【スナギンチャクの新種発見!】見た目が鬼の金棒⁉︎ 奄美大島近海にて

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8月18日、鹿児島県瀬戸内町の大島海峡などでサンゴとイソギンチャクに近い「スナギンチャク」の新種が、琉球大学とかごしま水族館の研究グループの調査で見つかった。このスナギンチャクは外見が「鬼の金棒」を連想させるとして「カナボウヤギスナギンチャク」と名付けられた。

写真提供:藤井琢磨(かごしま水族館)

写真提供:藤井琢磨(かごしま水族館)

多様な生物の生息に貢献している?

カナボウヤギスナギンチャクは、水深30〜40m付近の砂や泥で濁った環境に生息する。琉球大学・ジェイムズ・ライマー准教授やかごしま水族館・藤井琢磨さんら研究グループが行ったDNA解析や形態観察などの結果から、褐虫藻を持たず、プランクトンを食べて生きていることが判明しただけでなく、エビや貝などとも共存しているのも確認された。大島海峡のほか、沖縄県名護市の大浦湾でも見つかっている。

カクレカニダマシと共存するカナボウヤスナギンチャク 写真提供:藤井琢磨(かごしま水族館)

カクレカニダマシと共存するカナボウヤスナギンチャク 写真提供:藤井琢磨(かごしま水族館)

研究グループは「今回見つかった新種は多様な生物の生息に一役買っていると考えられる。大浦湾のように陸地に近い場所は、水の汚れや埋め立てなど人為的な影響を受けやすく、こうした環境にいる生物について今後さらに調査を進めていきたい」と話す。(NHK NEWS WEBより)

250種もいるスナギンチャク

スナギンチャクは世界中の熱帯・亜熱帯の海に250種類ほど生息し、日本では沖縄県や東京都の伊豆諸島、和歌山県まで広く分布。イシサンゴやイソギンチャクに近い生き物で、骨をつくらず、体に砂粒を取り込む種が多いことから、名前にも“スナ”が入っている。外部からの刺激により毒液を注入する触手をもつ刺胞動物に分類され、海にいる生き物の中でも最強と言われる強い毒「パリトキシン」を持つため、もし水中で見かけても絶対に触れないよう注意していただきたい。

カナボウヤスナギンチャクの触手部分 写真提供:藤井琢磨(かごしま水族館)

カナボウヤスナギンチャクの触手部分 写真提供:藤井琢磨(かごしま水族館)

カナボウヤギスナギンチャクは水深が深いところに生息しているため、通常のダイビングで見ることはなかなか難しそうだ。しかし、スナギンチャクの一種で、色の種類がさまざまな「マメスナギンチャク」は比較的浅瀬に生息しているため観ることができる。これを機に、スナギンチャク探しをしてみるのもおもしろいかもしれない。

色鮮やかなマメスナギンチャク

色鮮やかなマメスナギンチャク

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PROFILE
0歳~22歳まで水泳に没頭し、日本選手権入賞や国際大会出場。新卒で電子部品メーカー(広報室)に入社。同時にダイビングも始める。次第に海やダイビングに対しての想いが強くなりすぎたため、2021年にオーシャナに転職。ライターとして、全国各地の海へ取材に行く傍ら、フリーダイビングにゼロから挑戦。1年で日本代表となり世界選手権に出場。現在はスキンダイビングインストラクターとしてマリンアクティビティツアーやスキンダイビングレッスンを開催。
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