【富戸ダイビング】ポイント・見どころ総まとめ!行く前に知っておきたい基本情報
静岡県東伊豆の富戸。都心からアクセスも良く、伊豆半島でも屈指のダイビングスポットとして知られている。本記事では、富戸の代表的なダイビングポイントの魅力だけでなく、富戸までのアクセス、ダイビングスタイルをご紹介。ぜひ富戸でのダイビング準備の参考に!
富戸ってそもそもどこにある?
手つかずの雄大な自然が残る静岡県伊豆半島の東海岸に位置する、富戸。海底火山の集まりからなる伊豆半島は「ジオパーク」にも認定され、陸上にも水中ダイナミックな景観が広がっており、多くの観光客が訪れる地だ。東京都心からは約150km、車だと約2.5〜3時間、同じく電車も伊豆急行線を経由して約2.5〜3時間ほどでアクセス可能。東京や神奈川からの日帰り旅行にも最適で、都心から離れて自然を満喫したい方におすすめのスポット。
富戸までのアクセス
車の場合
東名高速道路を利用し、厚木インターチェンジ(IC)で降りてから、小田原厚木道路および真鶴道路を経由。その後、熱海を経由して国道135号を南下。伊東を過ぎると、「川奈・富戸方面」の標識が現れるので、その指示に従って進むと富戸に到着。
休日や連休中は特に、国道135号線沿いで交通が混雑することもある。時間に余裕を持って出発することをお勧めしたい。
電車の場合
東京や名古屋方面からは、東海道新幹線または東海道線を使って熱海駅まで行く。熱海駅からは伊豆急行線に乗り換え、富戸駅、城ケ崎海岸駅、または伊豆高原駅へ向かう。
富戸を案内してくれる大半のダイビングショップは、最寄り駅からの送迎を提供していますが、利用するショップによって最寄りの駅が異なる場合がある。そのため、訪問前にダイビングショップやサービス提供者に確認し、最適な駅で降りるように。伊豆急行線は、特に夏季や休日には混雑が予想される。乗り換え時間にも余裕を持って計画しよう。
富戸のダイビングポイントの特徴
ビーチダイビング
富戸のダイビングの特徴は、ビーチポイントが充実していること。特に「ヨコバマ」と「脇の浜」がメインポイントとして、ライセンス(Cカード)講習からファンダイブまで多くのダイバーに潜られている。この2つのポイントは海底の砂質が異なるため、見られる海洋生物にも違いがあり、フォト派ダイバーにも人気。風が強くない限りは比較的穏やかな海況であることが多い。
ボートダイビング
富戸にはボートポイントがいくつかあるが、シーズンによってクローズするポイントもあるので、事前に確認が必要。魚影が濃く、大物との遭遇率の高さが魅力。こちらはより深い水深となるため、ビーチダイビングとはまた違った、海洋生物との出会いが期待できる。
見られる生物の特徴
毎年、南方から黒潮に乗ってやってくるアジやタカベの群れ、カンパチなどの回遊魚も期待できる。マクロ生物でいうとカエルアンコウやギンポ、ウミウシなど、マクロ撮影に適した小さな生物も豊富。ネコザメやカスザメといった砂地に生息する大型の海洋生物との遭遇率も高い。
富戸のシーズナリティ
富戸のダイビングは年間を通して楽しめるが、特におすすめしたいのは冬の時期。冬は一年の中で最も透明度が高くなり、水が澄んで美しい。春濁りで透明度が下がるのは3〜5月。海日和になる夏場もやはり外せない。春に比べると、透明度も上がり、水温が上昇。魚の種類と数が増える傾向にある。初夏には、アオリイカの産卵を見ることができ、特定の季節にしか見られないダイビングの大きな魅力の一つ。秋も魚影が濃くなり、夏よりもさらに透明度が高くなっていく。
富戸のダイビングポイント詳細
①「ヨコバマ」(ビーチポイント)
●流れ:ほとんどない
「ヨコバマ」は富戸を代表するビーチポイントで、ビーチエントリーのポイントなのに、地形が楽しめる「富戸ホール」は、「ヨコバマ」の一番の見どころ。天気が良い日には水面からの光が海底に降り注ぎ、思わずうっとりしてしまう。また、生物も豊富に見られ、共生ハゼやカエルアンコウなど、フォト派ダイバーにも人気の可愛い生物たちが。カスザメやネコザメといった大物に出会うことも。イソギンチャクとソフトコーラルが密生するエリアもあり、そこにはクマノミやソラスズメダイ、ベラの仲間。さらに、ニシキフウライウオやイザリウオ、ネジリンボウやカクレエビなども生息。また、季節ごとで言うと、初夏にはアオリイカの産卵を観察でき、秋にはブリやカンパチなどの大型回遊魚、ムレハタタテダイの大群。冬にはサギフエやアンコウ、時にはマンボウの姿も!
さらにエントリーとエキジットが別々のスロープを通じて行える一方通行システムは、ダイバーにとって非常に安全。
②「脇の浜」(ビーチポイント)
●流れ:ほとんどない
富戸港の西側に位置するビーチポイント「脇の浜」。エントリーすると沖に向かって徐々に水深が落ちていく砂地に、大小の根が点在。ここは魚礁になっており、ウミガメが姿を現すこともある。また海底の砂の質が「ヨコバマ」と比べて粗く、ややくすんでいるのが特徴。そのため位置的には近くても見られる生物の種類が「ヨコバマ」とは若干異なり、ヒラタエイ、アカエイといった砂地に生息する大型の生物から、ギンポ、イロカエルアンコウタツノオトシゴ、カエルアンコウやウミウシなどが生息している。春から初夏にかけてはネコザメの赤ちゃんやサカタザメ、アサヒガニ、アオリイカの産卵シーンなどにも出会えるかも。
流れもほとんどないうえに、水中までロープをつたってエントリーできるため、ビギナーダイバーにもおすすめできるポイント。
③「ピラミッド(ヨコイソ沖)」(ボートポイント)
●流れ:ときどきあり
「ピラミッド(ヨコイソ沖)」は、9月中旬から5月中旬までオープンする期間限定のボートポイント。その名の通り神秘的なピラミッド形状の魚礁がそびえ立っていることがこのスポットの最大の特徴で、まるで海底遺跡のよう。この魚礁は長さ80m、高低差15mにもなる。潮通しがいいため、魚礁にはソフトコーラルが密集しており、その色鮮やかさは圧巻。魚に関しては、キンギョハナダイやカゴカキダイ、タカベの群れが観察できる。カラフルな魚礁と活気ある海の生き物の世界を探索することができる、「ヨコイソ沖」は、冒険心をくすぐるダイビングポイント。
④「マエカド」(ボートポイント)
●流れ:ときどきあり
「マエカド」は、港からわずか約5分という近さにもかかわらず、魚影の濃さとソフトコーラルの色鮮やかさは富戸でNo.1。ムツやアジ、タカベ、イサキ、テングダイなどさまざまな種類の魚が群れており、ドロップオフに沿ってカーテンのように広がることも。その様子は、訪れるダイバーを圧倒!他にもネコザメなどのサメの仲間や巨大クエが見られることもある。フォト派ダイバーも大満足の景観。ただし、「ピラミッド(ヨコイソ沖)」と同じく、急に水深が深くなっているので、中性浮力と減圧管理はしっかりしよう!
海から上がってすぐに入れる「温泉丸」
伊東市漁業協同組合富戸支所(通称、富戸漁協)が運営する富戸の現地のダイビングサービス「富戸ダイビングサービス」は、ダイバーが快適に過ごせるように設計された施設を提供。オープンエアのラウンジ、清潔なトイレ、シャワー、更衣室など、女性ダイバーも安心して利用できる環境が整っている。
そして、富戸の名物とも言える「温泉丸」は、漁船を改装したユニークな湯船舟で、ダイビングスーツのまま入れるダイバー専用のお風呂!海を眺めながらゆったりと体を温めることができ、ダイビング後の疲れを癒すのに最適な場所だ。
富戸のダイビングポイントについて紹介したが、いかがだっただろうか。幅広いダイバーから愛される富戸にぜひ一度訪れてみては!