慶良間でのダイビングは 「沖縄本島から日帰り派」? or 「慶良間に泊まってのんびり派」?
沖縄の慶良間諸島でダイビングを計画中のあなたへ。世界が恋するといわれる慶良間の海では、透明で美しいサンゴやそれに群がる熱帯魚、ウミガメとの遭遇が待ち受けています。一口に慶良間でダイビングといっても、実は大きく二つのスタイルに分かれます。一つは、沖縄本島のダイビングショップを利用する日帰りスタイルと。そしてもう一つは、慶良間諸島のダイビングショップを利用する慶良間宿泊スタイルです。初めての方でも自分に合わせて選べるよう、それぞれの特徴と魅力を詳しく解説します。
目次
慶良間諸島でのダイビングの魅力
慶良間諸島は、那覇市から西に約40kmの東シナ海に点在する、大小20余りの島からなる島しょ群で、有人島は渡嘉敷島・座間味島・阿嘉島・慶留間島の4島のみ。サンゴに囲まれ、島には天然記念物であるケラマジカがあらゆるところで見られます。自然あふれる、慶良間諸島は海域も含め国立公園にも指定されています。また、真っ白なビーチは美しく、渡嘉敷島の阿波連ビーチは2024年「世界のベストビーチ50」の13位にランクインするほどです。
慶良間のダイビングポイントの特徴
慶良間で主に潜られるのは、有人島4島周辺、黒島・前島周辺、チービシ(ナガンヌ島・クエフ島・神山島周辺)の3エリアです。ダイビングポイントの魅力はその透明度の高さとバリエーションの豊富さにあります。華やかなサンゴやイソバナ、そこに息づく生き物たちがそこかしこでみられ、白砂の広がる海底は癒しの空間となっています。かと思いきやダイナミックな地形や魚影の濃いポイントもあり、ドキドキワクワクなドリフトダイビングも楽しめます。島と島の間のいわゆる「内海」と、「外洋」でもその様相は大きく異なります。春にはコブシメの産卵、夏から秋にかけては活発な幼魚や魚の群れ、冬はザトウクジラなど季節によっても違った生き物が楽しめます。そのため初心者から上級者、マクロ好きから大物好きまで、幅広いダイバーが楽しむことができる素晴らしい海なのです。
慶良間海域で潜る時の二つのスタイル
慶良間の海域を案内する沖縄のダイビングショップには大きく二つの種類があります。それぞれの特徴やどんな人に向いているのか、ご紹介します。
①沖縄本島発のダイビング船で日帰り慶良間ダイビング
沖縄本島発のダイビングは、那覇、宜野湾、北谷などの港から出発します。ダイビングショップ独自で船を出しているところもあれば、複数のショップが乗り合わせていくところもあります。
沖縄本島発慶良間ダイビングのスケジュール
早朝に本島出て、2〜3本ダイビングをして夕方にはまた本島に帰ってきます。お昼はそのまま船の上で取ります。
7時〜9時前後:出港
1時間程度でポイントへ到着
午前中:1~2本ダイビング
お昼前後:船の上でランチタイム
ランチ後:1本ダイビング
15時〜16時前後:帰港
ダイビングが終わったあとは、大抵の場合、船にシャワーも更衣室もあるので、すぐに着替えてあとは港に着くまで船に揺られるだけ。帰ってきてから器材を洗ったりログ付をしたりします。ログ付をせずに港からそのままホテルに送ってくれるショップもあります。
沖縄本島発慶良間ダイビングで潜るポイント
沖縄本島発で日帰り慶良間ダイビングを行う場合、潜るポイントは座間味島や渡嘉敷島、無人島の外洋、黒島や前島周辺、チービシ周辺が中心となります。その日の海況や生物情報をもとにベストなポイントに連れていってくれます。初心者のうちは流れの少ないポイントを潜り、本数を重ねてレベルが上がったらドリフトポイントに挑戦するのも良いでしょう。
沖縄本島発慶良間ダイビングのメリット
沖縄本島に宿泊することで、多彩な飲食店やナイトライフを満喫できる点が大きなメリットとしてあげられます。慶良間周辺を中心に潜る沖縄本島のショップは那覇〜北谷の西海岸南部から中部あたりまでのダイビングショップが多く、その周辺は飲食店はもちろん、国際通りやアメリカンビレッジといった観光地もさまざまあるので陸の観光も存分に楽しめます。
沖縄本島発慶良間ダイビングのデメリット
ダイビング時の船の移動時間が長く、外洋で揺れることも多いため、乗り物酔いをしやすい人は海況によっては辛い思いをすることも。少しでも苦手意識がある方は酔い止めを飲んでおくことをおすすめします。
沖縄本島発慶良間ダイビングはどんな人におすすめか
外洋のポイントが好きな方や、ドリフトダイビングが好きな方には本島発で外洋ポイントを潜るのがおすすめです。また、旅程が短い方にもおすすめです。金曜日仕事が終わってから夜に沖縄に入り、土日に潜って月曜日に帰るというスケジュールも可能です。到着日にダイビングができるショップもあります。
②慶良間に宿泊してダイビング
有人島である座間味島、阿嘉島、渡嘉敷島、慶留間島には、それぞれ現地にダイビングショップがあり、各島の港から島周辺のダイビングポイントを潜ることができます。ポイントまで近いので一本ずつ港に戻ってくるスタイルが基本です。島に宿泊するには、那覇市の泊港から出ているフェリーか高速船を使用し、座間味島、阿嘉島、渡嘉敷島のいづれかに渡ります。慶留間島は阿嘉島と橋で繋がっているので、阿嘉島で下船して渡ります。
慶良間宿泊ダイビングのスケジュール
一本目は朝の9時ごろに出港し、そのあとは一本ずつ港に戻ってきます。ランチは陸に戻って食べるのが一般的。
8時半集合
9時:一本目出港
11時:二本目出港
12時:ランチ、休憩
13時:三本目出港
15時:ショップに戻る
港からショップまでは車ですぐなので、ショップに戻って着替えや器材洗い、ログ付をします。
慶良間宿泊ダイビングで潜るポイント
慶良間ステイの場合は内海のポイントを潜ることができます。沖縄本島発では潜れないポイントです。港から出て10分前後でポイントにつくことができ、浅瀬のポイントでは透明度の高い海に白砂と明るい光、点在するサンゴの根などのんびり癒しを感じられます。
慶良間宿泊ダイビングのメリット
ポイントが港から近く、10分前後で着くため船酔いしづらく、一本ずつ港に戻ってくるので午前中だけ潜って終わり、午後から潜るなど、スケジュールの融通が利きやすいのがメリットです。また、ナイトダイビングでは昼間とは違った慶良間の海が楽しめるでしょう。
陸ではケラマジカがそこかしこで見られ、のんびりしたビーチやサンセット、夜には圧倒的な星空など、島ならではの風景を味わうこともできます。
慶良間宿泊ダイビングのデメリット
那覇から島に渡るフェリーや高速船が欠航になるリスクは避けて通れません。もしそうなってしまった時に、別の場所で潜るのに本島のショップに切り替えるなどバックアッププランを考えておく必要があります。また、宿や食事をする場所も数が限られているので、時期によっては予約しづらいこともあります。
慶良間宿泊ダイビングはどんな人におすすめか
内海のポイントを潜りたい方、ナイトダイビングをしたい方におすすめです。また、旅全体を通してゆったり過ごしたい方にもおすすめです。島に2〜3泊、長ければ一週間程度宿泊する方も多く、島ののんびりした空気を味わいながらゆっくり過ごす方が多い傾向です。
ダイビングショップ選びのポイント
沖縄本島にも慶良間諸島にもたくさんのショップがあります。ショップによって得意とするサービスやダイビングスタイルが異なるので、自分に合ったショップを選ぶことが重要です。
→HPに体験ダイビングやファンダイビング、どちらが中心に開催されているのか見てみましょう。また、HPだけでなくブログやSNSにその日に見たものやポイント情報を掲載しているショップも数多くあります。ドリフトダイビングが得意なのか、水中写真を好む人たちを案内するのが得意なのか、初心者向けのケアが充実しているのか…。自分が求めるダイビングに合うかどうかを判断する材料になるでしょう。ショップやスタッフの紹介ページに得意なことが書いてあることもあるので見てみましょう。
どのポイントに行くのか
→前述したように、慶良間のダイビングポイントはバリエーション豊富です。大抵のポイントはほとんどのショップが案内できますが、得意なポイントやよくいくポイントはブログやSNSによく上がっているはずなので、行きたいポイントやリクエストがある場合は、それと合致するか見ておきましょう。事前に問い合わせるのも良いでしょう。
船やショップの設備
→シャワーやトイレ、更衣室、器材洗い場など、快適に過ごせるか見てみましょう。また、事前に確認しておくことで足りないものを自分で用意しておくこともできます。
安全管理
→AED、純酸素、無線設備、スタッフへのレスキュー講習など、何かあったときの対策が取られているかは一つの選ぶ基準になります。また、事前の健康チェックシートの提出はほとんどのショップで求められるので、持病や既往歴がある、健康上の不安がある方は参加できるのかの確認をショップに直接しておくと安心です。
環境配慮
→海で遊ぶのであれば、なるべく綺麗な海をこの先も維持していきたいと考える方は、ショップが環境に配慮しているかどうかも一つの基準にすると良いでしょう。餌付けはしていないか、生き物を触ったり捕まえたりしていないか。ビーチクリーンなどの活動を行っているか。HPやSNSで見てみましょう。
ここに挙げたのは一例ですが、選ぶ基準の手助けになれば幸いです。
懐の深い慶良間のダイビングを満喫しよう
多種多様なバリエーションで楽しませてくれる慶良間の海。その懐の深さが何度も通ってしまう理由なのかもしれません。沖縄本島発、慶良間宿泊、どちらもそれぞれの魅力や潜れるポイントの違いがあるので、旅程やその時にしたいダイビングスタイルに合わせて選んで、より慶良間の海を満喫していただけたら幸いです。
取材協力:マリンハウスシーサー