考えなしの潜りすぎにはご注意を

■前々回→Q.2本目が深くなってしまうのですが……
■前回  →2本目が深いと不利なわけ

ダイビング暦45年・やどかり仙人のアップアップ相談室

前回の深いダイブを先にやるほうがずっと効率が良い話、
ガッテンいただけたろうか。
本当に大事なのはフォワードプロファイルで長く潜れるようになった分は、
安全マージンに使えばずっと安全ってことなのだ。

長く潜れると単純に喜ぶのちょっと早とちりで、
浅いダイブを先にやるのは、
2回目のダイブの安全幅を自ら放棄するってことにもなるわけ。

10年も前にやっちゃいけない理由はないよってことになっているのに、
リバースプロファイルは減圧症のリスクが大きいと、
今も一部の先生方がというのもそれが理由でしょう。
ずばり言っちまえば、浅いダイブを先にやるのは、お馬鹿なダイバーってこと。

今回の場合は、最初のダイブを浅いところでやらねばならぬ理由があったわけで、
一概に悪いやり方とも言えません。
しかし、ボートのお都合でダイブポイントの水深に気を使わない、
出たとこ勝負のガイドやサービスとは、お付き合いしないほうがいいと思うわけ。

無減圧の反復ダイビングでも30%以上というかなりの高率で、
症状を起さない気泡サイレントバブルが見つかるというリポートもあります。
脅すつもりはございませんが、反復ダイビングそのものが、
減圧症の大きなファクターであることは間違いないようであります。

どこかのトロピカルリゾートのダイブアンリミテッドなんてセール文句につられて、
朝食前にビーチで1ダイブ、昼間はボートで2-3ダイブ、夜は星を見ながらのナイトダイビング。
ダイバーなら誰しも夢に見るリゾートライフでありますが、
くれぐれも深さと順序に、お気をつけてと申し上げるほかはございません。

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PROFILE
1964年にダイビングを始め、インストラクター制度の導入に務めるなど、PADIナンバー“伝説の2桁”を誇るダイビング界の生き字引。
インストラクターをやめ、マスコミを定年退職した今は、ギターとB級グルメが楽しみの日々。
つねづね自由に住居を脱ぎかえるヤドカリの地味・自由さにあこがれる。
ダイコンよりテーブル、マンタよりホンダワラの中のメバルが好き。
本名の唐沢嘉昭で、ダイビングマニュアルをはじめ、ダイビング関連の訳書多数。
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