野生のジンベエザメを餌付け

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BLUE CORALでのセブ島ロケ3日目。昨年末より話題になっている、セブ島南のオスロブ(スミロン島の対岸)で行なわれているジンベエザメの餌付けによるダイビングの取材に向かった。

「ジンベエザメの餌付け」と聞くと、ジンベエを生け簀に捕獲しているかのような印象を受けるが、それはまったくの誤解で、餌場となる水深7〜8m、岸からもエントリーできるエリアに、お腹を空かした野生のジンベエザメたちが、毎朝餌に誘われてふらふら〜っとやって来るのだ。

手漕の小さなフィッシングアウトリガーに乗った漁師たちが、船の上から、ジンベエザメの大好物のオキアミを彼らの口の中に流し込む。ジンベエザメはあくまで自分の意思でそこにやってきてるのであって、強制的に連れてこられている訳ではない。逃げようと思えばいくらでも逃げることができる状態だ。

セブ島オスロブのジンベエザメ(撮影:越智隆治)

まあ、手軽にジンベエザメが見れるとあって、訪れるダイバーやスノーケラーの数もどんどん増えてきて、ピーク時は大騒ぎになってしまうのだけど。

なんとな〜く話を聞いていて、これはタンクを背負っての撮影よりも、素潜りで撮影した方が都合が良さそうだなと判断した僕は、2時間以上の撮影中、一回もタンクを着けずに、ジンベエザメを撮影していた。前のメキシコのバショウカジキスイムのハードさを考えれば、これくらいのスイムは朝飯前になってしまっているところが、恐い。

セブ島オスロブのジンベエザメ(撮影:越智隆治)

まあ、詳しくはまたWEB-LUEのPDF記事でアップするけど、今のところ、ほぼ100%に近い遭遇率なのだそうだ。
今回も絡みは無かったが2匹のジンベエザメが常時その海域で餌をおねだりしていた。

セブ島オスロブのジンベエザメ(撮影:越智隆治)

地元のダイビングサービスなどの情報では、最高16匹が確認された日もあったとか。
BLUE CORALのヒロさんの経験では、5匹が最高だったとのこと。

移動してるとタンク付けてると追跡が大変なのだけど、餌を食べるために止まってしまえば、ジンベエザメが立ち泳ぎになり側で見放題、撮影し放題になる。まあ、その分ダイバーだらけにはなるけど。

セブ島オスロブのジンベエザメ(撮影:越智隆治)

セブからは車で3時間の移動。朝5時出発で8時に到着。ジンベエザメへの餌やりは、お昼の12時くらいまで続く。
今日もまたオスロブへ撮影に向かう予定。

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PROFILE
慶応大学文学部人間関係学科卒業。
産経新聞写真報道局(同紙潜水取材班に所属)を経てフリーのフォトグラファー&ライターに。
以降、南の島や暖かい海などを中心に、自然環境をテーマに取材を続けている。
与那国島の海底遺跡、バハマ・ビミニ島の海に沈むアトランティス・ロード、核実験でビキニ環礁に沈められた戦艦長門、南オーストラリア でのホオジロザメ取材などの水中取材経験もある。
ダイビング経験本数5500本以上。
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