伊豆でおすすめのダイビングスポットまとめ!ビーチとボートで4つずつ厳選して紹介!

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日本を代表するダイビングの聖地と言っても過言ではない、静岡県伊豆半島の海。そこは東伊豆、西伊豆、南伊豆に大きく分類され、数多くのダイビングスポットが点在する。生息する生き物はウミウシからハンマーヘッドシャークまで大小さまざま。さらに生き物だけでなく沈船や岩場、砂地、ドロップオフ、洞窟など、伊豆半島でも場所が少し違えば、表情のまったく異なる水中を楽しむことができる。
そこでこの記事では、伊豆のエリア別のダイビングスポットの魅力と、伊豆で体験ダイビングやダイビングのライセンス(Cカード)取得を考えている方におすすめしたいダイビングポイントやショップなどをご紹介。

伊豆ダイビング、伊豆全体とエリア別の特徴

伊豆は、東京から南西に突き出る形で広がる半島。地形的な特徴から半島をぐるりと一周する形で無数のダイビングスポットが点在しており、できることなら端から順に潜ってみたいくらい魅力的なエリアだ。以下は、伊豆でのダイビングの主な特徴となっている。

  • ●都心から日帰りで行くことのできるダイビングスポットがある
  • ●ダイビング器材のモニター会、ダイビングイベントなどが行われたりすることもあるので、土日ともなると多くのダイバーで賑わいを見せる
  • ●どんなダイバーのニーズも満たしてくれるほどダイビングスタイルが豊富(ビーチダイビング、ボートダイビング、ドリフトダイビング、フォト派ダイビング、ナイトダイビングなど、ダイビングの経験やスキル、興味に合わせて、ポイントを選べる)
  • ●ここでは詳しく紹介しないが、伊豆では海鮮を扱っている食事処が多いのでダイビング後は、絶品の海鮮ランチが食べられることもダイバーにとって大きな楽しみのひとつ

ここに挙げた特徴はほんの一部。伊豆は大きく分けて3つのエリアに分けられるので、エリアごとにも異なる特徴を持っているので、続いてエリア別にも見てみてよう。

東伊豆エリア

東伊豆エリアは、静岡県伊東市にある標高580mの火山である大室山から流れ出た溶岩が、複雑な地形を作っており、陸上も“ジオパーク”として、多くの観光客が訪れる場所だ。大地がつくり出した壮大な地形を水中まで見られるのは、これぞダイバーの特権かもしれない。複雑な地形には小魚の群れが豊富に住み着いることから、魚影も濃く、初心者から上級者までしっかり楽しめる海となっている。さらにここは、都心からのアクセスのよさも嬉しいところ。都心から電車でも車でも2〜3時間で行ける場所が多く、日帰りでのダイビングも可能となっている。

西伊豆エリア

駿河湾に面した西伊豆エリアは、海況が穏やかな日が多く、都心のダイビングショップが体験ダイビングやダイビング講習(海洋実習)で訪れることも多い。また駿河湾は日本一深い湾でもあるので、深海魚が出たなんて話もよく耳にする。西伊豆は、東海・名古屋方面からも比較的近いので、都心からだけでなく各地のダイバーが集うエリア。また、天気がいいと海の目の前に雄大な富士山が見えるので、富士山をバックにぜひダイバー姿で記念写真を撮ってみよう。

南伊豆エリア

南伊豆エリアは、都心からだと東伊豆エリアと西伊豆エリアよりも場所によってはさらに1時間半ほどかかるので、ゆとりを持って現地で1泊してダイビングを楽しむダイバーもいる。しかし宿泊してでも行く価値はあり。黒潮の影響を受ける、伊豆半島の最南端なだけあり、東伊豆エリアや西伊豆エリアに比べても海はひときわ青い。陸上と水中ともにどこか、南国の雰囲気が漂い、リゾート気分になれる。ハンマーヘッドシャークの群れや回遊魚など、日本にいることを忘れてしまうかも!? 大物好きのダイバーにはおすすめのエリアとなっている。

気候と水温

伊豆は、年間を通じてダイビングが楽しめる気候と水温で、季節によっては同じポイントでも雰囲気がまったく変わるなんてことも多い。春は気温が少しずつ上がってくるが、水温は14~17℃ほどとまだ低いためドライスーツで潜るとちょうどいい。
夏にかけては水温が適度に上がり25〜28℃前後になり、5mmのウェットスーツで気持ちいい水温に。水温が最も高いのは8月末から9月上旬であることが多く、この時期はダイバーが活発に動く時期でもある。
秋は10月ごろだと、まだ水温は24〜26℃ほどで低くはないが、気温が下がり始めるためドライスーツをチョイスするダイバーも多い。
冬は、水温が15度で、気温も低いため、ドライスーツ必須。もちろん、タイミングによって気温や水温は変化するので、ダイビングに行く日が決まったら、事前にダイビングショップなどに確認をして、適切なスーツを選ぼう。

伊豆のダイビングポイント紹介

伊豆半島には数多くの魅力的なダイビングポイントが点在しているが、ocean+α編集部として、初心者から経験者まで幅広いダイバーたちが楽しめる、かつ水中写真家やメディアでも話題上がることが多い、一度は潜っておきたい代表的なダイビングスポットを厳選してみた。

ocean+αおすすめの伊豆ビーチダイビングスポット4選

1.富戸(東伊豆)
富戸は東伊豆エリアでトップクラスのダイビングエリアとして人気。メインで潜られるビーチポイントは「ヨコバマ」と「脇の浜」という2箇所。ここは、多彩な生物に会えるビーチポイントで、最大水深は30m。流れもほとんどなく初心者から上級者、フォト派ダイバーまで幅広く楽しむことができる。また潮が満ちているときにはヨコバマから“富戸ホール”と呼ばれる地形が見どころの場所に行ける。さらに、エキジット後の冷えた体に嬉しい「温泉丸」という船を改造した浴槽も名物となっているので、ぜひダイビング後は体を温めてから帰ろう。

  • ●レベル:初心者〜
  • ●最大水深:30m
  • ●流れ:ほとんどなし
  • ●見どころ:マクロ生物、地形(「ヨコバマ」の富戸ホール)
  • ●代表的な生き物:カエルアンコウ、ウミウシ、ハゼ、カスザメ
脇の浜のエントリー口付近(撮影:坪根雄大)

脇の浜のエントリー口付近(撮影:坪根雄大)

冷えた体を温めてくれる温泉丸

冷えた体を温めてくれる温泉丸

2. 川奈(東伊豆)
川奈は、ビーチが1箇所&ボートが10箇所あり、両方のスポットが充実した人気エリア。だが、ビーチダイビングの「川奈ビーチ」には、なんとウミガメが住み着いており、ダイビングで会える可能性が高いのだ。都心から2〜3時間の場所でウミガメが見られるのは驚き。ビギナーがダイビングをする範囲だと、平均水深は10mで遠浅なので、ゆったりとダイビングを楽しむことができる。冬になるとダンゴウオも登場したり、イサキやタカベの群れが出現したりと見どころ満載だ。また昨年、現地のダイビングサービスの更衣室が、おしゃれに使いやすくリニューアルされたのも嬉しいところ。

  • ●レベル:初心者〜
  • ●最大水深:18m
  • ●流れ:ほとんどなし
  • ●見どころ:ウミガメ、マクロ生物
  • ●代表的な生き物:ウミガメ、カエルアンコウ、アオリイカ、ハゼ、ダンゴウオ
川奈ビーチエントリー口付近(撮影:坪根雄大)

川奈ビーチエントリー口付近(撮影:坪根雄大)

3.伊豆海洋公園(IOP)(東伊豆)
世界に誇れるといっても過言ではない、ダイバーのことを考えられた素晴らしいダイビング施設と、豊かな海が揃っている伊豆海洋公園(通称:IOP)は、初心者からベテランまで楽しめるビーチダイビング専門のスポット。ダイビングのレベルに合わせてさまざまなコース取りができて、どんなダイバーでも幅広く楽しめるのが特長。見られる魚の種類も伊豆半島のビーチダイビングスポットではトップレベルで、ハナタツやカエルアンコウなどのレアなマクロ生物から、大型のクエやコブダイなど多彩な生物に出会える。

  • ●レベル:初心者〜
  • ●最大水深:40m
  • ●流れ:ときどきあり
  • ●見どころ:マクロ生物から大物生物までさまざま、水中ポスト、季節ごとの多彩なイベント
  • ●代表的な生き物:ソフトコーラル、カエルアンコウ、イワシの群れ、キビナゴの群れ、クエ、コブダイ

4.大瀬崎(西伊豆)
ビーチダイビングがメインのスポットで、横に長いビーチには講習を受ける初心者からベテランの上級者までさまざまなダイバーの姿がある。関東のダイバーの間では、“ダイビングの聖地”とも呼ばれ、多くのダイバーが1度はここで潜ったことがあるほどだ。特に「湾内」というポイントは風の影響をあまり受けず、穏やかで安定していて台風が直撃する時以外、クローズすることはめったにない海。砂地が広がっており、そこにある魚礁の周りには魚が多く住み着いている。

  • ●レベル:初心者〜
  • ●最大水深:40m
  • ●流れ:ときどきあり
  • ●見どころ:マクロ生物から大物生物、深海魚などの珍魚
  • ●代表的な生き物:ウミウシ、クマノミ、ハゼ、サクラダイ

ocean+αおすすめの伊豆ボートダイビング4選

1.熱海(東伊豆)
人気の観光地としても知られる熱海は東京駅から新幹線を利用すれば、わずか50分で着いてしまう。ここは、ほぼ100%ボートダイビングだが、乗船時間は5〜10分ほどで船酔いする心配もなし。そこには、巨大な沈船や洞窟などがあり、アドベンチャー気分でダイビングを楽しめるのが特長。生物も多様で、色とりどりに広がるソフトコーラルや、色鮮やかなキンギョハナダイやサクラダイの群れも見どころ。温泉街や観光名所が充実しているので、アフターダイビングも楽しめるのが嬉しい。

  • ●レベル:中級者〜
  • ●最大水深:30m
  • ●流れ:ときどきあり
  • ●見どころ:ダイナミックな地形、ソフトコーラル
  • ●代表的な生き物:キンギョハナダイ、サクラダイ
 (撮影:坪根雄大)

(撮影:坪根雄大)

2.雲見(西伊豆)
西伊豆の南端に位置する雲見は、光のシャワーが降り注ぐ水中洞窟があるなど、日本随一の地形スポットとも言われている。港からボートで2〜3分の「牛着岩」というポイントには、岩と岩の隙間にクレバス、トンネル、アート、穴などが無数にできており、まるで水中迷路のような地形に!洞窟に差し込むブルーの光や、岩陰に住む小魚の群れが非常に美しく、多くの地形派のダイバーを虜にしている。感動すること間違いなし。

  • ●レベル:初心者〜
  • ●最大水深:30m
  • ●流れ:ときどきあり
  • ●見どころ:ダイナミックな地形、マクロ生物
  • ●代表的な生き物:キンメモドキ、スカシテングダイ、ネンブツダイ、ウミウシ
岩の隙間から漏れる光はとても美しい(撮影:コリンズDC・毛利佑氏)

岩の隙間から漏れる光はとても美しい(撮影:コリンズDC・毛利佑氏)

3.田子(西伊豆)
伊豆半島の中腹に位置する田子はボートダイビングがメインのスポット。その中でも「フト根」というポイントは、数多くの水中写真家も通うほど、キンギョハナダイ、イサキ、タカベ、カンパチの大群などが圧巻で、色鮮やかなソフトコーラルやハードコーラルも生息する見どころ満載の海。ボートは器材のセッティング場所や休憩エリアからすぐ近くから出港するので、快適なダイビングができるのも特徴。

  • ●レベル:初心者〜
  • ●最大水深:35m
  • ●流れ:ときどきあり
  • ●見どころ:ダイナミックな地形
  • ●代表的な生き物:キンギョハナダイ、サクラダイ

4.神子元島(南伊豆)
神子元島は下田の南にある弓ヶ浜の沖合約9kmにある小さな無人島。ここはなんといってもハンマーヘッドシャークの大群や回遊魚と高確率で会える場所として世界的にも有名なダイバー憧れの地。大型の生物が見られるのは黒潮のおかげだが、同時に強い流れが発生することもある。非常にポテンシャルの高い、アツい海と言えるが、ダイビングのレベルをしっかり上げてから行きたい場所だ。

  • ●レベル:上級者
  • ●最大水深:30m
  • ●流れ:強い流れが発生する場合もあり
  • ●見どころ:大物生物
  • ●代表的な生き物:ハンマーヘッドシャーク、カンパチ、ワラサ、イサキ、タカベ

伊豆でダイビングをするには都市型ショップのツアーか現地サービスにガイドを依頼して潜ってみよう!

最後に、伊豆でダイビングをする2通りの方法をご紹介。まず1つ目は都市型ショップのツアーを利用する場合、2つ目は現地サービスにガイドを依頼する場合。1つ目の都市型ショップであれば、多くはショップもしくはショップの最寄りの駅等に集合して、集合先からダイビングポイントまでショップの車に乗り合いで向かう。送迎をショップに任せることができるので、手軽に伊豆まで行くことが可能だ。

2つ目の現地サービスにガイドを依頼する場合、そのガイドは特定のポイントを毎日のように潜り込んでいるので、地形やそのポイントにいる生物などに精通している。だからこそリクエストに応じてきめの細かいガイドをしてもらえるというメリットがある。ただし、その利用するサービスもしくは、サービスが位置する最寄り駅までは自分でいく必要があり、よく確認を行なっていくことをおすすめする。

いずれにしても、上記で紹介したスポットを参考にぜひ一度、自分が潜ってみたい!と思うスポットを探してみてほしい。新たな海の世界を体験し、伊豆半島の深い魅力を感じにいこう!

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