幻想的な青い赤潮!? ダイバーに嫌われる赤潮を視点を変えて楽しむ
春から夏の水温上昇にともない発生する”赤潮”。
最近、テレビのニュースでもよく取り上げられています。
透明度がぐんと落ちてしまい、ダイバーとしては、あまりポジティブなイメージは持てませんが、実際、ダイビングへの影響はどうなのでしょうか?
神奈川県の葉山にあるダイビングショップNANAの永橋麗良さんに、赤潮の影響についてお聞きしました。
透明度は落ちるけど、
マクロ撮影には問題なし!?
ーー
葉山でも赤潮は見られていますか?
永橋さん
5月5日(2017年)まではすごかったです。
ですが、その次の日に海が荒れたのでその後はそこまででもないですかね。
ーー
この時期は毎年発生するのでしょうか?
永橋さん
期間は年によってバラバラですが、だいたい毎年この時期にプランクトンが大量発生しています。
ーー
そうなんですね。ダイビングへの影響は大きいですか?
永橋さん
やはり透明度が一気に悪くなってしまいますね。
ひどい場合は、できるだけ少ないポイントに移動します。
ただ、マクロ撮影メインで潜れば、全然問題ないですよ!
ーー
確かに、マクロ撮影に透明度は関係ないですもんね!
むしろ、集中できるかも!?
赤潮が見方を変えると
美しい幻想的な世界に!
透明度が悪くなることから、ダイバーから嫌われる赤潮ですが、楽しむ方法もあるんですよ!
プランクトンが過剰に集まった赤潮。
中には発行体を持つプランクトン、通称”夜光虫”もたくさんいて、夜に見ると、こんなに美しく幻想的な世界が!
■動画
これを撮影したのは、水中カメラマンの中村卓哉さん。
中村さんは、赤潮のニュースをテレビで見て、湘南に住んでいる知人にすぐに電話して状況確認。
「今日いけるのでは?」と、深夜0時に東京から神奈川県鎌倉市の由比ヶ浜に向かったそうです。
最初は月が出ていて、月明かりなのか夜光虫なのかわからない状況。
それでも粘って、夜中の2時半。
ついに、月もすっかり沈み、辺りが真っ暗に包まれると、幻想的な世界が目の前に広がっていたそうです。
写真に対する行動力と、粘り強さ。
さすがです。
ネガティブなイメージが強い赤潮ですが、視点を変えると、いろいろ楽しめるのですね。
むしろ、チャンスかも!?
ダイバーの皆さんも、赤潮が発生した際は、割り切ってマクロ撮影に集中するとか、ナイトダイビングや海辺での撮影を楽しんでみてはいかがでしょうか。
ただ、赤潮が海に優しいかどうかはまた別の話。
発生原因のひとつには、生活排水や工場排水による富栄養化が挙げられています。
海を愛するダイバーとしては、赤潮のないきれいな海が保てるように生活したいですね。