南アフリカ★ビッグ5
突然ですが、サファリのビッグ5ってご存知ですか? これはかつてサファリがハンティングだった時代に、特に人気があった大型野生動物のこと。ゾウ、ライオン、ヒョウ、サイ、バッファローの5種類を指します。ウオッチングの人気でいうとバッファローよりもキリンやシマウマなんでしょうが、ハンティングではやはり肉がたくさんとれる動物のほうが好まれていたようです。
南アフリカではビッグ5に、ミナミセミクジラとホホジロザメという海の2大生物を加え、ビッグ5+2とかビッグ7なんて呼ぶことも。陸上だけでなく、豊かな海も生物の宝庫なんですよね。ただ個人的には、ビッグ7よりももっと見たいものがあるんです。それがサーディンラン。サーディン……つまりイワシの群れです。
もちろん、ただのイワシではありません。毎年6〜7月に、何と10億尾もの大群が南アフリカの東海岸に集まってくるのです。イワシの群れは南極水域からの栄養豊かな海流にのってやってきます。通常、このベンゲラ海流はアフリカ大陸の西海岸沿いを北上しています。ところが、この時期には東海岸に支流が入り、イワシの大群もそれにのってくるのです。
海中ではイワシの群れを狙うクジラやイルカ、サメ、カジキなどが行き交い、頭上から海鳥がダイブする迫力のスペクタクルショーが繰り広げられます。ダイビングの場合は、マイクロライトで空から群れを探すなど、遭遇率を高める工夫も。ツアー料金は高めですが、ダイバーなら一度は見てみたい海中祭りです(→参考ツアー)。
ところで冒頭で述べたビッグ5。これを海に当てはめると、何がランクインするんでしょう。もちろん人それぞれだと思いますが、僕はジンベエザメ、マンタ、ハンマーヘッドシャーク、バショウカジキ、アオウミガメでしょうか(ほ乳類はのぞきました)。皆さんのビッグ5は何ですか?
残念ながらビッグ5には入っていないキリンですが、この個性的な姿には興奮させられます
群れで海中が暗くなるほど……。Photo by Wanderlasss