2011年トンガホエールスイム day 5 シングル、親子

快晴、風は南西。今まで北から吹いていて、暖かかった風が南に変わり、ボートコート無しでは肌寒く感じるようになってきた。
この日は、10時出港でプナとフルークの2隻で海に出る。
プナのエンジンの調子が悪いので、ノースベイに行きたいというリクエストもあった事から2隻ともノースベイへ。しかし、ブローの一つも見当たらない。
そのまま、フンガ島の外洋側を南へと移動するが、こちらでもまったくブローが見つからない。フンガの南側とサブマリンロックの間を西のリーフの方へと移動。風が南西から吹いているために、この辺が一番風が強く、波も荒れていた。
リーフの濁った海水がこの辺まで流れ込んでいることが一目瞭然。その荒れたエリアでブローを発見。シングルのようだった。しばらく海面に浮いているのだけど、ボートで近寄ると潜ってしまう。自分だけ潜ってチェックするが、透明度が悪く、確認できない。
クジラを動きを良く確認しながら、再度チェックで海に入る。ゆっくりと潜行するクジラは垂直に潜行して、丁度テールが微妙に確認できるかできないかの深度で停止した。テールの上の黒い部分が上になっているときは確認できない。下の白い部分が上を向いた時だけ、太陽の光が反射して、なんとなく確認ができる。
_MG_30261.jpg
その上に留まっているつもりでも、波で流されてしまって、テールの黒い部分が上のときには、見失ってしまう。その度に潜行してテールを確認しなければいけなかった。
しかし、その体勢のまま、ゆっくりと浮上してきて、テールを海面に持ち上げてから移動するのでずっと上にいれれば、近くで撮影ができた。
この個体の他に、もう2個体別々に近くにいて、1個体は歌っていて、もう1個体は海面でバシャバシャと遊んでいた。どうやら、今年親離れしたばかりの若いクジラのようだった。
最初のは潜ると探しづらいので、その個体にアプローチしてみた。
すぐには潜行せずに、しばらくこちらの様子を伺いながら、潜るというパターンを繰り返した。海面にいる間は、身体をくねらせながら、のんびりと泳いでいた。のんびりと言ってもこちらからすれば、相当に激しく見えるのだけど。
_MG_2879.jpg
その後、プナを呼び、泳げると伝えたが、最初に泳いでいた個体と、この若い個体が合流してしまい、激しくブリーチングやテールスラップなどを繰り返し始めたので、しばらく様子を見て、落ち着いてからエントリー。
_MG_30681.jpg
しかし、あまり近寄れなくなってしまったので、無線で連絡のあった、泳げる親子の方へ移動。これが、チャネルの反対側というか、ホワイトパッチの方だったので、もう帰る時間帯にも関わらず、移動だけで相当時間がかかってしまった。
_MG_32301.jpg
それでも、最終日なのでギリギリまで粘る。親子ともに海面に浮いていて、ほとんどブローを上げていなかった。子供の小さなブローでかろうじて場所を確認。交互にエントリーを繰り返す。何度かのエントリーの末、ゆっくりとしている親子の撮影をして,帰路につく。時間は18時になっていた。2時間のオーバータイム。

\メルマガ会員募集中/

週に2回、今読んで欲しいオーシャナの記事をピックアップしてお届けします♪
メールアドレスを入力して簡単登録はこちらから↓↓

writer
PROFILE
慶応大学文学部人間関係学科卒業。
産経新聞写真報道局(同紙潜水取材班に所属)を経てフリーのフォトグラファー&ライターに。
以降、南の島や暖かい海などを中心に、自然環境をテーマに取材を続けている。
与那国島の海底遺跡、バハマ・ビミニ島の海に沈むアトランティス・ロード、核実験でビキニ環礁に沈められた戦艦長門、南オーストラリア でのホオジロザメ取材などの水中取材経験もある。
ダイビング経験本数5500本以上。
  • facebook
  • twitter
FOLLOW