氷雪藻とは?南極の雪を変色させた原因は温暖化か

南極は、手つかずの自然が広がる、原生地域と言われています。 しかし、環境問題の影響がないか、と言えば、そうではありません。

2020年、南極の雪が赤く染まり、さらにその数か月後には、緑色に染まるという不思議な光景が広がり、驚きの声が上がりました。 また、この現象は温暖化と関連性があると報告がありました。

南極の雪が赤や緑に変色したのは、何が原因なのでしょうか。南極の雪の変色についてご紹介します。

南極の雪が赤や緑に変色!原因は氷雪藻?

2020年2月24日、ウクライナの国立南極科学センター(NANC)が、フェイスブックの公式ページに、雪が赤く染まった南極の景色を掲載しました。 それは、南極半島の北西のガリンデズ島にある、ウクライナの南極観測基地からの景色で、数週間に渡って続きました。

これだけでも驚くことですが、5月にも似たような現象が起こったのですが…今度は赤色ではなく、緑色に変色したのです。 しかも、この変化は宇宙から確認できるほど、緑色の雪が広がっていました。

この現象は「彩雪」や「雪の華」と呼ばれています。そして、ただ雪の色が変わっているだけではありません。 実は、この現象がとんでもない環境問題が関係していると考えられているのです。

それでは、雪が変色するこの現象は、何が原因で起こっているのでしょうか。

氷雪藻とは?南極の雪が変色したメカニズム

この雪が変色した原因は「氷雪藻(ひょうせつそう)」と言われるものが原因です。

氷雪藻は、極圏や高山帯などの地域で、雪や氷上に生息する低温耐性の藻類です。 冬は休眠しますが、春になって雪が溶ける時期に、水と日光によって繁殖します。 氷雪藻は葉緑素や、カロテノイドという紫外線から自らを保護し、熱を吸収しやすくする色素が含まれています。

そして、氷雪藻は赤い色素を持つ胞子が咲くことから、雪を赤く染めることになるのです。 また、5月に見られた緑色の雪も、氷雪藻が原因ではありますが、その他にも動物の糞が関係して、広く繁殖していました。 動物の糞が高い栄養価を持った肥料となり、藻の成長を促進させることになったのです。

氷雪藻が増殖した原因とは?温暖化が関係か

そして、この氷雪藻は地球温暖化と大きな関係があります。 氷雪藻は、…

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