宮古島のダイビングサービス、「生物多様性アクション大賞2019」環境大臣賞を受賞!〜エコガイドカフェ代表コメントも〜
宮古島のダイビングサービスが
生物多様性アクション大賞2019受賞!
宮古島のダイビングサービス・エコガイドカフェの活動が、国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)が主催する、生物多様性アクション大賞2019で、環境大臣賞を受賞されました!
▶︎http://5actions.jp/award2019/result.html
エコガイドカフェが提唱する
「ノータッチサンゴ」とは?
エコガイドカフェは、宮古島を中心にシュノーケリングや体験ダイビングを提供するダイビングサービスです。
これまでにも、「国際サンゴ礁年2018」のオフィシャルサポーターを務められたほか、2019年3月には「国連グローバルコンパクト」に加盟されています。
そのエコガイドカフェが、ダイビングやスノーケリングを楽しむ時のマナーとして、提唱するのが「ノータッチサンゴ」
そもそもエコガイドカフェの「ノータッチサンゴ」に関する取り組みは、1998年、ダイビング船の投錨を不要にするノーアンカーブイ設置が始まり。
そこから活動を広げ、「観光客が来れば来るほど美しくなる宮古島」を実現するため、宮古島の美しいサンゴ礁を子孫に継承することを目的とした「ノータッチサンゴ」を動画を用いて、啓発を続けて来ています。
【環境大臣賞受賞プロジェクト! 宮古島 サンゴ保全活動 「ノータッチサンゴ」】
動画では、岩や石で育っているサンゴの赤ちゃんを守るために、観光客に守って欲しいマナーを5つのポイントに絞って伝えています。
「ノータッチサンゴ」とは
①立たない。海に入って泳ぎ始めたら立つところはありません。サンゴ礁はもちろん岩場にもサンゴの赤ちゃんが定着します。
②歩かない。サンゴの赤ちゃんは海底に定着して育ちます。歩くと踏み潰してしまいます。
③蹴らない。立ち泳ぎでサンゴが蹴り折られます。マスクで海の中を見ながら、ライフジャケット等で浮力を確保して下さい。
④触れない。海の中には危険生物が潜んでいます。
⑤餌付け禁止。人為的な餌で生態系が撹乱されます。引用「eco guide cafe」公式HPより
https://www.webman.jp/
現在、宮古列島・下地島では、オーバーツーリズムによる、サンゴ礁への負荷の増加が懸念されています。
スキューバダイビングを楽しむダイバーたちには、サンゴに配慮した潜り方をする方が少なくありませんが、観光客全員が、そのことを知っているわけではありません。
「ノータッチサンゴ」の動画は、日本語版だけでなく、英語版・中国語版でも制作されています。
下地島空港での放映と、そこへの直行便発地の空港(香港、台湾、中国本土、日本国内など)で、拡散も行われています。
目にしたことがあるダイバーの方もいるのでは!?
「生物多様性アクション大賞2019」に
「ノータッチサンゴ」が選ばれたワケ
今回、受賞された「生物多様性アクション大賞2019」は、国連生物多様性の10年日本委員会が主催する、生物多様性を、広く普及・啓発することを目標とした賞です。
全国から、91もの応募があった中、エコガイドカフェの「ノータッチサンゴ」は、環境大臣賞のつたえよう部門に選ばれました。
▶︎http://5actions.jp/award2019/result.html
特に、言葉や文化の違う、外国人観光客が増えるなか、「伝えることで守る」という視点が、観光地での環境活動を推進するうえで、とても重要な視点だとして、評価されました。環境に配慮した過ごし方を具体的に伝えている点、そして、多言語の動画で展開されている点は、素晴らしいですね!
エコガイドカフェ代表・猪澤也寸志さんより
「生物多様性アクション大賞2019」受賞コメント
最後に、エコガイドカフェ代表・猪澤也寸志さんからコメントをいただきました!
エコガイドカフェ代表・猪澤也寸志さんからのコメント
猪澤
ありがとうございます。
今回評価いただけたのは、活動の持続可能性、つまりSDGsとしての評価が高かったようです。
一般的には、環境を良くすると経済がダメになる、経済を追いかけると環境がダメになるという、トレードオフの関係に捉えられがちです。
オーバーツーリズムは、典型的なトレードオフです。
メディアでよく取り上げられている、宮古島の問題です。
オーバーツーリズム問題を解決するため、観光客を大幅制限して経済が疲弊すれば、それは持続可能な観光とは言えなくなります。
そこで、観光と環境の両輪を回すため、20年ほど前から「観光客が来れば来るほど美しくなる宮古島」の実証を始めました。
その実証の集大成とも言える、生物多様性アクションが「ノータッチサンゴ」です。
なぜ、マナーかと言うと、誰もが共感するマナーほど、即効性が高いものは無いからです。
例えば「サンゴの赤ちゃんを守ろう」と言う、ノータッチサンゴマナーに強制力はありませんが、ほとんどの人が自主的にマナー順守します。
下地島空港直航便で、訪れた香港観光客も、ノータッチサンゴに強い共感を示してくれました。
私どものスノーケリングや体験ダイビングで、宮古島の美しいサンゴをノータッチで満喫した香港ゲストは、香港に戻ってからも、ノータッチサンゴを大拡散してくれたようです。
結果的に、当社のアクティビティに、なんと1,000名以上が参加してくれました。
次に来るまで、美しいサンゴの海のままでいて欲しいと言う気持ちを込めて、SNSなどでサンゴの美しい動画とともに、ノータッチサンゴを拡散してくれるんです。
こんな心優しい香港ゲストなら、沢山来られてもサンゴは守られます。
これも、オーバーツーリズムの一つの解決策になり得ると思っています。
ノータッチサンゴに、共感した人たちが集う宮古島になれば、環境と経済の両輪が回る、持続可能な宮古島へと大きく前進するように思っています。
*
ダイビングサービスが、美しいサンゴ礁を未来に残すために具体的な行動をされていること、そして、めでたく賞を受賞されたこと、いちダイバーとして、とてもうれしい気持ちになりました!
最近よく聞くSDGsですが、20年も前から、その観点で取り組まれていたことに驚きです。
美しい海を、未来に残していきたいと思ってもらえて、そして行動してくれる人が、増えていってくれると嬉しいですね。
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