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イルカウォッチング2015が解禁! 赤ちゃんイルカは冬を越せたのか?閲覧無制限

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徒然コラム
御蔵島のイルカ(撮影:柳瀬美緒)

撮影:柳瀬美緒

うぐいすが鳴き始め、春かなぁ……と思った直後から、真冬の天気に逆戻り。
オオニシの風が吹いて、今週はずっと船が着いていません。
さすが御蔵の自然、甘くないです。

3月8日までしながわ水族館で開催していた「イルカがいるから御蔵島に行こう展」は、おかげさまで大盛況でした。
多い日で1100名ものお客様が会場へお運びくださいました。

それにしても! 御蔵島の知名度の低さ!!

私は土日に会場入りして解説していたのですが、「行ったことあります」と答えた方を除いて、「ミクラシマ? ええ、名前だけは知っています」と答えた方は、一桁でした。
なんか、むしろこのまま誰も知らない場所のまま行った方が良いんじゃないか?と少し思ったり……。

イルカウォッチング2015シーズンが解禁!

さて、そろそろイルカウォッチング2015シーズンが解禁となります。

御蔵周辺でのイルカウォッチングは、東京都と御蔵島村の協定書により「3/15〜11/15の期間」と定められています。

毎年、初日ウォッチング!を狙ってこられる熱心な方もいらっしゃいますが、今年は時化が心配ですね。

今シーズン、私が気になっているのは、昨年生まれの赤ちゃんです。
昨年は10頭の出産が確認されましたが、昨シーズン中に2頭が見られなくなっています。

ミナミハンドウイルカは、生後平均3年ほど母イルカと一緒に泳ぐことが調査により分かっているため、生後1〜2年でいなくなった子供は、死亡したものと考えられます。
昨シーズン終わりに生き残っていた8頭が、冬を越せたか、どうか?

御蔵島のイルカの親子(撮影:石濱愛子)

2014年5月生まれの赤ちゃん。この子は6月に死亡。母イルカが死体を押し運びながら泳いでいるのが観察された。撮影:石濱愛子

御蔵島周辺で生まれる赤ちゃんイルカは、年間10頭前後です。
これまでの赤ちゃんの平均死亡率は20%程度ですが、個体識別調査が始まった1994年から2003年までの10年間と2004年からの10年間を分けてみると、前者では14%、後者では28%となりました。

この数字はきちんとした統計処理を行ったものではなく、単純に「死亡率が上がった」とも言えないのですが、それでも2007年(46%)や2009年(60%)の死亡率は、高いと思います。

2008年から、御蔵島周辺のイルカ頭数が減った背景には、このような赤ちゃん死亡率の増加も影響していると考えています。

御蔵島のイルカ(撮影:柳瀬美緒)

2014年8月生まれの赤ちゃん。この子もその後不明となり、死亡したものと考えられた。撮影:柳瀬美緒

御蔵島のイルカが他所に行くことは分かっていますが、他所から供給された観察例はありません。

近交弱勢(遺伝子が近いもの同士が交配=近親交配し、劣性遺伝を繰り返すことによって、形質の弱い個体が増加していくこと)の問題は別に考える必要があるものの、個体数を維持するためには、出産しかありません。

赤ちゃんは10頭程度しか生まれないので、1頭の死亡で10%も振れが出ます。
せっかく生まれた赤ちゃん、なんとか生き残って欲しいものです。

御蔵島のイルカウォッチングルールの一つに「小さい子を連れた群れにはこちらから接近しない」というものがあります。

赤ちゃんイルカは、ぷりぷりしていてつぶらな瞳で、確かにかわいいです。
だからといって必要以上に追いかけたりするのはやめて、そっと成長を見守っていけると良いですね。

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