ホエールスイムがもっと楽しくなる!? 13,000kmも移動したザトウクジラが出現

奄美大島や沖縄では、ザトウクジラの回遊を観察するホエールスイム/ウォッチングが有名。シーズンは12月〜4月の間で、目撃情報も徐々に増えてきている頃だ。そんな中、一般的な2倍の距離になる13,000kmを超える大移動をしたというザトウクジラのニュースが飛び込んできた。

2013年に初めて目撃されたオスのザトウクジラが、移動の最長記録を更新した/Natalia Botero-Acosta(引用:CNN.co.jp)

2013年に初めて目撃されたオスのザトウクジラが、移動の最長記録を更新した/Natalia Botero-Acosta(引用:CNN.co.jp

南米からアフリカへ。驚異の13,000km超え

オーストラリアのサザンクロス大学などの研究チームが12月11日(水)の学術誌に発表した内容によると、“オスのザトウクジラが南米沖からアフリカ沖まで、13,046kmを超える距離を移動し、クジラの移動最長記録を更新した”という。このクジラは2013年に南米コロンビア沖で初めて確認された個体で、一般的な移動距離である片道8,000kmの2倍近い距離を旅したことになる。2022年にはアフリカ東部タンザニア・ザンジバル沖で目撃され、太平洋からインド洋への移動が確認されたのはこれが初めてだ。

長距離移動の背景には、繁殖地でのオス同士の競争を避けたり、餌場を求めるための移動が考えられている。研究チームは、市民やダイバーが撮影した尾びれの写真を「ハッピー・ホエール」というウェブサイトで集め、個体識別を行ったそうだ。

クジラは海に潜る際に持ち上げる尾の下側の形状で個体を識別できる/Ekaterina Kalashnikova(引用:CNN.co.jp)

クジラは海に潜る際に持ち上げる尾の下側の形状で個体を識別できる/Ekaterina Kalashnikova(引用:CNN.co.jp

奄美・沖縄でのホエールスイム/ウォッチングも始まる季節

日本で見られるザトウクジラはというと、6~10月の夏の間に北のアリューシャン列島やベーリング海でニシンやオキアミなどを採餌し栄養をたっぷり蓄え、12月〜4月に繁殖や子育てのために奄美大島や沖縄にやってくる個体だ。

今回のニュースを受けると、これから出会うクジラたちの旅路にも思いを馳せてしまう。もしホエールスイムやウォッチングをする際は、クジラの尾びれを撮影し、「ハッピー・ホエール」に投稿すれば、あなたも研究に貢献できるかも!?

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