ダイビング中、気が付いたら他のグル―プにいた! どうしたらいいの?

ロゴシーズ画像

昔、ダイビングショップのバイトでアシスタントとして、最後尾からグループをウォッチしていた時のこと。

ショップのグループ同士が交差する時、よそ見をしているゲストが違うグループに付いていってしまうことがありました。繁忙期で透明度が悪い時など特に。

一見さんのゲスト同士だったり、そのエリアのガイドがみんなロクハンだったりすると、意外と水中ではわからないものです。

そんなはぐれダイバーを連れ戻すのもアシスタントの仕事のひとつだったわけですが、気付かずにそのままついていってしまうケースもたまに起こります。

さて、自分が違うグループにいると気が付いたとき、どうしたらいいのでしょうか?

そんなアンケートをした結果がこちらです。
※ケースバイケースでしょうが、「ビーチダイビング」で「初めて潜るダイビングポイント」という想定

気が付いたら他のグループにいた……さて、どうする?

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ブリーフィングで、
緊急手順を確認しておくのは鉄則

半数以上が、「一人で、はぐれた時の手順に従う (1分間あたりを見渡して……など)」という結果です。

自分も同じ行動を取ると思います。
※はぐれて間もないなら「他グループのガイドに方向を聞いて、自分のグループを探す」かもしれませんが。

というのも、共通の緊急手順に従えば合流できる可能性が高いのと、他のグループについていってしまうと、元のグループの人たちが心配するからです。
捜索が開始されて大騒ぎになる可能性だってあるでしょう。

そういう意味では、ブリーフィングではぐれた時の手順を確認するのは鉄則です。
僕も、この情報を伝えらえない場合、「はぐれたら浮上でOK?」とか「はぐれたら自分で船に戻っちゃいますね」など、確認するようにしています。

シルバーソニックでのブリーフィング(撮影:越智隆治)

一人で浮上なんて、
怖くてできない……

ただ、経験が浅いダイバーで、ガイドの付いて潜ることが当たり前だと思っている方だと、違うグループだとわかっても、怖くて離れられないなんてこともあります。

逆に、はぐれダイバーに付いてこられてしまったガイド側も、ストレスが無さそうな人なら、「あっちだよ、あっち」と教えたり、「浮上して、合流できなかったら水面移動で戻る」なんてスレートを出したりしますが、「この人、一人で上げさせたらヤバイかも……」なんてことになると、さあ大変。

ずっと一緒に付いてこられると騒ぎになる可能性があって、一人にさせたらヤバイとなれば、グループごと浮上するのが正解。

ただ、頭ではわかっても、客商売である以上、自分のゲストのロスを考えると、なかなかの葛藤があるでしょう。

そういう意味では、割とみんなに迷惑がかかるので、イントラやガイドと潜ることが当たり前になっているダイバーは、一人で落ち着いて緊急手順ができるくらいのスキルは身に着けたいですね。
※でも、本当にストレスで怖い場合は、死ぬよりましなので、違うグループのガイドを頼るしかないでしょう

1分間にほにゃららは絶対か

「1分間あたりを見渡して……」というセオリーも大事ですが、一番大事なことは「事前に決めておくこと」。

ローカルルールやダイバー同士の決め事でもありでしょう。

例えば水面に浮上するのが危険な海域では、「事前にコンパス合わせて、はぐれたら岸に戻りましょう」の方がいいかもしれませんし、何度も潜っている湾内なら「はぐれたとわかった時点で、各自ですぐにエグジットに向かう」なんてことも。

そういう意味では、ソロダイビングを受講していればより安心ですし、「ロゴシーズ」なんかで、生存確認だけでもできれば安心ですね。

ロゴシーズ(撮影:菊地聡美)

ロゴシーズなら、はぐれても、発信信号で相手の位置を見つけることができます

ところで、バイトでアシスタントをしている最中、最後尾で考え事をしていたら、自分が他のショップに付いていってしまったことがあります。

この時は、はぐれたストレスより、「ガイドに怒られる!」のストレスがえげつなかったわけですが(笑)、海の様子はわかっていただけに、ダッシュで探したら合流でき、ホッ。

エグジット後に「どこか行ってた?」とガイドに聞かれたとき、「Aさんが写真に夢中だったので連れ戻してたんですよ」と嘘をついときました。Aさん、ごめんなさい……。

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writer
PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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