ダイバーの過半数近くがアクティブに水中おしっこをする事実

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奇しくも、オリンピックで水泳王者のフェルプス選手が「プールの中でおしっこをする」発言をして大きな話題になりましたが、ダイバーは水中でおしっこしているのでしょうか?

先日行なったアンケート結果によれば、7割以上のダイバーが水中でしたことがあり、半数弱のダイバーがアクティブ(?)だと判明。
ということで、「自分だけじゃないのかな……」という心配に対して言えることは、結構、みんなしています! (笑)

どれくらいの頻度で水中でおしっこをしますか?

  • その他 (0%, 1 Votes)
  • 昔はよくしていたが、今は(あまり)しない (7%, 18 Votes)
  • 1度もない (28%, 77 Votes)
  • 1度だけある (4%, 12 Votes)
  • 何度かしたことがある (13%, 36 Votes)
  • たまにする (16%, 45 Votes)
  • しょっちゅうする (15%, 41 Votes)
  • 毎回もしくは、ほぼ毎回する (16%, 43 Votes)

Total Voters: 273

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ただ、1度も経験のない人が28%、僕のように「昔はよくしていたが、今はしない」という人も7%いて、現在しない派も35%程度となかなかの勢力のようです。
「抵抗感がある」「うまくできない」という理由が多いようですが、昔はしていた派の方は、「臭いが気になる」という理由が多いようです。
つまり、以下の3つがする・しないの境界線を分けるポイントになるのではないでしょうか。

■臭いの問題
■気持ちの問題
■技術の問題

1.臭いの問題

オーシャナ編集部では、自分やいぬたく君が、臭いが気になる派です。
水中ですることに対して抵抗感はまったくないので以前はよくしていましたが、ガイドさんが「レンタルにされるとどうしても臭いがついちゃんだよね~」と言っているのを聞いたり、女性がウエットを脱いだ瞬間プ~ンと臭ったり、移動の車の中にアンモニア臭がこもっていたなどの経験が積み重なり、最終的には、自分がおしっこをした後に、ブーツを洗うのを忘れて(最も臭いのつきやすい盲点)、翌日とんでもない悪臭を放ち、新品にもかかわらず捨てることになったことが決定打となって、水中でおしっこするのをやめました。

女性がプ~ンとなってもまったく嫌ではないのですが(むしろ……)、自分が発するのは嫌、もしくはウエットスーツに臭いが付くのが嫌だと思って水中ではしません。

ある程度は我慢して、エグジット後に船のトイレでするようにしていますが、なければ船上から立ちション、女性がいれば、ラダーにつかまってというパターンです。

2.気持ちの問題

一部変態を除き、陸上では服を着たままおしっこをすることはありません。
ですから、“着たままおしっこ”に対して、抵抗感を覚える人もいるでしょう。

また、おしっこまみれになることや周囲に人がいる環境でおしっこをすることに抵抗感があってなかなかできないという人もいます。
特にダイビングを始めたばかりの人に多いようです。

これが逆のベクトルに振れると、トイレじゃないのに、しかも何も脱がずに垂れ流すという行為に、無限の背徳と恍惚の世界を見出す人もいるようです。
好きな人の顔を見ながらおしっこをするという、変態の域に達する人もいますが、陸上でやれば逮捕確実なことも水中なら誰にも咎められることはありません。

おしっこが出るメカニズムの中で重要な役割を果たす括約筋は、自分の意思により収縮できる筋肉です。
この筋肉が発達していない子供や弱ってきてしまったお年寄りは失禁しやすいのですが、普通の大人なら「おしっこはトイレでするものだから、トイレ以外では括約筋をキュッとしなくちゃ」、「おしっこはパンツを脱いでしなくてはいけない。だからパンツをはいているときは、括約筋をキュッとしなくちゃ」といった倫理感に基づき、この括約筋を自分でコントロールしています。

しかし、変態的な立場(?)に立てば、水中はそんな常識を覆し、トイレではないのに、しかも何も脱がずにおしっこを垂れ流すことのできる、唯一無二の貴重な世界なのかもしれません。
僕は何を言っているのでしょうか。

3.技術の問題

「してみたいけど、できない」
そんな声も少なくありません。

括約筋は緊張したり、運動しているときはキュッと締まってしまいます。
なので、もし、してみたいのであれば、まずは泳ぎながらではなく、着底して体の力をだる~んと抜いてからチャンレンジするとしやすいかもしれません。
ただ、一番の問題はやはり気持ちを解放すること。
よく「バレるのでは?」という方がいますが、絶対にバレませんので安心して気持ちを解放してみましょう。

ダイビングとおしっこ

3つのポイントで考えれば、結局、水中でのおしっこは個人の好き好きということになりますが、ダイビングで最も考慮すべき「体の問題=安全の問題」はどうでしょう?

まず、「体が温まる」という方がいますが、これは間違った考え方で、放尿はむしろ体温を奪います。
とはいうものの、ダイビングの最後、体が冷え切った時の放尿は起死回生というのも事実。
ウエットスーツ内で実質5分、余韻10分ほど温かいので、タイミング次第ではありかもしれません。
いずれにせよ、「体を温めるため」というためというのは賛否あって、第一義的な目的にはならないでしょう。

一番の問題は、「我慢し過ぎる」ことによる弊害でしょうか。

ダイビングに集中できないほど辛かったり、特に女性の場合は膀胱炎のリスクもあるので、我慢し過ぎるくらいなら水中でしてしまった方がいいのかもしれません。

つまり、水中でおしっこすることによって、極端に安全が脅かされることはなく、だからこそ7割のダイバーがしたことがあるのでしょう。

ちなみに、本サイトの越智カメラマンは臭いが気になるけど、我慢できなくてたまにしちゃう派です(笑)
越智カメラマンの場合、2時間海にいることがあるので仕方ないのですが、臭いはやはり気になるので、水中でウエットスーツの首元から水をガバガバ入れておしっこを押し出したり、下半身を上にした状態でオクトパスを首元に入れて、エアでおしっこを押しだすなどして対処しているそうです。
臭いは気になるけど、仕方なくしてしまったダイバーにはオススメの方法かもしれません。

以上のように、水中おしっこに明確な指針はありませんが、臭いが気になる人がいるという事実があり、抵抗感はその人次第で、我慢し過ぎるくらいならしてしまえばいい、というのが最大公約数的に言えることでしょうか。

【おまけ】
よく「おしっこがしたくならないようにダイビング前の水分を控える」という人がいますが、これは減圧症予防の観点からも間違っているので、ダイビング前はしっかり水分補給しましょうね。

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writer
PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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