まるで365日成人式気分なエビ!? フリソデエビって知ってる?

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本日1月10日は成人式。成人を迎える方へ祝福を送ると同時に、海とダイビングのメディアとしては、この日にぜひとも紹介したい海の生き物がいる。それは、名前を聞いただけでも思わず成人式を連想してしまう「フリソデエビ」だ。エビの中でも変わった模様や形が印象的で、ダイバーの中でも一目見たら忘れない人気なエビではないだろうか。今回は、その気になる名前の由来や、その生態について取り上げていく。

そもそもフリソデエビってどんなエビ?

credited by flickr / Ken-ichi Ueda

フリソデエビは、コエビ下目テナガエエビ上科フリソデエビ科に属するエビの一種。全長は2〜5cm程度で、雄は雌より少し小さい。太平洋からインド洋にかけて生息しており、水深1~20mのサンゴ礁や岩礁の潮間帯下を住処にしている。日本では、伊豆半島、紀伊半島、四国、沖縄で見ることができる。ダイビング初心者の方もサンゴ礁の周りを泳いでいたら出会うことができるかもしれない。

「フリソデエビ」名前の由来は本当に振袖だった。

credited by flickr / Ken-ichi Ueda

気になる名前の由来は、発達した第2胸脚部分が成人式で着る振袖の袖のように見えることからつけられた和名だという。ちなみに、学名である英語ではHarlequin Shrimp(ハーレクインシュリンプ)と呼ばれ、Harlequinは「まだら模様」という意味合いを持つ。
フリソデエビに限らず、生き物の名前には和名と学名で表現方法が違うことが多い。有名な生き物で例をあげると、マンボウだ。日本ではマンボウという呼び名で多く知られているが、英語ではsunfish(サンフィッシュ)と呼ばれる。直訳すると「太陽の魚」と、その姿からはあまりピンとこないが、時々海面で横倒しになって日光浴をする習慣が名前の由来となっているという。
こういった生き物の名前にまつわる知識は、ダイバーに限らず知らない人についつい教えたくなる、覚えておきたいうんちくだ。

色々な柄の振袖があるように、フリソデエビも色々な模様を体にまとっているの?

本物の振袖のように数えきれないほどの柄がある訳ではないが、生息場所によって模様の色が違う個体が存在するという。1体は、乳白色から白の体に黄色い縁のある紫のかった斑点を持っており、中央から東太平洋にかけて生息。 2体目は、乳白色から白の体に青い縁のある褐色のかった斑点を持ち、インド太平洋に生息している。また、この模様は、住処であるサンゴ礁で生活する上で体を守る保護色となり、人間にとっては美しい柄が外敵から身を守っているのだ。

日本の結婚制度と同じ、一夫一妻制

興味深い情報は名前だけではない。なんと、日本の結婚制度同様に、一夫一妻制で縄張りをもっている。
人は、自分たちでルールを決めて一夫一妻制と定めているが、フリソデエビたちは本能的にそのルールの中で生きている。どのようにパートナーを見極めているのかなど気になることが多いが、私たちには理解できない深いつながりがあるのだろうか。

小さな体だけど、オニヒトデも襲っちゃう!

credited by flickr / Etienne Gosse

フリソデエビの全長は大体2~5cmで、雌より雄のほうが少し小さい形態。そんなフリソデエビの好物はヒトデ。そして驚くことに、時には自身の全長の約6倍である大型ヒトデのオニヒトデ(大きさ約30cm )を 夫婦で狩りをして食べてしまうという。計画的に行動する知性を兼ね備え、自分より大きな生き物を襲ってしまうその姿は、小柄で可愛らしい見た目からは想像がつかない。

成人式にちなみフリソデエビについて紹介してみたが、いかがだっただろうか。ダイビング中にフリソデエビに出会った際は、ただ見た目の美しさに見とれるだけでなく、2匹で行動しているか、近くにヒトデがいるかなど、生態系もチェックして見ると楽しみが2倍になるかも。

出典:Wikipedia

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PROFILE
奄美在住。高校生の時にブラジル留学を経験。泳ぐのが苦手で海とは縁がない人生だと思っていたが、オーシャナとの出会いを通じてOWD(BSAC)を取得。オーシャナを通じ、環境問題や海のことについて勉強中。
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