街の中の水槽オフィスでデスクワーク!? ~水面下で働く人~
水中の仕事といえば、ガイドや潜水士などが思い浮かびますが、最近では、デスクワークの仕事もあるようです。
いやいやいや。
大阪のまちに突如として現れた、この水槽でデスクワークをしているのは、「おおさかカンヴァス」の作品「水面下で働く人」。
■おおさかカンヴァスとは……
大阪のまちをアーティストの発表の場として「カンヴァス」に見立て、大阪の新たな都市魅力を創造・発信しようとする事業。
http://osaka-canvas.jp/
「水面下で働く人」を出展した、株式会社ST-YOU「水中の便利屋」代表の栃川智士さんに、あれこれ、お聞きしました。
―――なぜ、おおさかカンヴァスに出展しようと思ったのでしょうか?
元々仕事の1つに水族館の清掃の仕事があったので、よくゲストから見られるという経験はしていました。
でも、手を振りすぎてペンギンよりもゲストが集まることがあったのですが、さすがに清掃員として入っていたわけで、結局、ちゃんと掃除しろとお叱りをうけまして……。
その辺りから、堂々と人間を魅せる水槽があればなと思っていました。
―――「水面下で働く人」というテーマの着想はどこから?
もともとは道頓堀が今年で開削400年という事で、それを記念して「水都・大阪」という水の都の発展は決して表にはでない「水面下で働く人達」が支えてきたという事を表現したいなと思って行動に出ました。
―――ちょっと考えただけでも準備や交渉が大変そうですが、出展までに一番苦労したことは何でしょうか?
水槽の搬入がイベントの前日となってしまったため、想像の世界でしか動きの確認ができなかった事ですかね……。
あと、地味に手こずったのが、水中に持ち込んだパソコンのキーボード。
これが浮いて浮いて……。
結局、全部バラして中にボルトとナットを入るだけ詰め込みました。
―――水槽から見える世界はどんな感じでしょうか?
まず、水質と水温との戦いでした。
予算の関係上、ヒーターはつけず、ヤカンに熱湯を入れて注ぐってのをパフォーマンス込みでやっているのですが、なかなか水温は上がらず。
せっかく水温が上がっても、水が汚れてきたら真水を足すので、また温度が下がるというスパイラル。
温度は下げたくないから入れ替えたくないけど、見た目も大事やし、どこまでガマンできるか、みたいな……。
でも、水槽の中から外の人の笑顔が見えると気合いで頑張れます!
特に子供と何故か犬には大人気でした(笑)。
―――本業の「水中の便利屋」とはどういうお仕事でしょうか?
作業潜水を中心に、船底清掃、ロストボールの回収を行っていますが、これからこういったパフォーマンスダイブもいろいろな場所で行って行ければと考えています。
施設、テーマパーク、クラブやイベント会場にて水槽を設置し、その場に合わせたパフォーマンスを提案したい。
例えば、ガソリンスタンドの脇に、そのお店のコスチュームを着て潜っていても面白いのかなと。
まだまだ駆け出しですがこれからもまだ世にない、「潜り屋×○○」をうみ出していきたいと思います!
■水中の便利屋
http://suichu-benriya.st-you.com/
―――寒さが増す今日この頃、引き続き、水中でのお仕事がんばってくださいね!
※
■今後の展示について
10月9日 10:00〜20:30大阪ビジネスパーク
10月10~12日 11:00〜18:00中之島GATE
10月17日 11:00〜20:00 とんぼりリバーウォーク