「宮古島フォトコンテスト2021」入賞作品発表!審査員・鍵井氏と受賞者のコメントも
毎年恒例となっている「宮古島フォトコンテスト」。6月1日〜9月30日の応募期間を経て、10月23日に2021年の受賞作が発表された。「ビギナー部門」「未来に残したい宮古島の海部門」「一般部門」に加え今年から開設された「Instagram部門」の合計4つの部門で受賞者が発表された。応募作品総数739枚の中から、グランプリは誰の手に…!? 審査員・鍵井靖章氏の寸評と受賞者の方々からいただいたコメントも併せて、さっそくご紹介。
ビギナー部門
水中撮影を初めて3年未満の方が応募できる部門。ワイド・マクロは問わず、思い出に残った宮古島の海の作品が対象となっている。ビギナー部門は優秀賞1名のみ選出。
最優秀賞・「小さな先輩ダイバー」 伊藤一輝氏
鍵井氏
よく見ないと気づかない良さのようなものがあります。一つ目のポイントは左側のサンゴ。二つ目のポイントは真上の太陽光にかかるフィン。フィンが中央に映ることでアンバランスに見えますが、今の私には撮れないビギナーならではの作品だと思います。
伊藤氏
入賞し、とても嬉しく思います。宮古島でのダイビング、観光はとても楽しく何度も来たいと思うような素敵な場所でした。また、宮古島へ行き、素敵な写真を撮ることができればと思います。
未来に残したい宮古島の海部門
宮古島の海で撮影された写真であれば応募可能。撮影技術よりも、楽しさや感動などが伝わる作品が選ばれる。同率で2名のグランプリが選出された。
最優秀賞・「Great Miyako Reef」 濵田滉之氏
鍵井氏
撮ろうと思って撮ったというよりは、何気ない景色をただ心ゆくままにシャッターを切ったような感じがします。「ノスタルジック」そんな言葉がぴったり。さらに、この1枚を選んでこの部門へ応募されたことに、「未来に残したい」というメッセージを強く感じました。
濵田氏
このたびは思いもよらない名誉ある、未来に残したい宮古島の海部門賞にお選びくださりありがとうございます!これもひとえに佐瀬さん、幸子さんの楽しいガイド、そして、幸子食堂の美味しいご飯の賜物です!誠に感謝いたしております。はじめて宮古島でダイビングをして、写真のような景色を目にして、宮古島の海そして珊瑚の綺麗さに圧倒されたことを未だに鮮明に覚えています。魔王の宮殿や八重干瀬など、さまざまな魅力的なポイントがある宮古島に是非ともコロナ禍が落ち着いたら再びダイビングに訪れたと考えています!水中写真に関してまだまだ初心者なので、慢心することなく、さらなる進歩に向けて精進していこうと思います。
最優秀賞・「夢」 伊藤一輝氏
鍵井氏
砂地の凹凸が素晴らしく、単純に美しいと思いました。当たり前の景色だが、撮影者の視点次第でこのような綺麗な写真を撮れるのは、少しやきもち。
伊藤氏
ビギナー部門 グランプリのコメントと同様
一般部門
ワイド・マクロ問わず宮古島の水中写真を募集。一般部門ではグランプリ1名、準グランプリ1名、優秀賞11名が審査員によって選出された。優秀賞から発表していこう。
優秀賞・「幽」 秋吉千秋氏
鍵井氏
この作品を見たとき、ドキッとしました。水中写真よりも表現が豊富な陸上写真の魅力を兼ね備えているように思います。もっと海中で、みんなが自由になれば、このような作品がより評価されるのではないでしょうか。モニターの明暗によって、この作品の魅力が不明瞭になると思うけど、本当に素晴らしい抒情詩のようでした。
秋吉氏
Cカードを取得した2008年に初めて潜った宮古島の海にすっかり魅了され、以後毎年美しい宮古島の海を堪能しています。2017年からお世話になっている「Fish a go go! 」には、その日のベストポイントをガイドしていただいているので何年通っても飽きることがありません。水中撮影についても器材や撮り方など沢山アドバイスをいただけるのですが、当方美的センスの欠如が致命的で中々満足のいく画像が撮れません…。この画像は未だ他のゲストが訪れていない秋の朝一のパワースポット!淡い光が只々幽玄で、神秘的な水中風景でした!
優秀賞・「キラキラの新しい命たち」 小畑菜月氏
鍵井氏
サンゴの隙間で卵を守るサンゴダルマハゼ。その生態をしっかりと捉えつつ、前ボケのサンゴの青いデザインがキュートで印象的です。光の妙を味方につけた作品だと思います。
小畑氏
初めてのフォトコンで賞をいただき、とても光栄です。勧めてくださった佐瀬さんご夫婦に感謝です!なかなか顔すら出してくれないパンダダルマハゼで、台風直後のウネリもありましたが、佐瀬さんが撮影時間をたっぷりくださり、なんとか可愛い育卵中の様子を収めることができました。
優秀賞・「ミドリくんの大冒険」 藤山幸広氏
鍵井氏
青抜きの背景とウミウシの前にある生え物のバランスがよく、画面構成にリズムを感じます。小さな世界でも、しっかりと宮古島の海の魅力を伝えてくれる作品です。
藤山氏
この度は、このような賞をいただきありがとうございます。宮古島の海の小さな生物と、クローズアップレンズで拡大しないと分からないようなかわいい生え物とのコラボによって、切り抜いた世界が、とても冒険心を掻き立てる世界になりました。宮古島の海を案内していただいた、エミナマリンの松浦さま、スタッフの皆さまありがとうございました。
優秀賞・「鏡」 門屋政治氏
鍵井氏
摩訶不思議な世界観が素敵です。ティムバートン監督の描く世界のようだな、と最初から目に止まりました。既存の水中写真のイメージだけではなく、こんな作品も大好きです。
門屋氏
受賞するとは思わなかったのでビックリ!です。これからもいい写真を撮り続けようと思います。ありがとうございました。
優秀賞・「カジキ待って〜」 梶本伸治氏
鍵井氏
見事に一瞬を捉えた作品。ダイバーのポーズも良い縦位置でカジキであることをちゃんと提示できています。短い時間での状況判断も優れていると思います。そして宮古島の海の意外性も教えてくれていますね。
梶本氏
今回、宮古島でまさかのカジキに遭遇。カジキとダイバーと太陽のいい写真が偶然にも撮影できました ガイドしていただいた「Fish a go go! 」のサチコさんありがとうございました!
優秀賞・「SWANの玉座」 藤田貴美子氏
鍵井氏
まるで人工的な曲線を描く何か?その何かが海藻の仲間で、光を当てるとこんな青色や黄色が浮かび上がります。海のデザインは知らないことばかり…。構図と光の配分が絶妙で素晴らしいです。
藤田氏
栄えある賞をいただき、ありがとうございます。この写真を撮った時は、水中にとても静かで美しい一角があって、そこにこれまで見た中で最も綺麗な海藻がありました。不思議な色合いで、青みがかっていました。そこにいるウミコチョウは、凛として、じっと静かで動かず、まるでSWANの玉座のようだと思いました。
優秀賞・「ヒカリのシルエット」 甲田圭氏
鍵井氏
水中ライトやカメラが高機能になることで、これまでの水中写真にはない魅力を持つ作品。何か人と違った視点で、勝負したいと応募してもらった作品だと思います。
甲田氏
昨年に続き優秀賞をいただきありがとうございました。暗い地形に真っ暗な黒に光源が入ることで、見えないものに色が入り不思議な空間が楽しめます。ダイバーはシルエットで個性を表現できたり、まるで私には夜の星を撮影している気分です。
優秀賞・「生まれ変わりの池の主」 室谷香菜氏
鍵井氏
昨年、この作品のポイント「ミニ通り池」を潜ったときに、壁の美しさが印象的でした。その壁で撮影された1枚ですね。撮影者の室谷さんもきっと違いのわかるフォト派ダイバーだと思いますww。全体的な優しい雰囲気が素敵です。
室谷氏
この度は、素晴らしい賞をありがとうございます。選んでいただけて、とっても嬉しいです!昨年1日だけ潜りに行けた日に収めることができた1枚です。名前の通り、生まれ変われるんじゃないかと思えるほどの綺麗なこの場所で、色鮮やかな主に出会いました。まるで「こっちだよ!」と導いてくれているようなその後姿を夢中で追いかけていました。いつも素敵な場所に連れて行ってくれる 「Fish a go go!」の佐瀬さんに感謝です。
優秀賞・「宝石守り」 赤坂純世氏
鍵井氏
生態をきっちりと捉えています。海の生き物たちの生命の煌めきを教えてくれるような印象。部分的に当たる卵の光が、ひっそりと大切に守る親の優しさにも似ていると思います。
赤坂氏
ありがとうございます!骨董品のカメラですが、古いカメラも知り尽くした「アクアストーリー」のお陰です。30年近く通った宮古の海、来年こそは再会出来るといいな。
優秀賞・「Breathing」 hana氏
鍵井氏
ダイバーの泡などを利用した水中写真は一般的になってきていますが、それを理解していても、心に問う写真であることは変わりません。画面全体から心地良さが届く作品だと思います。
hana氏
:本当嬉しいです。このフォトコンテストに関わるすべての人に感謝します。これもすべては師匠である「ダイブキッズ」の卓見くんのおかげです。
優秀賞・「ねえ、お父さん」 大場健一郎氏
鍵井氏
どんな風に考えれば良いのか(笑)? 自然の状態で撮影された2匹であることを願いながら、と書きつつも、こんな風に絵作りすることが圧倒的にバツなのか?いろんな思いを込めて選ばせてもらった1枚です。
大場氏
宮古島の地形に魅せられてから15年。気づいたら「アクアスター」でマクロ専門で潜っています。今回は大好きなウミウシで受賞でき、とても光栄です。ありがとうございます。いつも一緒に潜ってウミウシを探してくれるみんなとガイドさんに感謝です。
準グランプリ・「煌き」 久保山智子氏
鍵井氏
この絵の中には2つの時間と物語があるように思えます。海の中が無重力の自由な空間であることも教えてくれているような。そして、見事なストロボワーク。少しバランスを崩したような構図が不安感を与えてくれています。それがまた素敵。
久保山氏
この度は準グランプリに選んでいただきありがとうございます。「ミニ通り池」は何度か潜ったことがあるのですが、池の手前までキンメモドキが群れていたのは初めてで、群れの形が空へと続く天の川のように見え、夢中で撮影しました。今回で5年連続の入賞となり、いつも利用している「fish a go go! 」の佐瀬さんご夫婦には大変感謝しています。
グランプリ・「それあたしの獲物やで!」 天野利哉氏
鍵井氏
「物語を感じたい」、と常に求めているからこそ、このような絵作りになるのでしょうか?それはわかりませんが、コロナで閉塞的になりそうな空気感の中、このように思いっきりの遊び心で、海中景色を表現してくださり逆に勇気をもらいました!おそらくこれまでにはない作風で、その心意気を感じてグランプリに選ばせていただきました!表現は自由なんです!海を楽しむという、忘れかけていた遊び心を思い起こさせてくださり、ありがとうございました!そして、おめでとうございます!
天野氏
歴史ある宮古島フォトコンテストのグランプリをいただき光栄です。本当にありがとうございます。なによりこのコロナ禍の中、このコンテストを継続するために尽力いただける参加ショップオーナー様スタッフ様や後援、協賛していただける企業様、宮古島フォトコンテスト運営チームの皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。去年から審査をしていただいている、水中写真家・鍵井靖章さんの目にこの写真が止まりとても嬉しいです。この写真は被写体のガイドさんの送別ダイビングに訪れた際に撮影したもので、全力でふざけてもらえたところ、更にお魚さんにも助けてもらうことができました。遊び心ってとても大事だなと痛感します(笑)。これからも大好きな宮古島のダイビングと水中写真の世界が盛り上がるよう貢献したいと思います。最後にいつも全力でサポートしてくれる「アクアストーリー」のオーナー・クニさんとスタッフの皆様、本当にありがとうございました。
Instagram部門
今年から始まった、宮古島で撮影された写真をInstagram上で応募したものが対象の新部門だ。こちらは宮古島フォトコンテスト公式サイトで結果を公開中。一般応募部門とまた違ったInstagramらしい作品をぜひご覧いただきたい。
宮古島フォトコンテスト公式サイト
鍵井氏より総評
「一般部門」は、これまでの宮古島フォトコンテストでも王道と言われる作品を選びましたが、特にグランプリの作品はユーモアがあり、コロナの閉塞感を打破したいという意味でも私の心に響きました。「Instagram部門」で選んだのは、時代にマッチングした“今”ならではの作品。スキューバダイビングでは撮影できないようなシュノーケリングの視点の作品も多かったので多角的な視点の中で審査したつもりです。
全体的には、例年に比べると作品の応募総数は少なかったですが、今のこのコロナの時代を反映したような想いのこもった作品も多かったように思います。また、主催者側が新たに「Instagram部門」も開設し、常に新しい試みをする姿勢にも感心しました。コロナの影響で宮古島に来島するダイバーも少ない中、本コンテストを続けていること自体が非常に素晴らしいと思います。
受賞作品展示情報
宮古島市役所(予定)
沖縄県宮古島市平良字西里186番地
宮古空港(予定)
沖縄県宮古島市平良字下里1657番地128
フォトコン参加ショップ一覧
アイランドエキスパート
アクアスター
アクアストーリー
エミナマリン
宮古島サマーパーティー
DIVE KIDS
タイムマリン宮古島
Fish a go go!
ブルーフォレスト宮古島
マリンズプロ宮古
山本太司潜水案内