「地元の波は自分の鼓動と同じ」 ~地元、愛媛・今治の海でダイビング~

前回、地元の愛媛県・今治市を初めて潜ったレポートをしました。

今回は、今治の海にリピートするダイバーの大谷浩人さんに海の魅力などをお聞きしました。
※松山市在住 大谷浩人さん(47才) 32ダイブ ライセンス(NAUI)
(なんと、大谷さん、越智隆治カメラマンの写真を見た翌日に、ダイビングショップに駆け込んでいた、というなんとも素敵なエピソードをお持ちの方です)

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それでは、初めて今治で潜ったときの印象を教えてください。

大谷さん

「台風が通過して3日目に初ダイブしました。
濁りを覚悟していましたが、それでも透明度6~7mくらいはありました。
今治来島海峡(くるしまかいきょう)は、非常に潮流が速い印象があったため、グローブのマジックテープをしっかりと締めた記憶があります」

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わたしも潮流が心配でしたが、水面は凪いでいて、水中も少し流れている程度でした。

大谷さん

「ライセンス取得後は南の島など透明度の高いところばかり潜っていたので、本音を言ってしまえば、瀬戸内の海は地味だな!と思っています(笑)」

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あ、言っちゃった。いや、地味な海も愛しい地元ですよね!

今治来島海峡(くるしまかいきょう)

大谷さん

「それに潮の流れが細やかなので、ダイビングスキルを上げることに集中できる環境だと思います。また、ポイントまで30分以内で難易度の低いところから超高いところまであるのは珍しいんじゃないですかね?」

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ふむふむ、自分の力に合ったポイントを選択できるのは嬉しいですね。さて、水中でこんな珍しいものを見た! というのはありますか?

大谷さん

「オニオコゼを初めて見ました! まあまあ大きさがあったため、水中で固まってしまいました(笑)」

オニオコゼ

オニオコゼの成魚は育つとこれほど巨大に! 提供/PAGOS

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オニオコゼ! ちょっと怖いけど見てみたいかも。地元で潜って、再発見した良いところはありますか?

大谷さん

「県外のきれいな海も景色もどこまでも通りすがりというか、手の内に入らないというか…。その点、地元の海は、整備された東京ドームの青い芝とは違うけど、土埃がたつホームグランドって感じるんです。海でダイビングをするっていう行為だけじゃなく、人、街、空気が手の内に入るようなそんな安心感があります」

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ホームグラウンド…なんだか分かるような気がします。私も見慣れた景色と海に安心して潜れました。愛媛県ならではだな、と思う海の魅力ってなんだと思いますか?

大谷さん

「まず気候がすごく安定していること。瀬戸内海なら時化になりにくいし、ウミウシがたくさん見られる。南予では日本の海に生息する生物の1/3程度の種類を見ることができるし、愛媛って凄いじゃんって思います」

「ただ俺が一番好きなのは、海の音ですね」

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具体的にどう聞こえて来るんでしょうか?

大谷さん

「波と波の間隔がちょうど鼓動と同じような速度で心地よく響くんです。
うつらうつら寝ながら、聞き取れないくらいのテレビの音っていいましょうか?
とにかく優しいんです」

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確かに言われてみればそうかもしれない。

大谷さん

「それに広島、岡山側に行くと、音の感じが大きくなるように思うんです。浜の広さか傾斜で違うんでしょうけど…」

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うんうん、❝地元の波は自分の鼓動と同じ❞この言葉に私も納得でした。
小さな頃から慣れ親しんできた波の音はやはりどの海に赴いてみても感じることのできない、身体に染み込む故郷の音なんですよね。

今回、お話を聞いて改めて地元の海に興味がわいてきました。

まだ、私の知らない春の海、夏の海…たくさんの地元の景色が隠されていると思うので、
これからも追跡調査していきたいと思います。

皆さんも里帰りダイブしてみませんか?

(ライター/豊岡 咲)

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