。
僕がこの手紙を読んだ時、脂ぎった秋葉系の男性を勝手に思い浮かべてしまいましたが、こんなにイケメンだと知っていたら……。
やはり会ってみないことにはわからないものです。
以上、とりとめのない話でしたが、それにしても、ダイビングってやっぱり出会いがあるんですね~。今年の夏も世界中の海でこうしたダイバー同士のカップルが誕生するのでしょう。
あ、でも、その何倍もの屍が海に沈むのかもしれませんね(笑)。