ホエールスイムがもっと楽しくなる!? 13,000kmも移動したザトウクジラが出現
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奄美大島や沖縄では、ザトウクジラの回遊を観察するホエールスイム/ウォッチングが有名。シーズンは12月〜4月の間で、目撃情報も徐々に増えてきている頃だ。そんな中、一般的な2倍の距離になる13,000kmを超える大移動をしたというザトウクジラのニュースが飛び込んできた。
南米からアフリカへ。驚異の13,000km超え
オーストラリアのサザンクロス大学などの研究チームが12月11日(水)の学術誌に発表した内容によると、“オスのザトウクジラが南米沖からアフリカ沖まで、13,046kmを超える距離を移動し、クジラの移動最長記録を更新した”という。このクジラは2013年に南米コロンビア沖で初めて確認された個体で、一般的な移動距離である片道8,000kmの2倍近い距離を旅したことになる。2022年にはアフリカ東部タンザニア・ザンジバル沖で目撃され、太平洋からインド洋への移動が確認されたのはこれが初めてだ。
長距離移動の背景には、繁殖地でのオス同士の競争を避けたり、餌場を求めるための移動が考えられている。研究チームは、市民やダイバーが撮影した尾びれの写真を「ハッピー・ホエール」というウェブサイトで集め、個体識別を行ったそうだ。
奄美・沖縄でのホエールスイム/ウォッチングも始まる季節
日本で見られるザトウクジラはというと、6~10月の夏の間に北のアリューシャン列島やベーリング海でニシンやオキアミなどを採餌し栄養をたっぷり蓄え、12月〜4月に繁殖や子育てのために奄美大島や沖縄にやってくる個体だ。
今回のニュースを受けると、これから出会うクジラたちの旅路にも思いを馳せてしまう。もしホエールスイムやウォッチングをする際は、クジラの尾びれを撮影し、「ハッピー・ホエール」に投稿すれば、あなたも研究に貢献できるかも!?
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