水中カメラマンの貴重な撮影データも公開! 中村卓哉・写真展「創世の海」が全国開催
2015年9月1日の東京と大阪を皮切りに、その後、名古屋、福岡と開催予定の中村卓哉写真展「創世の海」。
写真の舞台は、今年度ダイビング大使も努めているパプアニューギニアのキンベです。
東京は新宿のニコンプラザで開催されていますが、ギャラリースペースではないため、ご本人の在廊予定はないとのこと。
ですが、「せっかくオーシャナで取り上げてもらえるなら、自分の思いを伝えたい」とわざわざお越しくださり、キンベについて、写真について、パプアについて思うことを語ってくれました。
*
―――今回の写真展は、全国各地のニコンプラザで開催されるそうですね。
実は今回、最新機種D810を使用した写真を展示して欲しいと依頼を受け、この写真展のためにこれらの写真を撮りました。
今までの愛機がD800だったのですが、この一つ新しいタイプのD810も、前機種同様に超高解像度が魅力のカメラです。
この魅力を表現するには、どうしたらいいか、どうしたら伝わりやすいかを1番に考えて、それを念頭に写真撮影を行いました。
各地で展示されて嬉しく思います。
―――写真展のタイトルは「創世の海」ですが、なぜこのタイトルを付けたのですか?
「創世の海」というタイトルも、実は写真を撮る前から決めていました。
それを切り取れる海として、今回はパプアの中でも、キンベを選びました。
キンベ湾は、500種類以上のサンゴが生息する、世界屈指のサンゴの楽園なんです。
―――写真を拝見すると、サンゴ以外にも、ヤギやホヤなどが多いですね。
はい、今回はあえて魚がたくさん写っている写真は選択しませんでした。
特にキンベには、多種多様なサンゴ以外にも、巨大なウミウチワの群生や、カイメン、ホヤ、ムチヤギなどが足の踏み場もないほど密集しています。
こうした底生生物達がひしめき合う鬱蒼とした海中の光景は、まるで海中のジャングルのようであり、まさに創世記の海を彷彿とさせる感じがしました。
―――それで、「創世の海」と名付けたのですね。地球最後の秘境の海、なんて言われるパプアにぴったり。
旧約聖書の創世記のはじまり“天地創造”を彷彿させるというか、海が誕生したままの姿が残っている印象なんです。
それと、このカメラD810の性能を最大限生かすには、魚などではなく、底生生物を撮影するのがベストに伝わると思いました。
―――底生生物の撮影が、D810の性能を活かすとは、どういうことでしょうか?
写真を見てもらうとわかると思うのですが、小さなヤギの中心部分、こんな小さなところまでがはっきりと写っています。
かなり解像度が上がって、鮮明に映し出せるカメラである証拠です。
なので、パープルビューティーのような群れの写真ではなく、ホヤやウミウチワなど底生生物の写真を選択しました。
―――卓哉さん、なんだかこの写真展、シャッタースピードとかISO感度とか、設定を全部開示していて、出血大サービスのように感じるのですが?
はい、普段は隠すんですけどね(笑)
でも今回は、カメラの性能の素晴らしさもわかってもらうために、このようにすべて開示しています。
ニコンプラザで開催しない限りは、個人的に教えることはあっても、写真展での開示はないですね。
これで仕事していますから(笑)
なので、今回は大きなカメラを抱えた人が、設定のところを必至に見ている姿をよく見ますよ。
―――そりゃそうです。私ですら、さっきからかなり気になっていますから(笑)
もちろん、D810の魅力が最大限発揮できると思う設定で撮っていますので、参考にしてもらって、自分で写真を楽しんでほしいと思っています。
―――そして、写真を見ていると、これ、硬い生物なんだろうなとか、ごつごつしているなとか、本当に生物が目の前にあるように感じられる作品が今回は多いですね。
そうなんです! 今回特に意識して見てもらいたいのは、「写真の質感」「空気感」「肌触り」といったものです。
そういう狙いもあって、これらの作品を選んでいます。
―――なるほど。これからどんなパプアニューギニアを撮っていきたいと思っていますか?
パプアニューギニアのウリである、「原始的な風景」を撮っていきたいですし、訪れる人にも、生き物はもちろんですが、ありのままの姿であるパプアの地形を見てもらいたいと思っています。
地形というのは、洞窟とかではなく、鬱蒼と生い茂るヤギとウミウチワが絡まっている姿とか、そういう、“ありのままの海の姿”という意味です。
―――最後に、ニコンD810の性能や撮影のポイントを教えてください。
D810の3635万画素という超高解像度という特性を活かすべく、被写体の細かなディテールや質感を浮かび上がらせるようストロボでのライティングにもこだわりました。
前機種のD800から比べ、ホワイトバランスの色合いも大幅に修正され、よりナチュラルな海の色合いを再現できるようになっています。
会場ではExifデータ(撮影時の設定など各種データ)もすべて公表しているので参考にしていただきたいと思います。
そして、カメラを入れるハウジングはSEA&SEA製のMDX-D810を使用。
新たに外側から視度調整やポートのロックレバーを開閉出来るようになったり、AFとMFの切替ダイヤルやコマンダーダイヤルの操作性が格段にアップしたりしているなど、水中での操作感は抜群に良いです。
―――卓哉さん、ありがとうございました!
■ニコンD810製品紹介ページ
http://www.nikon-image.com/products/slr/lineup/d810/
■使用ハウジング「SEA&SEA」
http://www.seaandsea.co.jp/products/digital_slr/mdxd810/
東京展と大阪展は9月30日まで。
その後、名古屋・福岡と続きますので、お近くの方はぜひ足をお運びください!
■写真提供:中村卓哉(今回の展示作品の一部です)
【中村卓哉写真展「創世の海」】※予定、日程は変更となる場合があります
★東京、大阪
○展示期間:9月1日(火)~9月30日(水) ※10:30~18:30、最終日は15:00まで。
○展示サイズ:新宿(B2サイズ)、大阪(A3サイズ)
○展示数:各15点
〇会場
<ニコンプラザ新宿 フォト・プロムナード>
http://www.nikon-image.com/sup…/showroom/shinjuku/floor.html
<ニコンプラザ大阪 フォト・プロムナード>
http://www.nikon-image.com/support/showroom/osaka/
★名古屋
○展示期間:10月20日(火)~11/20(金)※10:30~18:30、最終日は15:00まで。
○定休日:日曜日、祝日
○展示数:15点
〇会場
<ニコンプラザ名古屋 フォト・プロムナード>
http://www.nikon-image.com/suppo…/showroom/nagoya/floor.html
★福岡
○展示期間:10月20日(火)~11/20(金)※9:30~18:00、最終日は15:00まで。
○定休日:土・日曜日・祝日
○展示数:15点
〇会場
<福岡サービスセンター フォト・プロムナード>
http://www.nikon-image.com/…/showroom/servicecenter/fukuoka/