ウミウシ連載第1回「ウミウシってなに?」
突然ですがクイズです。ウミウシは「海の〇〇」と呼ばれることがありますが、なんと呼ばれているでしょうか。次の1~3からお答えください。
正解は
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「3.海の宝石」。個体ごとに個性豊かな色合いをもつウミウシは、小さいながらも海の中でひときわ輝きを放つ存在。その姿から「海の宝石」と呼ばれることも。ちなみに「1.海のミルク」は牡蠣、「2.海の牛肉」は海苔の例えによく使われる言葉。
2021年は、今年の干支である丑(ウシ)にちなんで、この“海の宝石”、ウミウシにフォーカスしたコンテンツを連載形式でお届け。第1回目の今回は、ウミウシと呼ばれる由来や生物学的分類、生態など、“ウミウシのきほんのき”についてまとめてみた。
ウミウシって何者?
ウミウシは軟体動物の一種。軟体動物にはウミウシのほか、貝類、クリオネ、ナメクジ、イカ、タコが含まれる。このことを踏まえると、ウミウシが貝類やナメクジにどことなく似ているのもうなずける。貝殻が縮小、体内に埋没、消失などした種を総称してウミウシなのである。
なぜウミウシと呼ばれているの?
ウミウシと呼ばれる理由は、頭部に生えている一対の触角が、まるで牛の角のように見えるからという説が有力。ただ、小笠原諸島ではウミウシのことをウミネコと呼ぶことがあるとか。小笠原の人々には触角の形状がネコの耳に見えたのだろうか。
なお、ウミウシを「海牛」と漢字で書いた場合は「かいぎゅう」と読み、ジュゴンやマナティーなど海牛目の哺乳類を指すことが多いようなのでご注意を。
ウミウシの生態
ダイビングをしていると、岩場のほかにも砂地にいる個体や海藻にくっついて生活している個体も目にする。さまざまな生活様式を持つウミウシたちの食生活や性生活はいかに!?
食生活
ウミウシの食性は、肉食から草食まで幅広く、餌のバリエーションも豊富。肉食のウミウシは、魚の卵や他のウミウシを食べるほか、小型のエビなどの甲殻類、さらには刺胞動物や海綿動物、コケムシ、群体性のホヤも食べる、なかなかの健啖家。対して草食のウミウシは海藻などを食べているとのこと。
性生活
ウミウシは、雄の生殖器官と雌の生殖器官を一個体に持つ雌雄同体であるが、受精は別の個体と交尾することで行われる。同種と交尾することで卵がかえる確率も高くなるため、どのウミウシでもいいわけではなく、きちんと相手を選んでいるらしい。
知れば知るほど興味深いウミウシの世界。今後の連載ではさらにディープなウミウシの世界に迫る⁉予定なのでお楽しみに。