正面を向いて泳ぐと首が痛い……
「前を向いて泳ぐと首が痛くなる」
たまに来るお悩みだが、実際に、
バタ足で正面を見ながら窮屈そうに泳いでいるダイバーさんを見かける。
こんなん
そもそも泳ぎながら正面を見る姿勢は、陸上で生活する人間にとっては不自然な状態。
陸上でいえば、空を見上げている状態と考えるとわかりやすい。
首を90度近く曲げて空を見上げ続ければ、そりゃ首も痛くなるというもの。
同じように、水中でも、体が水平な状態で、
首を90度近く曲げて正面を向くという姿勢は不自然だと言っていい。
体が水平に泳ぐときの視線は、前ではなく斜め下が正解。
正面や遠くを見るときは、体を少し起こすのが自然。
早く泳ぎたいときは、むしろ頭を下げて水平姿勢で泳いだりもする。
360度動ける水中世界では、首だけでなく体ごと使う方が楽ちん。
前を向きたいなら体を少し起こした方が楽だし、
見上げたいなら体ごと反転させた方が無理がない。
ガイドさんを観察すればわかるが、まったく水平な状態のことの方がむしろ少ない。
ゆっくり進む場合はアオリ足キックの場合がほとんどで、
平泳ぎのように、体を少し起こしつつ進むし、
どこかを見るときは、無理のない首の可動範囲内で、体ごと使って視線を向けている。
正面を見ながら泳ぐのは窮屈で首が痛いというダイバーは、
まずは「視線は斜め下が標準」、「正面を向くには体ごと起こす」ことを意識し、
ガイドさんをじっくり観察し、マネしてみることが一番の近道だろう。
きっと、いや確実に、首が窮屈にならない体の使い方をしているはずだ。