イルカよりもバスの方が珍しい御蔵島からお届けする連載スタート!

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オーシャナ御蔵島イルカツアー

ocean+αをお読みのみなさま、はじめまして!
今月からコラムを執筆することになりました御蔵島(オクラシマ? いいえ、ミクラシマです)の小木万布(こぎかずのぶ)と申します。

実は私、ダイバーではありません。
しかも、御蔵島周辺の海はダイビング禁止!なのに、なんで!?という感じなのですが、一部のイルカ好き以外の方にはマイナー過ぎる御蔵島のヒトやイルカの生活を、元研究者らしく客観的に、在住者らしく主観的にご紹介していけたら、と思っています。

さて、まずは島の紹介から始めましょう。

伊豆諸島の中ほど、約300人が暮らす小さな島が、御蔵島です。
最近は、イルカの島として、そこそこ知名度も上がってきていますが、まだまだ。

東京都内でも10%くらいの人しか知りません(小木調べ)。
都内の飲み屋さんで「兄さん、どっから来たの?」と言われて答えた際、「あー、知ってる!」となることが10回に1回あるかないかです。

鈴木あやの御蔵島イルカツアー

村としては、国内で3番目に人口が少ないスモールビレッジ。
コンビニやスーパーはもちろん、信号機もありません。
急な坂ばかりの島では、その昔、事故を起こして大ケガを負った教員のおかげで、自転車も禁止となっています。

小学生は、東京(島では本土のことを「東京*」と呼びます)へ出た時、ハズカシくないように校庭で自転車の訓練を行います。
あと信号機の訓練も。

イルカブームの到来に、「わざわざ、なんでかねぇ?」

1990年代はじめ、御蔵島周辺でイルカが見られることを知ったダイバーによって、口コミでイルカウォッチングが始まりました。

ディスコブームが終演し、G-Shockのイルクジモデルが流行り始めたこの頃、クジライルカブームにのって島を訪れる人の数は増え、島始まって以来の観光ブームが始まります。

イルカと泳ぐ御蔵島ツアー

我々が「神社に行けばハトが見られる」と思うように、「海にはイルカがいて当然!」と思っていた御蔵島民にとっては、わざわざ都会からイルカを見に来る人がいるというのが、信じられないことでした。

島生まれの友人M兄がよく例える言葉を借りると「都会に住んでる人が、バスや電車見てあんまり騒がねぇだろ? 子供の頃の俺らにとっちゃ電車スゲー!バス初めて見た! だったんだけどさ。イルカはその逆なんだろなぁ」。

イルカウォッチングが始まって、早20年ほどが経ちますが、今でもお年寄りは「わざわざ、なんでかねぇ?」を拭いきれていないと思います。

しかし、イルカウォッチングのおかげで私も御蔵島に住むことができましたし、島出身の若者たち「島っ子」もたくさんUターンしてきて、小さいながらも楽しい島生活を送れるようになっているのも事実だと思います。

※御蔵島も東京都なのですが…。ちなみに「東京へ出る」ことを島民は、「出島(シュットウ)する」と言います。初めて聞いた人は「出頭!? 何したの?」と驚きます。

オーシャナの御蔵島ドルフィンスイムツアー、今年も開催!現在、参加者募集中です~!
近日、追加のツアー日程も発表予定です。

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PROFILE
山形大学農学部で、テントウムシの産卵生態を研究をしていたが、「もうちょっと大きな動物を研究したいなぁ」と路線変更。
三重大学大学院在学中に、御蔵島をフィールドとしてイルカの行動研究を始める。

2004年、御蔵島で観光協会設立に関わり、同大学院を中退。
現在、御蔵島観光協会勤務。

観光案内業務、エコツーリズムの普及活動、イルカの調査取りまとめを行っている。

■著書:
「イルカ・ウォッチングガイドブック」水口博也(編著)144pp. ウォッチングと生態研究の両立-御蔵島のイルカをめぐって
「クジラと日本人の物語―沿岸捕鯨再考」小島孝夫(編集) 第4章クジラと遊ぶ..
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