霊能者ダイバーに聞く! 秋の怖い話
夏にヒヤッとしてもらうための”怖い話”だが、ヒヤッとしている秋にさらにヒヤッとしてもらって、ドライスーツを買ってもらおうという業界思いの怖い話をひとつ(笑)。
お話を聞いたのは、零能者のGhost Sweeper(ゴーストスイーパー)、略してGSみさとさん。数ある体験談から印象的な話を紹介する。
八丈島のナイトダイビングの体験
八丈島でスタッフとして働いていたみさとさんは、ある夜、スタッフ6名でとあるスポットでナイトダイビング。
ガイドの練習のため、みさとさんとバディの二人が先頭でグループを引っ張ることに。
慎重派のみさとさんは、ライトを3つ携帯。最も大きなライトで潜ることにした。
潜った瞬間からみさとさんは少し違和を感じていた……。
ライトの謎の消失
潜って10分ほど経った時のこと。
なんの前触れもなく、ライトがふっと消える……。
予備のライトに切り替えると同時に、違和感の輪郭が胸の中でぼんやりと浮かび上がってくる。
しかし、恐怖感はない。みさとさんにとっては日常のことだ。その直後。
2つ目のライトも消える。
先程はふっと自然に消えたように思えたが、今度は何かの意思によるものであるかのように、ライトはパッと消えた。
3つ目のライトに切り替えたが、みさとさんにはそれが無意味なことに思えた。
そして、案の定、3つ目のライトも消えた……。
7人目のダイバーの謎
最初に使った大きなライトは買ったばかりで、すべてのライトは潜る前に電池を新品に変えてある。
グループでライトが消えているのはみさとさんだけだ。
全員スタッフということもあり、バディの明かりを頼りにダイビングを続行。
二人で先頭を潜りつつ、ガイドの練習ということもあり、たびたび振り返っては人数確認。
1、2、3、4……自分たちを入れて6人。よし。
バディがライトで照らす直線的な光は水底で反射、分散し、ボヤッとした光と闇の神秘のグラデーションになってあたりを包み込む。
そんなはっきりしない光と闇の境界線に、確かに存在する何ものかの輪郭がふいに浮き上がる。
寝ぼけた魚や、対照的に元気なエビ・カニたちだろうか?
ダイバーだ。
そう思った瞬間、ダイバーは闇に消えた。どこかへ行ってしまったのだろうか?
いや、バディはおそらく同じものを見たのであろう。
バディの照らす光は、ダイバーの存在を否定するかのように、輪郭をとらえた瞬間、さっと移動し、すぐ目の前の1点を照らしている。
やや後方にいたバディの方に振り向くと、バディは見開いた目でみさとさんの方を見つめる。
お互いが「気がついたことに気づいた」ことを知った瞬間、二人同時に振り返り、グループの人数確認。
1、2、3、4……自分たちを入れて6人。
では、前の7人目は誰?
みさとさんはすでに違和感の正体を確信していた。少し前にこのスポットで亡くなった女性ダイバー、その人だろう。
慣れていたみさとさんはバディの手を握り、バディも意を決したようにエグジットへ向かって泳ぎ始める。
ピンクのラインが入ったウエットスーツに、ピンクのフィンをはいた、いるはずのない7人目のダイバーの先導で……。
GSみさとさんの言葉
サメ=怖いというイメージが間違っているのと同じように、霊はそのほとんどが決して怖いものではありません。
霊とは思念。この女性ダイバーがそうであったように、誰かを傷つけようという思念を残して死んだはずはありません。
だから、誰も傷つけたりはしないのです。
事故が多い現場があると、時に霊のせいにされますが、単に安全管理が杜撰な場所であるだけでしょう。
結果として思念が強い場所になったとしてもそれは決して霊のせいではないのです。
まとめ
信じるか信じないかは窒素次第……。