スイチャンネル的ゴミ拾いの流儀【チャンネル登録数10万人超YouTuber】

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ゴミ拾いの流儀には、その人の生き方が表れるーー

海洋プラスチック問題に注目が集まる昨今、ビーチクリーンや海中のゴミ拾いをされる方も少しずつ増えてきたのではないだろうか。そんな中、YouTubeで海中のゴミ拾いの動画が話題のまさに“海中ゴミ拾いのプロフェッショナルYouTuber”「スイチャンネル」の中の人(以下、中の人)に、NHKの某人気番組よろしく密着。

チャンネル登録数は10万人越え、公開動画数は300本にもなる

釣り人やダイバーに人気のYouTubeチャンネル「スイチャンネル」では、王道とも思われる海の生き物紹介のほかに、釣り人の間で一大ブームとなっているイカ釣り漁法「エギ」を海中から解説したもの。さらには一部のダイバーしかお目にかかれない漁礁作りの様子など、公開されている海中動画は多岐にわたっており、幅広い層の好奇心を刺激するラインナップが魅力のチャンネルとして人気を博している。

一方で「スイチャンネル」には、エンターテインメント性に富んだ動画だけではなく、海中ゴミ拾いをテーマとするような環境問題を取り上げた動画もあり、こちらも動画再生数が伸びているのが興味深い。こういった固くなりがちなテーマを「スイチャンネル」はどう料理しているのか。毎回動画を撮影している“中の人”に、「スイチャンネル的ゴミ拾いの流儀」を聞いてみた。

流儀1「実は毎回拾わなくてもいいと思ってゴミを拾っている」

中の人いわく、海中ゴミ拾いのための撮影であっても、撮影のたびにゴミを拾わなくてもいいと思っているそう。いい加減にも聞こえてきそうな発言だが、真面目にゴミを拾い続けることで、知らずのうちに弊害がでてくる可能性があるからだという。

真面目に拾っちゃだめな理由

1、拾ったゴミがダイビングの邪魔になる
2、ゴミ拾い自体に飽きてしまう
3、「ゴミを拾わねばならない!」という義務感に駆られる
4、精神的に病んでしまう

特に4番目は、ゴミ問題に真摯に向き合おうとすればするほど陥りやすく、際限なく湧き続けるゴミに怒りと悲しみを覚え、「人間は何て愚かなんだ」と精神を病んでしまう恐れがある。

あまり肩ひじ張らず、気が向いたときに拾うといったマインドで取り組むほうが、ゴミを拾う側の負担も少なく長続きしやすいのかも。視聴者側としても、海中ゴミ拾いに対する気持ちの温度差に戸惑うことなく、気軽に視聴できそうだ。

流儀2「楽しい瞬間も映像に収める」

海中ゴミ拾いの動画とはいえ、悲壮感を漂わせながら、あるいは義務感に駆られながら海中ゴミをひたすら拾っている映像を見せられても、視聴者としてはただただ恐縮してしまうばかり。中の人いわく、ゴミの映像だけでなくゴミ拾いをやっていて楽しい瞬間も映像に収めるようにしているという。例えば、面白いゴミを拾ったのなら…

面白いゴミを拾った瞬間

海中にあるはずのない枕のゴミ。まさか誰かが寝ようとして持ち込んだのだろうか。





犯人はお前だっかのか…!

…寝てみたりしている。

たとえば、ゴミ拾いの最中に思わぬ客に囲まれたら…

ゴミ拾いの最中に思わぬ客に囲まれた瞬間

静かにゴミを拾っていると…





集まってきたヒメジたちに囲まれる。

興味津々!? とばかりに集まるヒメジ達を撮影。ゴミ拾いをしているとなぜか魚がたくさん寄ってくるという。そんなに魚が集まるなら、ゴミ拾いするのも悪くないかなという気にさせられる。

たとえば、レアな生き物を見つけたら…

レアな生き物を見つけた瞬間

ダイバーの間ではレアな魚ヒゲハギを発見し撮影!

ヒゲハギという名前だけあって全身ヒゲの様な毛でおおわれている魚なのだが、名前のインパクトに対し体はペラペラで色も地味なので一目見ただけでは分かりにくかったりする。1箇所に滞在する時間が長いからだろうか、ゴミ拾いをしているとレアな生き物を見つけやすいという。エビでタイを釣るが如く、ゴミでレア魚を釣るとは恐れ入る。

シリアスになりがちな海中ゴミ拾いでも遊び心を忘れず取り組まれているのが伝わってくる。さすがはプロフェッショナル。

流儀3「便利なゴミ拾いグッズを使う」

せっかく環境にいいことをしていても、拾ったゴミでケガをしてしまったり、ゴミを携帯しながらのダイビングがストレスになってしまったりすることは避けたいもの。中の人いわく、便利なゴミ拾いグッズを持参することで、快適にゴミを集めることができるという。

便利なゴミグッズ3選

1、メッシュバック

ゴミを拾った後、携帯するのに邪魔にならない小さいものがおすすめ。メッシュなので水も抜けて、エキジットしたときに重くならない。

2、ジップロック

ジップロックは釣り針のあるゴミを入れる用に。メッシュバックだとひっかかって後で外すのが大変だが、ジップロックなら楽々。

3、百円均一のハサミ

百円均一のハサミは安い割に丈夫でよく切れる万能アイテム。

便利なゴミ拾いグッズは中の人のゴミ拾い活動における陰の立役者だった。やはりプロフェッショナルたるもの、ゴミ拾いパフォーマンス向上のため道具にもこだわり、きちんと取り揃えているようだ。

流儀4「大雨や台風が去った後にゴミ拾いを行う」

大雨や台風が去った後には海中がかき回されて、大量のゴミが拾えるチャンス!レアゴミに遭遇する確率も上がるかもしれない。

一人でも多くの人に海への関心を持ってほしいという気持ちで2018年に開設以来、チャンネル登録数は現在10万人を突破しているスイチャンネル。環境問題をテーマとするようなゴミ拾いの動画でありながら、適当に楽しんでみたり、ふざけてみたりと気取らない中の人の姿が、人気を博す理由の一つになっているのかもしれない。

スイチャンネルURL:https://www.youtube.com/channel/UCpkI-1mCgD8eEPNqGad4-Nw

(文:染谷遥)

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PROFILE
アウトドアレジャー予約サイトの取材ライター出身。いままでに取材した日本全国のアウトドアカンパニーは130社ほど。ネットワークを活かした記事作りが得意!?かもしれない。一番好きなアクティビティはダイビング!とは言い切れないかもしれない。
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