天候いまいちな石垣島ロケ、時期遅れのコブシメの産卵で目撃したもの

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石垣島のコブシメの交接

ダイビングチームうなりざき石垣島店でのロケ3日目。初日以降天気がぱっとしない日が続いていて、青空が見えない。今は無きダイビングワールド当時も合わせて、今回で3回目の石垣島ロケなんだけど、毎回天気に恵まれない。どうやら今のところ石垣島とのロケの相性はあまり良いとはいえない。

まあ、そんな事言ってもしょうがない。こういう場合、「もう2度と来ない」と思うか、「次こそはリベンジ!」と思うかで、自分はどちらかと言うと後者の方。結構多くのダイバーの人が後者だったりすると思うけど。すでに、ガイドと次回のロケの話とか始めちゃったりしてるけど。まあ、実現するかどうかは、今回の頑張り次第かな。

今回コブシメの産卵はすでに時期的に遅いと思っていた。普通はGWにはピークを過ぎているくらいだと言われてるから。しかし、今回はGW後にも関わらず、大崎ハナゴイリーフというポイントでは、サンゴの上に10数匹のコブシメたちが集まって、産卵、交接、メスの取り合いなどのパフォーマンスを見せてくれた。

そんな中で気になったのが、どのオスよりも体躯の大きなメスのコブシメ。身体に張りも無く、いつもどんよりとした茶褐色の色のまま。よくよく観察すると、足の部分なんか、ボロボロで、今にももげそうになっていたりとか。

そんなおば〜ちゃんコブシメなんだけど、僕らが潜っている間中、やたらと色々なオスたちと、とっかえひっかえ(失礼)交接を繰り返す。昨年来て、あまり良い交接写真が撮れていなかったので、最初は交接が始まるたびに、「おっしゃ〜!!」とバシバシ撮影していたのだけど、あまりに何度もするので、だんだん興奮が覚めてきた。だって、メスの方が相当に身体大きいし。

冷静になって考えると、相当なおば〜ちゃんコブシメに対して、まだまだ若いオスのコブシメたちがアプローチを繰り返し、それを全て受け入れちゃってるって感じ。「う〜ん、心が広いというのか、なんと言えばいいんだろうか」。

写真撮影していても、「ういういしさが感じられない」と一人ぼそぼそ言いながら、まあ、でも撮影は続けるんだけど。

そんなとき「あ〜!産卵しようとしてるのに、オスに交接せまられてる〜!!」というシーンにまで遭遇。写真、卵出してるにも関わらず、オスが迫ってきてるのがわかるでしょ。普通、メスの産卵を守るオスの甲斐甲斐しさが売りのコブシメなのに、何なのこの興ざめシーン。

石垣島のコブシメの交接

そして、無造作に放置された卵さんは、哀れにも、魚たちの餌になってしまったのでした。

石垣島コブシメの交接

撮りたかったのは、愛情溢れる産卵シーン・・・・、どんな世界にも例外はあるようですね。何か、見てはいけない物を見てしまったような、そんな気分でした。

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PROFILE
慶応大学文学部人間関係学科卒業。
産経新聞写真報道局(同紙潜水取材班に所属)を経てフリーのフォトグラファー&ライターに。
以降、南の島や暖かい海などを中心に、自然環境をテーマに取材を続けている。
与那国島の海底遺跡、バハマ・ビミニ島の海に沈むアトランティス・ロード、核実験でビキニ環礁に沈められた戦艦長門、南オーストラリア でのホオジロザメ取材などの水中取材経験もある。
ダイビング経験本数5500本以上。
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