穏やかなクジラの親子に遭遇。2013トンガホエールスイム

トンガホエールスイム(撮影:越智隆治)

4日目が終了して、4日間でホエールスイムを終了して、この日、6人のゲストが島を離れた。
この4日間は、正直今までのホエールスイムの中でも、クジラとの遭遇がかなり難しかった。

5日目から、乗船する船が変った。
新しく到着したゲストも加わり、僕と6人を乗せて、出港。

トンガホエールスイム(撮影:越智隆治)

このまま、厳しい状況が続くのかと不安に思い始めた、5日目。午前中。

ノースベイに捜索に行くが、シングルのクジラが一頭いただけで、しかも泳げなかった。
トンガシカに戻り、シンガーと泳ぐが、姿は見えず、鳴き声だけを聞いて、さらに南下して、捜索。

いくつかのブローやブリーチングを発見。
ファトゥマンガ島の近くで、シングルとペアが合流して、ペアの方のオスがブリーチングやテールスラップを激しく何度も繰り返し、割って入ってきたシングルのオスを威嚇していた。

その中にエントリー。
激しく水面を叩く水しぶきのせいで、視界が阻まれる中、3頭が交錯するシーンを少しだけ見ることができた。

トンガホエールスイム(撮影:越智隆治)

湾内、オバカ島の内側で、別のボートが親子と泳げているという連絡が入り、そちらに向かう。

別のボートが泳ぐのを、しばらく島影でランチを食べながら順番を待つ。
僕らの番になり、エントリー。透明度は悪い。

最初は母親がどこに留まっているかを探すのに時間がかかったが、基本は水面でも水中でも、こちらが無理な接近を試みなければ、動かずにいてくれた。
子クジラは、オスのようだった。

トンガホエールスイム(撮影:越智隆治)

しかし、何度も子クジラが浮上したときに、追わないで下さいと注意したにも関わらず、追いかけてしまうゲストがいて、子クジラが嫌がって、逃げてしまった。
スキッパーにも、「追わないように、注意してくれ!」と何度も言われた。

トンガホエールスイム(撮影:越智隆治)

水中でもフィンを掴んで「追わないで下さい!」と注意をする。
10年間ホエールスイムをやってきて、自分がゲストのフィンを引っぱることはそうそう無いのだけど、もう少し厳しくした方が良さそうだ。
他のボートもいる中で、やってはいけない行為を繰り返すと、スイム自体を放棄しなければいけなくなる。

「クジラを慣らす」という行為をいくら説明しても、それを体感した人でない限り、我慢ができなくて追ってしまいたくなるのはわかるけど、スキッパーとガイドの指示に従えないのであれば、ボートには乗せられない。

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PROFILE
慶応大学文学部人間関係学科卒業。
産経新聞写真報道局(同紙潜水取材班に所属)を経てフリーのフォトグラファー&ライターに。
以降、南の島や暖かい海などを中心に、自然環境をテーマに取材を続けている。
与那国島の海底遺跡、バハマ・ビミニ島の海に沈むアトランティス・ロード、核実験でビキニ環礁に沈められた戦艦長門、南オーストラリア でのホオジロザメ取材などの水中取材経験もある。
ダイビング経験本数5500本以上。
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