知っておきたいダイビング事故に有効な酸素 ~講習はどこで受けられる?~
ダイバーであれば、減圧症の応急処置には酸素が有効なことをご存じでしょう。
いや、溺れた人にも酸素投与は有効で、水難事故一般に酸素はとても有効なのです。
そんなダイビング事故に有効な酸素。
ダイバーにはどの程度、普及しているのでしょうか?
こんなアンケートをしてみました。
まず、ダイビングサイトで、酸素を見たことがあるダイバーは67%。
Q1 潜りに行った先で酸素のタンクや表示を見たことはありますか?
- 見たことがない (33%, 56 Votes)
- 海外で見たことがある(国内では見たことがない) (6%, 11 Votes)
- 国内で見たことがある(海外では見たことがない) (28%, 49 Votes)
- 国内、海外、どちらでも見たことがある (33%, 56 Votes)
Total Voters: 172
この結果は、酸素に対する意識によって受け止めた方が異なり、「7割近くもダイバーが目にしたことがある」とも言えますが、こんなに大事だと言われている酸素を「3割ものダイバーが見たことがない」とも言えます。
海外と国内で差があるのは、単純に潜りに行く機会の問題もあるので一概には言えませんが、ひょっとしたら、国内の方が目につきやすい場所にあるのかもしれません。
ただ、国内のサービスでは、建物内に「置いてある」から見たことあるだけかもしれなくて、理想としては、ビーチだったらエグジットポイント付近にあることですけどね……。
ダイバーも潜りに行ったら、酸素の置かれている場所を確認することが大事です。
※
次に、酸素供給法の講習を受けたことがあるかどうかのアンケート結果。
Q2 酸素供給法の講習を受けたことはありますか?
- ない (57%, 90 Votes)
- ある (43%, 69 Votes)
Total Voters: 159
これも受け止め方はさまざまでしょうが、個人的には「え! こんなにも受けたことがあるダイバーって多いの?」です。
というのも、「受けたことがない理由」の答えの上位に「講習の存在を知らない」「受講できるお店を知らない」とあるように、決して、普及活動が十分ではないと感じていましたし、そもそも一般ダイバーはあまり対象とされていないような気もしていたからです。
Q3-a なぜ、酸素講習を受講したのでしょうか?※複数回答可
- この中にはない/その他 (6%, 11 Votes)
- 酸素を使ったダイビングをしたかったから(テクニカルダイビングなど) (7%, 12 Votes)
- 資格が欲しかったから (11%, 20 Votes)
- ショップ/インストラクターに勧められたから (9%, 16 Votes)
- 酸素を吸ってみたかったから (5%, 8 Votes)
- 仕事で必要だったから (8%, 14 Votes)
- ダイバーとして必須の知識だと思ったから (24%, 42 Votes)
- 面白そうだったから/興味があったから (8%, 14 Votes)
- ダイビング事故における酸素の重要性を知っていたから (22%, 38 Votes)
Total Voters: 71
Q3-b なぜ酸素講習を受講しないのですか? ※複数回答可
- この中にはない/その他 (14%, 21 Votes)
- コースの料金が高いから (4%, 6 Votes)
- 酸素講習の存在を知らなかったから (27%, 42 Votes)
- 講習を開催しているお店を知らないから (21%, 32 Votes)
- 受講を勧められたことがないから (20%, 31 Votes)
- 講習が面白くなさそうだから (1%, 2 Votes)
- 自分は多分使わないし、必要ない知識だから (2%, 3 Votes)
- 何となく難しそうだから (3%, 4 Votes)
- インストラクターやガイドなど、プロが使えればよいから (3%, 4 Votes)
- ダイビングでいつ酸素を使うのか知らないから (5%, 8 Votes)
Total Voters: 97
4割以上が受講したことがあるという結果は、オーシャナを見ている読者の意識が高い、プロが多いという読み取りが正しい気もしますが、僕が思うより、世のダイバーは意外と酸素が身近なのかもしれません。
とはいうものの、理想を目指すなら、もっと多くのダイバーが酸素の知識や供給法のスキルを身に付けて欲しいと思いますので、少なくとも「講習の存在を知らない」「受講できるお店を知らない」と、選択肢すら提供できてないのは残念ですね。
酸素供給コース、どこで受けられる?
ちなみに、自分も酸素供給コースを受講したことがありません。
なぜだろう? と考えた時、やはり、現地のプロが対応するものという意識があった気がします。
では、酸素供給コースとはどこに行けば受けられるのだろうと調べてみると、
まず、PADIが一般ダイバーとダイビング関係者に向けて開催する「PADIエマージェンシー・オキシジェン・プロバイダー・ スペシャルティ・コース」があります。
受講可能なショップはこちら。
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さらに、DAN酸素プロバイダーコースがあり、指導団体関係なく、DANから認定されたインストラクターが開催可能なコースです。
「12歳以上で、国際的なCPR(心肺蘇生法)資格を持ち、CPRが十分に出来る」が前提条件で、更新の必要があるので、より実用的な内容となっています。
ただ、どこで受講できるかの一覧はなく、インストラクターはどこにいるの? 状態。
DANや身近なインストラクターに問い合わせ、場合によっては紹介してもらってください。
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PADIとDANのコース共に、実践的な酸素供給のスキルをマスターすることが目的ですが、その違いが最もわかりやすいのが、DANのコースは“更新制”ということ。
2年に1度、知識とスキルをアップデートして、CPRコースと同様に、「常に備える」というトレーニングが必要な人には向いています。
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安全の第一歩は、不測の事態に備えること。
ダイバーを受け入れてくれるチャンバーが少なくなっている今、酸素の普及はダイバーにとって希望の星です。
ただ、一時、酸素普及の盛り上がりがあったのですが、何となく業界全体でテンション下がっているような気も……。
もう一度、酸素の存在と普及方法など、考えた方がよい時期なのかもしれません。