南オーストラリアでのホホジロケージダイブクルーズ Part.2 ボトムケージダイビング

image004

サーフェースケージダイブのケージ内でホホジロザメを見る事に慣れたら、いよいよ、ボトムケージダイブを行う。
ガイド1名とゲスト3名が一つのケージに入り込み、海底にケージを沈めて、ホホジロザメを観察できる。

_60A1927k

ウエイトベストは、サーフェースで使用したものと同じものを使用して、タンクはハーネスのみで装着。

つまり、何かトラブルが発生した時、ドライスーツを着ていれば、スーツにエアを入れる事で浮上は可能かもしれないが、ウエットの場合、一度沈んでしまうと、自力では浮上できない。

_60A1930k

色々安全面が気にかかり、アンドリューに質問をした。
特に、細いワイヤーで結びつけられたケージはかなり心細い。

「これって負荷はどれくらい耐えられるの」と聞くと、「ウィンチは5tのものも持ち上げられるし、予備のウィンチもある。ワイヤー以外でも、ロープで船と結びつけているし、船上との連絡用の細いロープで、潜行や、停止、浮上の合図が送れるようになっている」とアンドリュー。

「このケージの中の2本のタンクはエアが無くなった時の予備?」
「それもあるが、もし、ウィンチが効かなくなった場合、このタンクのエアをケージの上にある容器にいれていき、浮力を確保するのにも使うようになっているんだ」
「へ、へ〜、で、今まで使ったことはあるの?」
「いや、無いよ」
という感じで、とにかく臆病な僕は、ボトムケージの安全面に関して、おそらくかなり執拗に確認していた。

ケージに入り、徐々に海中に沈んでいくときに気をつけないといけないのは、うっかりレギュを咥え忘れていたり、マスクを装着し忘れていたりすることだ。潜降はゆっくりではあるけど、水温も低く、緊張もしているからか、耳抜きし辛い可能性もある。

自分がトライした時は、透明度も高く、視界が開けていたので、ボトムに到着したときには、海草が視界一面に繁殖している美しい光景に感動して、恐怖心に優っていた。

ボトムに着くとすぐにガイドが餌の入ったボックスを開いて、ケージの外に放出する。
最初に集まって来たのは、Horseshoe Letherjacket というハギ系の魚たち。
そのほかにもアジ系の魚や、エイなども姿を見せる。

image002

ホースシュー・レザージャケットの群れ

 

マダラエイなど他の生物も見られる事も

マダラエイなど他の生物も見られる事も

すでにサーフェースケージの餌やりで集まっていていたホホジロザメたちは、ボトムケージの中から放出される餌の匂いを敏感に嗅ぎつけて、水面から、海底へと移動を始めていた。

image001

ケージの中の餌箱から、餌を取り出して、外に放出する

そして、360度あるケージの周囲をグルグルと旋回し始めた。
この近さは、サーフェースの非では無い。

窓から手を伸ばせば触れるくらいの距離を旋回するホホジロザメの巨体は、かっこよくもあるけど、正直不気味でもある。

少し暗くなっても、ダイビングする場合もあります。完全に見つめられている・・・

少し暗くなっても、ダイビングする場合もあります。完全に見つめられている・・・

臆病な僕は、ケージが横倒し担っちゃった事とか、自分がケージの外に転げ落ちちゃった事とか、サメがケージに入ってきちゃった事とか、何かあった時の事を色々想像しては、対処方法や、脱出方法を考えていたのだった。

っていうかその前に、その錆びたタンクは大丈夫なのか?と心配になった。

海草の海底を泳ぐホホジロザメ。ボトムケージダイブならではの光景

海草の海底を泳ぐホホジロザメ。ボトムケージダイブならではの光景

とは言え、南オーストラリアのホホジロケージダイブの魅力は、このボトムケージにある。

ホホジロケージで有名なのが、南アフリカのケープタウンとメキシコのグアダルーペ、それにここ南オーストラリアのポートリンカーン。
その三ヶ所とも撮影に訪れた事のある海外の写真家たち数名に、「どこがおすすめ?」と聞いてみたところ、「南アフリカは透明度悪いことが多い、メキシコは透明度良くて、でかいのもいるけど、ブルーウォーターだけだから退屈になってくるんだ。

その点オーストラリアは、海草や砂地なの海底と一緒に撮影できるし、他の魚との絡みも撮影できるから、飽きないね。

だから俺はオーストラリアが好きかな〜」というのが、だいたい皆同じ意見だった。

アジとホホジロザメ

アジとホホジロザメ

最初は、サーフェースのブルーウォーターバックにホホジロも悪く無いと思うのだけど、やはり海底の環境と一緒にホホジロ撮影できるのは、撮影する側としては、確かに飽きなくていい。

今回、一度に目視できたホホジロザメは5匹、トータルでは20匹に及んだ。
そして、ちょっとだけ、ケージの外に出ての撮影も許されて、撮影を行なった。

20161205-_1050369k

最後に少しだけケージの外に出してもらいました

2017年12月南オーストラリアのポートリンカーンでホホジロザメケージクルーズを開催します。

■日程1

11月30日(木) 午後遅くに日本発(成田、または羽田など)
12月1日(金) ポートリンカーン着 午後遅く 港にて、船上泊
12月2日(土) 早朝出港 アシカスイム&ホホジロケージダイブ
12月3日(日) ホホジロケージダイブ
12月4日(月) ホホジロケージダイブ 港にて下船 ホテル泊
12月5日(火) 朝のフライトでポートリンカーン出発
12月6日(水) 早朝羽田着

■日程2

12月6日(水) 午後遅くに日本発(成田、または羽田など)
12月7日(土) ポートリンカーン着 午後遅く 港にて、船上泊
12月8日(日) 早朝出港 アシカスイム&ホホジロケージダイブ
12月9日(月) ホホジロケージダイブ
12月10日(火) ホホジロケージダイブ 港にて下船 ホテル泊
12月11日(水) 朝のフライトでポートリンカーン出発
12月12日(木) 早朝羽田着

2週連続参加もオッケーです。

現地費用は約35万円
■含まれるもの ポートリンカーンの空港からクルーズ船まで、ホテルから空港までの送迎費用 下船後のホテル1泊分(2名1室) クルーズ代(サーフェースケージ、ボトムケージダイブ6本)アシカスイム代
■含まれないもの 国際線エア+諸税 クルーへのチップ 乗船中のビール代(ソフトドリンクは無料) 乗船中でない時の食事代 アルコール代

【問い合わせ先】
tour@oceana.ne.jp

\メルマガ会員募集中/

週に2回、今読んで欲しいオーシャナの記事をピックアップしてお届けします♪
メールアドレスを入力して簡単登録はこちらから↓↓

writer
PROFILE
慶応大学文学部人間関係学科卒業。
産経新聞写真報道局(同紙潜水取材班に所属)を経てフリーのフォトグラファー&ライターに。
以降、南の島や暖かい海などを中心に、自然環境をテーマに取材を続けている。
与那国島の海底遺跡、バハマ・ビミニ島の海に沈むアトランティス・ロード、核実験でビキニ環礁に沈められた戦艦長門、南オーストラリア でのホオジロザメ取材などの水中取材経験もある。
ダイビング経験本数5500本以上。
  • facebook
  • twitter
FOLLOW