マナティを愛し、撮り続けた馬場裕さんの写真集が完成!写真展も5/12~開催!!

この記事は約3分で読めます。

アメリカのフロリダ・クリスタルリバーは、野生のマナティと泳げる世界的にも珍しい場所。ここで出会ったマナティに魅せられ、写真を撮り続けてきたのが故・馬場 裕(ばば ひろし)さん(以下、馬場さん)だ。1995年1月からお亡くなりになるまでの20年以上、毎年フロリダマナティを撮影し、生前の馬場さんはマナティの写真集の構想を考えていたという。この遺志を継いで、奥様の紀子さんが写真集を完成させ、今年4月に『マナティとぼく』が発売された。そして写真展が5月の名古屋を皮切りに、大阪、東京で開催される。

写真:馬場裕

写真:馬場裕

危機に瀕しているマナティのことをもっと知ってほしい

大きなものでは体長3ⅿ以上にもなるマナティ。体は大きいが性格は穏やかで、彼らの主食は海草や水生植物だ。通常海で暮らしているが、寒がりなマナティは毎年11月~3月頃の冬の間、温かい水が湧き出るクリスタルリバーなどに集まってくる。マナティは人間に対しての警戒心が薄く、クリスタルリバーではマナティとシュノーケリングで泳ぐ「マナティスイム」が楽しめる。馬場さんご夫妻はこの地を何度も訪れ、マナティを撮影してきた。

「夫はマナティの写真集を出したいと、生前考えていました。他界した後、何とか形にしたいと思っていましたが、コロナ禍ということもありなかなか進まず、やっとこの4月に写真集が完成しました。多くの方のご協力で出来上がり、本当に感謝しています。そして写真展も5月の名古屋、6月の大阪、そして9月には東京でも開催できることになりました」と紀子さん。

写真:馬場裕

写真:馬場裕

このタイミングで、マナティの写真集を出版し、写真展を開催できることには大きな意味があると紀子さんは言う。

「最近、寒い時期にマナティが集まりすぎてしまい、彼らのエサとなる水草などが不足して、餓死するマナティが増えてきているという痛ましい話を聞きます。そして、現地では規制が厳しくなり、マナティと泳げる場所が制限されてきています。長い年月をかけて人間と仲良くなった彼らは、人間と遊びたいと思っていることでしょう。しかし、このような状況下においてもなお、死亡原因はボートとの接触事故死が上位を占めています。こうした現状を多くの方に知っていただくためにも、写真集や写真展には意味があるのではないかと思っています」。

写真展は2023年5月12日(金)~18日(木)に富士フイルムフォトサロン名古屋にて、6月2日(金)~8日(木)には富士フイルムフォトサロン大阪で開催される。また9月19日(火)~9月24日(日)には、東京・青山のNine Galleryでの開催が予定されている。

ぜひ多くの方にマナティの魅力を知り、彼らの置かれた状況を知るためにも、写真集を手に取り、写真展に足を運んでいただきたい。

馬場 裕写真展「マナティ、だいすき!」 MANATEES IN CRYSTAL RIVER


【名古屋会場】
■開催期間:2023年5月12日(金)~18日(木)
■開館時間:10:00~18:00 (最終日14:00まで)
■会場:富士フイルムフォトサロン名古屋(スペース1.スペース2)
愛知県名古屋市中区栄1-12-17 富士フイルム名古屋ビル1階
(名古屋市営地下鉄東山線・鶴舞線「伏見駅」6番出口から徒歩約5分)
■入場料:無料

【大阪会場】
■開催期間:2023年6月2日(金)~8日(木)
■開館時間:10:00~19:00(最終日14:00まで)
■会場:富士フイルムフォトサロン大阪(スペース2)
大阪市中央区本町2-5-7 メットライフ本町スクエア (旧 大阪丸紅ビル) 1F
(地下鉄御堂筋線「本町」駅下車 3番出口より徒歩約5分/地下鉄堺筋線「堺筋本町」駅下車 17番出口より徒歩約3分)
■入場料:無料

【東京会場】
■開催期間:2023年9月19日(火)~24日(日)(予定)
■開館時間:10:00~19:00
■会場:Nine Gallery
東京都港区北青山 2-10-22 谷・荒井ビル1F
■入場料:無料
※今後の写真展情報はこちらでご確認ください

馬場 裕写真集『マナティとぼく』Life with Manatees

フォトグラファー馬場裕氏が「Life Work」と位置付け、1995年1月から2014年12月まで毎年クリスタルリバーに通い、マナティの写真を撮り続けた写真集「マナティとぼく」。
写真に加え、彼なりのマナティ保護の姿勢などが収められており、決して上から目線ではなく、同じ生き物として対等な立ち位置で相手を思いやるという保護。そう感じてくれる人が少しでも増えればと考えた、未来への希望の一冊となっております。(版元情報より)

著者:馬場裕
出版社:青菁社(せいせいしゃ)
判型・ページ数:縦195×横220㎜ ソフトカバー 96ページ
定価:2,400円+税
▶︎お求めはこちらから

馬場 裕 Hiroshi Baba
1955年大阪府生まれ。法政大学卒業と同時に日本写真学園に入学。卒業後、1980年広告関係の会社に入社。以来20年以上、社内カメラマンとして広告写真を中心に撮影。2001年からフリーのコマーシャルフォトグラファーとして活躍。1989年から水中写真を始め、1994年にメキシコでアシカを撮影したのをきっかけに水棲哺乳類に魅せられ、1995年1月から2014年12月まで毎冬、亡くなるまでフロリダマナティを撮影し続けた。「動ける限りマナティを」のマナティ好き。
\メルマガ会員募集中/

週に2回、今読んで欲しいオーシャナの記事をピックアップしてお届けします♪
メールアドレスを入力して簡単登録はこちらから↓↓

writer
PROFILE
大学時代に慶良間諸島でキャンプを行い、沖縄の海に魅せられる。卒業後、(株)水中造形センター入社。『マリンダイビング』、『海と島の旅』、『マリンフォト』編集部所属。モルディブ、タヒチ、セイシェル、ニューカレドニア、メキシコ、タイ、インドネシア、フィリピン、マレーシア、オーストラリアなどの海と島を取材。独立後はフリーランスの編集者・ライターとして、幅広いジャンルで活動を続けている。
  • facebook
  • Instagram
FOLLOW