“ドライスーツ=大変”でなくなるために…。 ~自分なりのルーティンを確立しよう~
自分なりのルーティンを確立しよう!
この時期は、ドライスーツに関する質問やお悩みを多くいただきます。
細かくいろいろあるのですが、皆さんの意見を大雑把にまとめると、「ドライスーツって超大変」(笑)。
ドライスーツが快適と思えるか重労働と思うのかによって、ダイビングは天国と地獄。
毎日潜っているガイドさんにとってはちょいと散歩に行くかってなものですが、久しぶりに慣れないドライスーツで潜るダイバーにとっては、なかなかの重労働に感じるのかもしれません。
準備で疲れ果て、エグジットした瞬間にすべてが億劫になっていて、2本目は修行のつもりでトボトボ海へ……というのは、ビギナー時の自分の姿。
正直、「なんで金払ってこんな辛いことしているんだろ……」と思っていました(笑)。
では、どうやれば楽に潜れるのか、疲れないのかということになるのですが、劇的に楽になる方法はないのですが、自分なりに、最も労力を使わないルーティンを確立することが大事。
少なくとも、陸上や船上での動きは、どういう行動が一番楽なのか、準備からエントリーまで一度シミュレーションしてみるだけでもずいぶんと楽になるものです。
それなりに経験を積んでいる部類の僕でも、何も考えずに慌てて準備して潜ろうとすると、潜る前にヘトヘトになってしまうので、特にウエットからドライに切り替えた時の1本目は、行動の確認に費やします。
ということで、実際の僕のルーティンをもとに、主に潜るまでの準備にスポットを当てて、ポイントを見ていきましょう。
ゆっくりと無駄のない準備
まず、大前提として、とにかくゆっくりと準備すること。
自分の場合、凄まじく体が硬いこともあり、ちょっとした予想外の動きでもあっという間に疲れ果ててしまいます。
例えば、ストラップを緩めておくのを忘れてしまったとします。
ウエットであればただストラップを引っ張ればいいのですが、ドライを着ていると、それすらも辛い作業なのです(泣)。
なので、ポイントに到着する時間を逆算し、だいぶ前から徐々にゆっくり準備を始めるようにしています。
当たり前ですが、かなり大事なことだと思います。
では、自分のルーティンを、順を追ってご紹介します。
まず、腰までドライを着た状態でセッティング開始。
フィンのストラップを緩め、マスクの曇り止めをし、アンクルウエイトを付けます。
ドライを着た状態での準備だと、特に体の硬い自分の場合、アンクルウエイトを付けるのもひと苦労。
ましてや器材を背負ってからアンクルを付けたりいろいろと作業をするのはストレス。
準備は動きやすい格好で行ない、“あとは背負って潜るだけの状態”にしてからスーツを着るというわけです。
そして、スーツを完全に着てファスナーを閉めたら、左手だけグローブをしてダイコンを付けます。
右手だけ素手なのは、フードをかぶったり、マスクをつけたり、最後の細かい作業が素手の方がやりやすいから。
逆に左手だけグローブを付けておくのは、最後にグローブをつけようとすると、意外と面倒くさく、ダイコンもつけづらくて準備が遅れるから。
素手のメリットとグローブを先につけるメリットの折衷案として、片手だけグローブという自分なりのルーティンが生まれました。
ゆっくりと器材を装着したいので、スポットに到着するちょっと前にウエイトとフードを装着。
ポイントに到着したら、ドライに中圧ホースをつけます。
器材を背負ってから中圧ホースを付ける人もいますが、自分の場合、窮屈で付けづらく感じるので、背負う前に付けてしまいます。
そして、背負うときは段差を使いますが、目ぼしい段差がなければ船のヘリに器材を乗せて背負います。
中には、船のヘリに乗せるとバランスが悪いので持ち上げてしまう人もいますが、自分の場合は、着づらい上に持ち上げるのは辛く感じるのでとにかく楽をしたい。
バランスより持ち上げることを避けたいので、タンクの底がヘリについた状態で背中に倒れ込ませるようにして装着しています。
器材を背負ったら、フィンをはき、ストラップをしめ、マスクをかぶって、フードにスカートがかからないことを確認したら、右手にグローブをはめ、いざエントリー、となります。
※
エグジット後は、基本的にはエントリー時の逆ですが、ひとつだけ違うことが。
ちょっとしたことですが、まずウエイトを外してから器材をおろすと楽だと思います。
意外と知られていませんが、ウエットでもそちらの方が楽だと個人的には思うので、試してみてください。
ルーティンも状況によって順番や方法も異なりますが、このように、自分だけのルーティンを確立し、まったりと準備することができれば、ドライスーツでのダイビングはとっても快適になるはずです。
ウエットの季節でもドライスーツを選択するイントラさんがいるくらいですからね。