エーゲ海に眠る古代の沈船で、ロマンあふれる沈船ダイブを楽しもう!
ペリステラと名づけられたその船は、かつての古代人が交易ルートに使っていたギリシャのエーゲ海アロニソス島沖に沈んでいる。1985年に地元の漁師に発見されてから、これまで科学者らの研究のみで、接近を許可されていたが、今年8月3日から2か月間の期間限定で一般公開されるという。今回の一般公開はレクリエーショナルダイバーにとっては唯一無二の体験になることだろう。
古代文化の奇蹟・ペリステラを拝観する水中遺物博物館がアツい
ペリステラは紀元前5世紀頃に活躍していた大型商船で、ギリシャ北部のハルキディからスコぺロス島に向けてワインの輸送中、悪天候により沈没したと考えられている。水深21~28メートルに沈むペリステラ船内からは、ワインが詰められていた「アンフォラ」という陶器が数千個、ほとんど無傷のまま見つかったという。
この「アンフォラ」が重要で、模様や形などから難破した船の時代や国籍がわかったり、古代地中海の人々の食習慣や売買システムなどの貴重な情報を得たりできるというのだ。ギリシャの考古学者によると、ローマ時代以前には造船の知識はないと考えられていたが、ぺリステラの発見により古代ギリシャにはすでに船が存在していたことが証明されたという。
古代文明解明の貴重な足がかりとなった沈船ペリステラの一般公開は、公式に「難破船のパルテノン神殿」と名付けられ、ギリシャ初となる水中遺物博物館としてオープン。ダイバーにとっては、ダイビングを楽しみながら古代文明の奇蹟を鑑賞できる贅沢な体験になりそうだ。
沈船ペリステラを筆頭に…経済活性のためダイビングパークの形成も計画
ギリシャ文化・スポーツ省の水中遺物関連部局は、今後もより多くの観光客を引き付けるために、ダイビングパークの形成を目指しており、同地域で更に4つの古代難破船をレクリエーショナルダイバーに開放する計画を立てていることを明かしている。沈船ペリステラを筆頭に、他難破船の公開も待ち遠しい。